2016年5月10日火曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Yearbook]

第百三十三話

メモの日時;1983年9月30日(金)
タイトル: [Yearbook]
Episode;1354


ひとりの婦人ローズがいつものとおり夜ジョギングしていると、怪しい車を見かける。男が死体のようなものを車のトランクに入れているように思い、警察に通報。警部が来るも証拠はみつからない。ただ。婦人はその男に見覚えがあった。
翌日警察を訪れた婦人は、その男が自分の高校時代の同窓生で、ハンサムでlady killerと呼ばれるほどの男であったことを、自分の卒業アルバムで確認したと知らせる。その男の名前を聞いた警察は、彼は金持ちの女性と結婚し成功し、有名人となっていると伝えるが、彼女は彼の高校時代の悪い印象から、何かあると確信する。警察は早速確認のため彼に電話するが、タイヤがパンクして困っていたのだと返事を寄越すだけであった。
婦人は何か手掛かりを探ろうと、自分の仕事である雑誌販売のセールスを利用して彼の妻のことを探るが、彼女はロスに出かけ、1ヶ月ほど戻らないと男は告げる。しかし、あまりに熱心に妻のことを尋ねる事に不審の念を抱いた男は、電話の主が夜道であった婦人であることに気づく。
ますます疑念を抱いた婦人は私立探偵を訪ね調査を依頼すると、偶然にもその私立探偵もその男の婦人から彼の素行調査を依頼されていたのだが、数日前から連絡がなくなっている、と。
ふたりはその男が婦人を殺したと確信し、二手に別れて調査をはじめ、ローズ婦人は、その男がテニスクラブで付き合っている女性を見つけ出す。私立探偵も婦人がホテルからいなくなっていることを見つけ出す。男の付き合っていた女性のところに調べにゆくと、ルームメイトは年配の男と付き合っていること、そしてその男の事をよく思っていないこと、さらに、数日前から姿が見えなくなったと話す。
こうして調べた事実から、ふたりが出した結論は、その男は婦人を殺し、どこかに隠し、女優志願であった男の愛人を身代わりにロスに行かせ、アリバイをつくり、そしてホテルから消えたのだと警察に訴える。
そのことを警察に話をしているとき、電話がかかり婦人が発見されたと知らされる。てっきり婦人の死体が見つかったと思ったのだが、婦人は元気だというロスからの電話であった。
確信が吹き飛んだ二人は落ち着いて、一時は昔の偏見から人を判断してはいけないかとも思うのだが、明白な事実の見逃しはないかと反省し、そこから見いだした結論は、彼が殺したのは婦人では泣く愛人である、ということであった。
再びルームメイトのもとを訪れ、何か手懸りになるものはないかと尋ねると、テニスクラブでの話とは異なり、彼女は会計士志望で、いつも計算機を持ち歩き、決まった時間になると“ピー”と音が鳴り、目覚ましがわりに使っていたということがわかる。
私立探偵はこの話を聴き、ローズ婦に愛人を隠している場所を突き止めると約束し、翌日ふたりで男のもとに訪れ、墓地で彼女を見つけたことを伝え、呼び出した警部に男を逮捕させる。
私立探偵が発見した理由は、ルームメイトから聞き出した、朝目覚ましの音がなる時刻に墓地に行き、音のする場所をつきとめた、と。男の完全犯罪の唯一の失敗は、彼女のポケットを空にしなかったことであった。

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