2016年2月23日火曜日

CBS Radio Mystery Theater  [The Voice That Wouldn't Die]

第百二十八話

メモの日時;1983年9月23日(金)
タイトル: [ The Voice That Wouldn't Die]
Episode;1387


軍隊を退役となりインドより戻ったヘンリー・モーティマとその娘ロリーナ。馬の世話をする従卒と共に亡き妻と一夏を過ごしたスコットランドのエジンバラの近くに館に居を構える。ある嵐の日、乗馬にでかけた娘が血の気を失った姿で館に戻る。嵐を避け近道をし、廃墟となった館の辺を駆けたとき、不気味な声を聞いたと訴える。父は幻聴として信用しない。医師も荒馬によるショックかインドから帰った直後故の症状であろうとの見立て。
部屋で休むロリーナ。悪夢にうなされる声。それを聞いた父親に、ロリーナは、何と言ったか尋ねると、 ”Mother, let me in”と聞こえたと父親の返事。ロリーナは母が同様な声を聞いた後、高熱にうなされ亡くなったため、母親が自分を求め、母親が亡くなったように自分も同様の運命を辿ると思い込む。

彼女の馬も何かを感じているようで、気が立っている。当初は娘の訴えに耳を傾けなかった父のヘンリー・モーティマも、実際に自分でその声の正体を確認すべしと従者のジャイビスと共にその廃屋に赴く。恐々と廃墟に入る二人。そこではっきりと"Mother, let me in"との声をきく。
実際にその声を聞くに及び娘の言葉を信じるようになる父。しかし、医師は全く信用しない。病状が悪化するロリーナ。父親は医師を廃墟に連れて行き、医師もその声を聞くにおよび、この不可思議な現象を鎮めてもらうべく、キリスト教の聖職者を招き廃墟に向かう。
聖職者は廃墟でその声を聞くなり、"ウィリー"と名前を唱え、彷徨う魂を鎮めるべく祈りを捧げる。実は、この声の主ウィリーとは、廃墟となっている家の家政婦の子供であった。一家が外出したとき、母親が家の中で亡くなり、完全に閉じられた館の中に入ることができず、この子供はドアの前でなくなった、と。そしてその子の最後を看取ったのもこの聖職者であった。
聖職者により永遠の安らぎを与えられたウイリー。不気味な声は、彼女の魂ではなく、廃墟の館に向けられたものであった。その声が消えるとともに、ロリーナの病気も回復したのである。

2016年2月21日日曜日

CBS Radio Mystery Theater  [His Fourth Wife]


第百二十七話

メモの日時;1983年9月22日(木)
タイトル: [ His Fourth Wife]

Episode;1314


英国チューダー王朝ヘンリー8世とその四人目の女王アン・オブ・クレーブスの話。
話は宮廷肖像画家のホルバインの回想という形式で物語ははじまる。ホルバインはタイトルにある4人目の女王アン・オブ・クレーブスの肖像画を描いた画家である。
(3人目の女王ジェーン・シーモア)を亡くし、新しい妻を、とヘンリー8世の股肱の臣トーマス・クロムウェルに迫るヘンリー8世。女王には誰でもいい、というわけにはいかないと、言を左右にこの話から逃れるようとするクロムウェルに対し、明日迄に候補者を挙げるべし、とヘンリー8世は命じる。
翌日クロムウェルが提示した候補者はドイツ神聖ローマ帝国クレーブス伯爵の娘アン・オブ・クレーブス。クロムウェルは対フランスへの対抗勢力としてドイツとの関係強化を強調するが、王は気に入らない。24歳にもなって婚姻をしていないのは、見目麗しくない故のことであると反論。逆に王からの提案はデンマーク王国のクリスティーナ王女。16歳の美しい王女ではあるが、デンマークとのアライアンスは(気に入らない女王との離婚を認めないローマ法皇と決別し、英国国教会をつくり、欧州大陸諸国から孤立している)英国に大きなメリットはないと反論。話が膠着。
そこで、壁にかかった3人目の妻であるジェーン・シーモアの肖像画を見て想いに耽るヘンリー8世はある提案を思いつく。二人の妃候補者の肖像画を見て判断しようと。そこでお呼びがかかったのが宮廷肖像画家であるホルバイン。クロムウェルからはアンを実物以上に美しく描けば大金を褒美に渡すとの提案も、画家として見た姿を描くとその提案を断り肖像画を描きに旅立つ。
最初はデンマーク王国のクリスティーナ王女。驚くほどの美しさ。しかし姫は自分の3倍も年上の男と結婚する気はなく、愛する人と結婚すると話す。そして候補者がアン・オブ・クレーブスであると聞くに及び、愚鈍なアンとの比較をされることにも怒りを覚える。その結果、肖像画を描きはじめるとともに次第に生気がなくなり、出来上がった肖像画は王女の心の奥の拒否感を表現するものとなっていた。王女の伯父は英国とのアライアンス強化のために、より美しい仕上がりを願うも、クリスティーナ王女はアンを実物より美しく描いて欲しいという始末。
次にアン・オブ・クレーブスのもとに。そこにはアライアンス強化を画策するトーマス・クロムウェルの姿もあった。アンが登場。愚鈍な王女との印象。しかし、肖像画を描きはじめ、アンが自分の感情を率直に話すに及び彼女に対する印象が大きく変化する。王家でも邪魔者扱い、政略の道具として見られていなかった自分は、この機会によって英国の女王となれるのだ、と。その激昂し生気漲る彼女の内面をホルバインは描き出す。
そして肖像画公開の日。気もそぞろなヘンリーが同時に覆いを外し、王妃に選んだのは、アン・オブ・クレーブスであった。しばらくして、待ち望んだアンがヘンリー8世の前に登場。しかしそこに現れたアンは元の愚鈍な姿。ヘンリー8世もアン本人がわからないほど。感情のほとばしる肖像画とはまるで違うアンを見て、儀礼的挨拶もそこそこに、ヘンリー8世はアンの元から立去る。去り際にヘンリー8世はトーマス・クロムウェルに後から話があると告げものがたりは終わる。
後日談:アンは(半年も経たず)離婚。トーマス・クロムウェルもヘンリーから嫌われ(後日処刑)。ホルバインはトーマス・クロムウェルから、お褒めの言葉をうけるも、手心を加えたもちはなく、画家の目に見えた姿を描いただけと断言。その後ヘンリー8世の5人目の妻であるキャサリン・ハワードの肖像画を描く(宮廷画家を剥奪された、とも)。そのキャサリンにも過酷な運命が待っていた。

2016年2月20日土曜日

CBS Radio Mystery Theater  [The Hand of Amnesia]

第百二十六話

メモの日時;1983年9月21日(水)
タイトル: [The Hand of Amnesia]音声は左の英語タイトルをクリック
Episode;1350

年上の金持ちの女性と結婚した男フォスター、夜に荒地を歩きながら彼女から離婚の話を切り出される。妻は私立探偵を雇い、彼のデンバーの愛人を突きとめたのである。
それから4ヶ月後、彼女の姉とその夫がフォスターを訪れていた。あの夜以来、姉が行方不明となっているのを不審に思い、警察官であった夫と調べにきたわけである。フォスターは、彼女は記憶喪失にかかり戻れないのだと言い張るが、財産目当てに結婚したと思っている姉はフォスターの話を信用しない。昔のよしみで警察に出向き調べるも、決定的な証拠はなく、只デンバーの愛人の事を知ることになる。
フォスターが愛人にに宛てた手紙などから彼女が動機で犯行を犯したと思い、行方不明となった夜に歩いたという荒地を調べようとする。荒地は大変危険で、一寸したことで石が崩れるようなところ。ロープを使い下り始めると大きな土砂崩れが起き、とても下りることはできないと分かり、そんな荒地に殺して埋めることなどできないと、疑った事を彼に謝る。
その夜、久しぶりにくつろいで夕食をとっているとき、その日に撮った写真に、どうも人の手のようなものが写っていると姉が言い出す。フォスターはその言葉に非常に怒り、一刻も早く家を出て行くように要求する。フォスターも以前、夢に妻が崖下に落ち、岩に埋もれている姿を見たりしていたので、気になり明朝警察が来るまでに確かめようと荒地に向かう。
翌朝、警察が姉夫婦のもとに現れ、フォスターが荒地で亡くなっていたことを告げる。彼らはこれでフォスターが真犯人と確信し警察も協力を感謝し帰ってゆく。
翌日、彼女が大変な間違いを起こしたと夫に伝える。写真に写った人間の手だと思ったのは木であったと言い出す。そのとき、入口に物音がするので出てゆくと、そこに現れたのは亡くなったはずのジュディであった。彼女は大丈夫と言うにだが、話からすると、彼女が覚えているのはフォスターと再婚する前の夫が亡くなった時のことだけであり、それ以降の記憶はすべて消え去っていた。可哀想なフォスター。

2016年2月10日水曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Code Word, Caprice]

第百二十四話

メモの日時;1983年9月19日(月)
タイトル: [ Code Word, Caprice]
Episode;1348

大型長距離トラックのドライバーであるトム・テリーのもとに電話。"逮捕に抵抗しないように。そうすれば5000ドル渡す"と告げて電話が切れる。何のことかわからず当惑するトムは会社のボスの秘書であるダル・イベットの家を訪問。
(何故彼女の家をおとずれたのか、二人の関係はなど、よくわからないのだが)トムは初めて彼女の家を訪れたようで、その豪華な住まいに驚く様子。彼女はボスであるトム・クラークによくしてもらっている、と取り繕う。(それはそれとして、)トムは彼女に不思議な電話のことを告げる。そして電話の事をボスに伝えて欲しいと伝言し 、シカゴ往復の仕事に向かう。
16輪の大型トラックを進めていると、突然パトカーに停止を命ぜられ、そのまま拘束され、トラックは荷物ごとハイジャックされる。オフィスでこのニュースを聞いたボスのトム・クラークとそのアシスタントのアラン・ハーパー。大型トラックハイジャックはこれで2度目。最初にハイジャックされたドライバーのマークは怪我をして入院中。ドライバーは無事と聞いたボスのトム・クラークはドライバーのトム・テリーに疑いを抱く。
オフィスに戻ったトムは電話の事、そしてその電話の主が英語圏ではない話し方をする人物であることなどを説明し、嫌疑を晴らしていく。また、抵抗しないで手に入れた5000ドルをボスに戻す。依頼したにもかかわらず、ボスの秘書は電話の事を伝えていなかった。ボスもアランも、そして担当のモラン警部もトムの無実を信じるが、大型トラックの配車状況を把握しているハイジャッカーには会社内に情報提供者がいるとの結論を出す。
ここからは情報提供者の洗い出しのプロット。アラン・ハーパーがとモラン警部が中心となって事を進める。プロットは、アラン・ハーパーはフロリダのパームビーチの休暇に行く、ということにして、その実はシカゴに向けて大型トラックを運転。車には位置を示す装置をつけて警察がそのシグナルを追っかけ、ハイジャックされたトラックの場所を特定しよう、というもの。
ボスは秘書のダル・イベットにパームビーチへの飛行機の手配を指示。しかし、トムの口から、実際はトラックに乗ってシカゴ、そしてニューヨークに向かう、といったニュアンスの発言をさす。アランはトムに依頼された電話のことを伝えず、彼に疑いをいだかせるような行動をとったボスの秘書を内部通報者と感じ取っていたようである。
彼女はハイジャック仲間に連絡。外国語訛りの男トーコは彼女の通報に従い首尾を整えハイジャック。事は計画通りすすむが、ボスの秘書には偽の情報を流す。彼女はトーコに連絡。その通話はすべて警察によってモニターされており、ボストンとトムが彼女のもとに向かい一件落着。
一方、モラン警部とアランはハイジャックされた大型トラックが積み込まれている船にむかう。船長に証拠は挙がっていると伝え、乗船しているトーコのいる船室に案内させる。そこで逃げられないとナイフで抵抗するトーコに刑事が腕に銃弾、船長にはアランが頭を殴り二人を捕らえ、一件落着。
ハイジャックしたトラックとその荷はカリブ海の国に売り飛ばそうとしていたわけである。
(と、ここで終わりたいのだけど、最後の最後が聞き取れず、論理的には間尺に合わない話ではあるが、アランがすべて黒幕であるようなトーンも感じる。荷物の内容売るには価値ありそうなものだが、今ひとつ聞き取れなかった。)


注;メモの日時;1983年9月16日(金)放送の第百二十三話、Bottom of the Worldは再放送のため省略。

2016年2月9日火曜日

CBS Radio Mystery Theater  [My Fair Lady-Killer]

第百二十二話

メモの日時;1983年9月15日(木)
タイトル: [ My Fair Lady-Killer]
Episode;0592

女性のもとに男性からの電話。女性はアニータ・ロレンソン、男性はテレンス・フェルマー。二人は不倫関係にあり、アニータはテレンスに妻と別れて自分と結婚することを迫る。そのとき、アニータに訪問者。電話を離れ応対に出るが、何か事件が起きた気配。
それから4,5日後 、テレンス・フェルマーのもとにリスター刑事が訪れ、アニータ・ロレンソンが32口径の銃で殺害された事件の事情聴取。最初は二人の関係についてしらをきるも、アニータが妹に宛てた手紙にテレンス・フェルマーとの関係が書かれており、モーテルでの諍いの裏を取っており、二人の関係を認める。
事情聴取の後、リスター刑事と刑事部長との会話。リスター刑事はテレンスの犯行と主張。アニータがテレンスの妻に、二人の関係を告げることを防ごうと彼女を殺したのだ、と。リスター刑事はテレンス・フェルマーのような男に嫌悪を抱いているようであり、刑事部長はそんなリスター刑事に冷静になるようにと話す。
そんなとき、第二の殺人事件。被害者はサラ・ジーン・トンプキンス。今回も同じ32口径の銃による殺人。リスター刑事は彼女の元の夫の母親に事情聴取。息子とサラは離婚をし、母親としてはそれを喜んではいたのだが、息子のたっての願いで、嫌々復縁を認めたとのこと。母親は男好きのするサラのことをよく思っていないようである。その事情聴取の中で、彼女が客を迎えに行き事件が起きたとき、サイレンサー付きの銃の発射音を聞いたと話す。リスター刑事は未だテレンスを容疑者と思っている。
その事情聴取の最中に刑事部長からの電話。第三の殺人事件が起こった、と。被害者はマリリン・ウオーター。離婚歴のある魅力的な女性で、同じく32口径の銃で殺害されていた。
3人の被害者の共通点は、魅力的で男好きする女性であること。刑事部長とリスター刑事は精神分析医に犯人のプロファイリングを依頼。中年の男性で、シャイな性格、そして未婚などとのご託宣。刑事部長とリスター刑事は被害者の共通点を検討。魅力的な容姿の他、犯行現場は共に玄関であり、出迎え時に殺害されていることから、荷物などの配達人を容疑者として調査。17台の配達のトラックを絞り込み、これから捜査、というときにマリリンの別れた夫からの電話。アルビン・プライスという庭師とマリリンのことを伝える。
場面はアルビン・プライスの家。夫人のフェリシアは出かけようとするアルビンに家で共に過ごしたいと願う。それでも出かけようとするアルビンに妻のフェリシアはアルビンが3名を殺害したこと、また彼が3人の女性と関係をもったことも知っていると告げる。
一方警察署では刑事部長とリスター警部はアルビンの容姿、バックグランドが精神分析医と全く異なるため少々困惑。しかし、当たって砕けろとばかり、アルビンの家に向かう。
ふたりの警察官がアルビン宅に到着。アルビンを女婿連続殺人事件の容疑者と告げるが、アルビンは当惑。疑惑を晴らすため、家宅捜索をしてほしいと自分から申し出る。その結果、地下室から32口径の銃を発見。アルビン・プライスは逮捕されるが、本人は意外な展開に驚くのみ。
アルビンは裁判を受け入獄。面会に来たフェリシアが彼に告げた真実とは;殺人犯はフェリシア夫人。男前のアルビンが見た目の良くない自分と結婚したのはお金目的。殺人は女性と関係をもつアルビンに対する復讐であった。これからはアルビンは他の女性ではなく、自分だけのもの、と告げて去る。

2016年2月8日月曜日

CBS Radio Mystery Theater  [If Mischief Follow]

第百二十一話

メモの日時;1983年9月14日(水)
タイトル: [ A Question of Identity]
Episode;0551

結婚を2週間後に控えた女医マリアン・グレッグのもとに、5年前に自動車事故で亡くなったはずの夫が突然現れる。彼の話によれば、金に困り借金取りに追われていたので、同乗していた友人を身代わりにして逃亡をはかり、彼女の父親にも相談し実行したのだが、その父親も亡くなり、一人息子のスティビーにも会いたいし、また自分が重傷で歩く事もできず、面倒をみてくれる人が必要ということで戻ってきた、と言う。
マリアンは翌日再婚予定の医師ブライアン・ダグラスに会い、結婚ができなくなったと話していると、元夫から電話があり痛みが激しく救急車で病院に運び込まれた、とのこと。マリアンは彼に手術が必要で、それも結婚相手のブライアンが最適と説得するのだが、彼は信用せず、承諾のサインを拒む。そして、母親に助けを求める電話をする始末。
マリアンは母親に彼の事を知らせなかったことを詫びながらも、彼に手術の説得をしてほしいと頼む。母親グランは息子のスティビーにはどうなるかもわからないので知らせる必要はないことは同意する。
突然、元夫の容態が急変したとの知らせ。手術の承諾のサインは妻であるマリアンからもらったことにして、手術が始まる。執刀医は結婚相手のダグラス。同僚は事情を知っているだけに、リスクを避けるように忠告するがブライアンは首尾よく手術をやり遂げる。そして、この手術はテレビを通して放送され、記者のひとりがこの間の事情を知り、美談として放送される。
ここで一見落着、マリアンとダグラスの恋は終わったかに見えたのだが、放送で知った昔の借金取りから借金の催促がはじまる。1週間以内に金を返さなければ、治った足を失うことになると脅される。元夫は車で逃亡を計るが、自動車事故に遭い、今回は本当に命を失う事になる。

2016年2月5日金曜日

CBS Radio Mystery Theater  [A Question of Identity]

第百二十話

メモの日時;1983年9月13日(火)
タイトル: [ A Question of Identity]
Episode;0551

婦人が出勤途中何者かに誘拐され、つれて行かれた場所で男が、政府の秘密情報期機関の者で、安全を図るためこのような方法で来てもらったと説明する。そして彼女に別れた夫の確認を依頼する。
元主人は自動車事故で顔に大怪我をし、整形手術をしているので確認はできないと言うが、男は二人だけの記憶にある思い出をたよりに確認してほしい、と。

彼女が元の夫を恨んでいることは裁判の記録等から情報機関も知っており、彼に会いたくないという彼女に、国家の安全に関わる事であるからと依頼する。
秘密機関の男の説明によると、彼女の夫は長年ホテルにセールスマンである仕事を利用して、機関の情報の運び屋をしている、と。今年も欧州に行き、情報を受け取り運んでくることになっているのだが、手紙が3カ所、そして3人の男から来たので、それが本物か分からない。夫のファイルや指紋も何者かにより持ち去られてしまっているのである。
情報機関の指示により第一の男が指定した空港で待っているのだが、誰も現れず、代わりにウエイターからメモを渡され、そこには「一体何をしているのだ」といった意味のことが書かれていた。機関の指示により待っていると男が現れ情報を受け取る。彼女は、その男は主人と似ているし、昔のこともよく知っているが断定できないとし、二番目の男を待つ。
機関の指示により動物園で会った男、彼も同じく昔の事をよく知っている。そして不審な男に爆弾を仕掛けられ、危うく危機を脱することになるのだが、その男を元の夫と断定しない。事件を彼女に信用されるための企みと思い第三の男を待つ。
次に現れた男、前のふたりほど似てはいない。彼女の反対にも関わらず主人が許したばかりに、自動車事故で亡くなった息子のことに話が及び、彼女が泣き出すと、彼は自分は元夫ではないと白状する。彼は昔話題になった本を書いた小説家であったが、行き詰まりフランスで英語を教えていたところ、身代わりになる話が出て、金や小説のネタになると引き受けた、とのことであった。
彼女が帰宅すると、突然最初に会った男が現れ、自分が元主人であると機関に報告しろと迫る。彼女が断定できないと言い張ると、彼は「憎い男。死んでしまえ」と呟く。その言葉は彼が事故を起こし病院に入院したときに彼女が彼に言ったセリフであった。彼女が訪れたとき、彼に意識はないと思い、彼には聞こえないと思って呟いたもので、彼しか知らないセリフなのであった。
最初に会ったとき、それを言わなかったのは、彼女に憎まれている事を知っている彼は、彼女が意図的に嘘をつき、機関に彼を殺させることを怖れたからと告げる
彼は彼女に5万ドル渡すから機関に本当のことを言ってくれと依頼する。そして彼が言ったのは、自分は他の国の情報機関の為に働いており、偽の情報を渡すために本当らしく見せようと他のふたりを使ったとのこと。彼は逆スパイであった。
彼は彼女に5万ドルを渡して去る。彼女は情報機関に連絡とり、どの男かは断定することなく、情報は嘘の情報であり、彼から告げられたことをすべて話し、彼への復讐を遂げるのである。

2016年2月4日木曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Happy Death Day]

第百十九話

メモの日時;1983年9月12日(月)
タイトル: [Happy Death Day]
Episode;0589

財産を相続した妹を、その主人と姉が殺そうと計画する話。
主人公の女性、夢で誕生日にビルから飛び降り自殺を計る夢を見る。これは主人が催眠術をかけて暗示を与え、完全犯罪を狙ったものである。彼と主人公の女性の姉は昔からの恋仲であったが、財産目当てで妹と結婚したのである。
ほとんど成功するかに見えたのだが、彼女が相談に行った精神分析医が、彼女の夫の催眠術に不審を抱き、その催眠術が最後の最後で解け、悪魔の正体、彼女を追っかけ、死に至らしめようとするものの正体を見れるように努力する。
そして、誕生日に、彼女が屋上に上がり、飛び降りようとする時に醒めて、前にいた男、彼女の夫を逆に突き落とす。Happy Birth DayならぬHappy Deth Dayとのタイトルの所以である。

2016年2月3日水曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Look Backward Sometimes]

第百十八話

メモの日時;1983年9月9日(金)
タイトル: [ Look Backward Sometimes」

Episode;0616


人気テニスプレーヤーの妻スーザン・タルボットと人気歌手の夫。夫はスーザンにテニスを止めて家事に勤しみ、はやく子供をもとうと希望するも、彼女はテニスでチャンピオンを目指すとローマでの試合に赴く。
パリで飛行機を乗り換えてローマに向かう。隣には飛行機の旅に慣れない婦人ロージー。婦人は第二次世界大戦のイタリア戦線で戦死し、集団墓地に木の十字架で祀られる夫の弔いの旅の途中。亡き夫を石碑で祀りたいと考えている。
飛行機はVIPの到着を待って離陸。ファーストクラスのキャビンにはスーザン、ロージー夫人、新婚さんらしき英国人のカップル、そして美男の青年ペペの6名。しかし、アルプス上空でトラブルに見舞われアルプス山中に墜落というか緊急着陸。機体は大破したがファーストクラスのキャビンは運よく機体から切り離されたため、ファーストクラスに搭乗した6名はニュースで報道された被害者リストには載っていなかった。
そしてその6名。実際は英国人の新婚カップルの新妻は事故で亡くなり、夫も意識不明の状態。青年も怪我をしており、無事であったのはVIPのミランとスーザン、そしてロージー夫人の5名。
捜索の飛行機も彼らを見つけることができず焦るVIP。元気なのは自分とスーザン、そしてロージー夫人であるが、歳をとったロージー夫人やその他の怪我人を見捨てて二人で麓に下りていこうとスーザンにもちかけるが、スーザンはきっぱり断る。
意識を回復した英国人の夫ピーター。うわ言で“スーザン”と呼びかける。彼の妻の名前は主人公のスーザンと同じ名前であった。妻の亡くなったことは伝えず、スーザンは彼の妻のように振る舞いピーターを看護する。
そして美男の学生ぺぺ。ジェノバで学ぶ学生のペペは、実はVIPのミランを暗殺する役目を負っていた。銃でミランを殺害しようとするも、腕の怪我のため断念せざるを得ない。
そして5名は無事救助される。英国人のピーターは看護のお礼を述べ、別れ際にスーザンに名前を聞くが、スーザンはそれに応えることなく去る。亡くなった彼の妻の名前を思い出させないための配慮であろう。
スーザンは夫と再会。夫はスーザンの好きなことをさせようとするが、スーザンはテニスを離れ家庭に専念すると告げる。常に前に進むだけでなく、過ぎ去った過去を振り返る大切さをロージー夫人に、夫婦の愛情を英国人のピータから学んだようである。そしえ病院での手当の過程でわかった赤ん坊を授かったことを夫に伝える。
家庭に戻り、子供を産んだスーザン。しかし、数年後にはテニスにも復帰。チャンピオンにもなり、さらには“Sports Woman of the Year”にも選ばれることになる。

2016年2月1日月曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Woman in red]

第百十七話

メモの日時;1983年9月8日(木)
タイトル: [ Woman in red]
Episode;0588


バーニーの酒場で、ある男がバーニーに腕のいい泥棒を斡旋して貰う。現れたのはエメット・ポースランド。男は彼に市の美術館にある、"woman in red "を盗んで欲しいと依頼する。
場面は警察。この絵画盗難を捜査している警部のもとに女性が現れ事件解決の手懸りを知っていると申し出る。彼女はこの度、この部署に転任してきた婦人警官であった。彼女が興味をもっているカメラの勉強会が、たまたま美術館であったのだが、そこに偶然エメットが写っていたのである。
早速彼の部屋に直行。そこで見たものはエメットの死体。エメットのガールフレンドから、エメットがルーニーに仕事を斡旋されていたことを聞きルーニーのもとへ。しかし、そこでもルーニーが殺されていた。
手掛かりを失っているところに、とある女医が現れ、患者のひとりがある家で偶然その絵を見かけた、と申し出る。その患者は治る見込みがなく、彼のもつ全ての美術館品と共に死んでゆく様子である、と。
ここでまたも事件が。大工が殺される。その大工の妻の話によれば、なんでも墓みたいな部屋を建て、金を受け取りに行って殺されたのだと。
建築依頼者の家に急行。しかし、そこは全て空になっていた。この依頼者は古代エジプトの王の如く、死後美術品に護られていたいと思っているのだ。
又も手掛かりをなくしたのだが、この婦人警官がテレビに出演し、自分がwoman in redのモデル出あるので絵を返して欲しいと訴える。これを知った建築依頼者は彼女にコンタクトし、部屋に連れて行き、永遠の世界にともに旅立とうとするが、彼女は危うく難をのがれる。