2016年5月14日土曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Adolph and Eva]

第百三十五話 

メモの日時;1983年10月4日(火)
タイトル: [Adolph and Eva]
Episode;1355

アドルフ・ヒットラーとその愛人であり、1日だけの妻であったエバ・ブラウンの最期を描いた物語。
時は1945年春 。4月29日。ロシア軍がすぐ近くまで進攻したベルリンの地下壕にヒットラーとエバ。目の前には7.65口径と少し小型の7.35口径銃そして毒薬。小型の銃はエバが父親からもらったもの。エバは戦火の中、ヒットラーの別荘にあるベルヒステガーデンよりヒットラーの秘書のマーティン・バウマンによって呼び戻された。敗戦が決定的なものとなり、ソ連軍や英国軍に囚われる前にヒットラー自殺を説得するためである。
自殺を逡巡するヒットラー。ソ連軍に囚われればモスクワ動物園で晒し者、アメリカ軍事に囚われれば戦争犯罪人として法廷に引き出される。砲火が近づく中、残された時間はない。
エバが戻ってきた時、ヒットラーは休息中。目覚めたヒットラーはエバを馴染みのペットネームで呼びかける。自殺を示唆するエバにドイツ軍の将軍を呼び出すように告げるが、その将軍達は逃走し連絡が取れない有様。将軍を反逆者と呼び激昂するも、イタリアや北アフリカに展開した300万のドイツ軍は既に崩壊していた。

エバの回想。二人が最初に出会ったのは1929年。エバが17歳のときハインリッヒホフマンの写真スタディオで働き始めたその日のこと。この写真館はナティス党指定の写真スタディオであった。家に戻りハインリヒホフマン写真館で働き始めたと話すと、家族(姉)はナティス党に関係深い場所であり、ヒットラーも訪れるスタジオで働くことに反対する。その写真館は無垢な女性を雇いヒットラーのご機嫌をとるような店である、と。しかしエバはヒットラーに既に会ったと告げる。そして家族の心配をよそにエバはヒットラーに惹かれたと告げる。ユダヤ人根絶を唱えるヒットラーと関係しないように家族は説得するがエバは聞く耳を持たない。
その後ヒットラーは度々写真館を訪れ、エバを食事に誘う。ベジタリアンのヒットラーは宴を整え、エバの好みのアメリカの映画の手配をする。こうしてミュンヘンの教師の娘に生まれ、3姉妹の真ん中の娘であるエバはヒットラーと一緒に住むようになる。

場面は変わり再びヒットラーとの会話。ヒットラーは先に死ぬと告げ、エバに銃の扱いは確実かと念押し。エバはヒットラーを巡るマルガなどの恋敵に悩み、一度拳銃自殺を図ったことを想い起す。
ヒットラーは世界制服が失敗に終わったことなどに激昂しながらも、次第に自殺への心の準備が整い、good byとの最期の別れを告げる段になるが、またも心変り。good by ではなく永久に共にある旅立ちであると言うだし、秘書のマーティン・バウマンを呼び宴の準備命じる。訝しむバウマンにこの宴はエバとの結婚式であると告げる。そしてエバに結婚の申し込み。エバが16年待ち続けていたその時がやってきた。
将軍や親衛隊、そして最大の恋敵であるマルガ、戦火のもと呼び出した立会人同席のもと結婚式が執り行われる。結婚指輪はマルガの申し出を断固断わり、ヒットラーの命により秘書が用意。それは、強制収容所で取り上げた宝石ではあった。

結婚式の翌日、二人の最期の日。ヒットラーはエバに銃での自殺を止めるように告げ、美しい姿を壊さないようにと服毒自殺を命じる。毒薬が効くかどうかが心配で愛犬に効き目を試す念の入れ方である。そんな時、秘書のバウマンが訪れ、同盟国イタリアのムッソリーニがイタリア民衆によってリンチに処せられたと伝える。
ついにその時が来た。エバは銃でヒットラーの頭を撃ち抜く。エバはソファーに横たわり、長き愛人、1日だけのつまり、そして今は未亡人といったことを想い起こしながら服毒自殺を遂げる。二人の遺体は敵に見つからないよう隠された。

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