2013年9月30日月曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Wine, Women, and Murder]


メモの日時;1983年8月17日(水)
タイトル: [Wine, Women, and Murder]
Episode; 0651



カリフォルニアで書店を営む主人公ブレックンリッジ。いつもの女性のお客様リード嬢が来店。店の休日の案内から、贔屓の詩人であるコールリッジの学会に出席するためにドイツのケルンに赴くとの話しになる。コールリッジはライン川の汚染を嘆きそれを詩に詠んだ、言わば最初の「環境詩人」と言った話の中で、女性からケルンに住む従兄弟(いとこ)への用事を依頼される。その用件とは、従兄弟のハインズ・ベクスラーに、亡くなった叔父の屋敷を譲渡承認する書類にサインを貰って欲しいとのこと。本屋の主人は了承し一路ケルンへ。
ケルンに到着。学会が始まる夜、夕刻にタクシーに乗りハインズの家に。ハインズは大学で分子生物学を教えている。家に招き入れられ、勧められるままにワインを飲み、分子生物学で有名な学者の話題などをし、その学者と懇意であるといった話をした後、土地の譲渡承認の書類を渡し学会へ向かう。
主人公が部屋に戻ると警察官。ヘインズ殺害の容疑で逮捕される。殺害された時間にその学者の家を訪れたことはタクシーの運転手からの裏もとってあるとのことで、収監される。主人公は無実を訴え、警察には譲渡承認書を届けることを依頼された女性のリードに確認を願うが、リード嬢はそのことを否定する。
結局主人公はアメリカ大使館に保護を求め、領事館より三等書記官の女性が登場。領事も来ないし、来たのは「三等」と、見当違いな怒りをもつも、結局はその三等書記官と事件当夜のことを思い起こしていたとき、主人公は事件の鍵を解く重要な事実を思い出す。主人公は著名な分子生物学者の名前を間違えたのだが(著名な分子生物学者ハリソン・ピーターソンを、ピーター・ハリントンと言い間違える)、ハインズはいい間違ったピーター・ハリントンと懇意と言った、という事実。つまりは、主人公が会った男は分子生物学者ではなく、別の人物であるということであった。そして書記官と死体安置室の人物を確認すると、予想の通り、主人公が会った人物とは全くの別人がそこに安置されていた。
書記官の保証のもと、無事解放された主人公、二つのポイントから真相究明を図ると書記官に告げる。ひとつはハインズ・ベクスラーになりすました男。人物の特徴を警察に伝え、該当人物の調査を依頼する。そしてもうひとつはハインズに勧められたワインのこと。ワインの本場であるドイツにいるにも関わらず、アメリカのカリフォルニアでできたワインをもっていたことに違和感を抱く。
一つ目のポイントは直ぐに解明。その人相風体からその男の正体は判明するが、その男は既にシュトツガルトで殺され、亡くなる前にハインズ殺しを告白していた。二つ目のポイントであるワインの調査にハインズの家に書記官と赴く。輸出するほど大量につくっていない希少なワインの入手先の手掛かりを求め、郵便物の配達夫を待ち構え問いだたすと、ワインは月に1度送られてくることがわかった。
シュトットガルで殺された男が所持していた譲渡承認書を返却すべく、カリフォルニアのリード嬢に電話すると彼女はケルンに向かった、とのこと。彼女の到着を待ち構える主人公。予想外の主人公の登場に驚き、彼が発する質問への応答もしどろもどろ。
そして主人公の推理。(どのような論理的推論で導き出したのか全く不明ではあるが、)主人公の推論ではリード嬢はスパイと断定。カリフォルニアから送られるワインのラベルにあぶり出し文字といった仕掛けをして、アメリカの機密情報をドイツの従兄弟(彼もスパイ)に送り、東側に情報を売っていた。そして、従兄弟が殺されたのは、スパイ組織に脅しをかけたため消されたのだ、と。
また譲渡承認書にも同じあぶり出し文字で機密情報が、と話していると、リード嬢が豹変しスパイの顔に。主人公にピストルを向け、正当防衛で止む無く射殺した、との弁明をするとして発砲。その時警官が現れるも、リード嬢ではなく主人公を逮捕する。
場面は変わって書記官との会話。彼女は主人公が真相を探り出したことに苦言を呈する。書記官はリードたちがスパイであることはわかっており、意図的に偽の情報を、彼等を通して東側に流していたわけで、それが主人公の「活躍」で今後機能しなくなる、と。主人公曰く、自分がこのままカリフォルニアからいなくなれば、リード達のカリフォルニアのスパイ組織は主人公の逮捕を信じ、スパイ組織は安心してそのまま存続するだろう、と。そして、主人公がカリフォルニアから消え去り行き着く先はこのケルン。この地に店を開き、三等書記官を第一等に考え、共に過ごそう、と。

2013年9月29日日曜日

CBS Radio Mystery Theater  [The Two-Dollar Murders]


メモの日時;1983年8月15日(月)
タイトル: [The Two-Dollar Murders]
Episode; 0659



駐車違反で切られた2ドルの反則切符がもとで起きた連続殺人事件にまつわるお話。
人知れず付き合うビジネスマンのゴードンとその愛人のアルバー・バービー。ある夜、彼女の部屋で諍い。彼のビジネスに纏わる秘密をマスコミにリークしようとしたことに怒り、バービーを銃で殺害。
部屋を出て車を留めた場所に戻ると警官が駐車違反の切符を切っている。ここで切符を切られたら犯行現場近くにいたことがわかるため、その警官フランク・ポリードにそれとなく金を渡すから違反切符を切らないようにほのめかす。しかし、賄賂などとんでもないと警官フランクは違反切符を切ってしまう。
そのフランクは巡回の途中、ちょっと食事に軽食堂に立ち寄り。そこの女主人マリーが2ドルの無銭飲食の男を追い出した話をしたとき、フランクは自分も同じ2ドルをもとに起こったエピソードを話す。服装も決まっており、高級車に乗る男が2ドルをけちるとは、といった軽口を述べ、再び巡回へ。
翌日ゴードンの自宅。妻のロリーナが新聞記事に載った昨夜の連続殺人事件のことを夫に話す。記事には、女性と警官が殺された、と。そしてその警官はフランク・ポリードである。妻の話に対し、夫のゴードンは「アパート」で「若い」女性が殺されたなど、妻が伝えていないことを思わず漏らし。そのことを妻から指摘されるが、何とか話の辻褄を合わせる。
ゴードンの妻は、夫が持ち歩く38口径の銃が心配の種。銃などもっていると事件に巻き込まれるから携帯を止めてほしいと願うが、夫のゴードンは自分のような金持ちは自分を護るために必要と主張する。
場面はマリーの軽食堂。ゴメス刑事との話によれば、警察は警官のフランクとバービーが関係をもち、フランクがバービーを殺し自分も自殺したとの見解。フランクをよく知るマリーは、フランクは夫婦仲も良く、警察の見解は間違いであると強調する。
代わってゴードンの自宅。妻のロリーナは警察に銃の口径を尋ねる。夫の言動に不信感を抱いたのだろう。この犯人の妻の真相究明の動きと並行し、軽食堂の女主人マリーもフランクの無実を信じ真相究明に動く。ゴメス刑事を訪ね、犯行当夜の警官フランクの話した駐禁違反切符のエピソードを話し、金持ちであるのに2ドルの違反切符をもみ消そうとしたということは、事件と関係があり、この違反切符を取り返すために警官のフランクを殺したのでは、との推理を述べ、であるとすれば、違反切符の連番が1つ抜けているはず、と。警察で確認すると切符の連番6228が抜けていた。
再びゴードンの妻。夫の出張先と言うフィラデルフィアのドーソン氏に連絡を入れると、そんな面談の予定はなかったことがわかる。更に警察の当該事件の直通番号に電話し、応対に出たゴメス刑事に銃の確認をする。夫のもつ38口径のリボルバーはバレンタイン社製の特注品といったもの。犯行に使われた銃の特定を警察に依頼したときに電話が切れる。夫が戻ってきたのだ。
夫は妻が電話したフィラデルフィアとニューヨークの通話先を問い詰める。その時はなんとか言い逃れるが、夫は通話先を確認し妻が自分を疑っていることを確信する。そして、特製の銃で共に死のう、との夫の言葉に妻のロリーナは自殺をするから銃を渡すように夫に願う。そして銃を手に入れたロリーナはやむなく夫を銃で撃つ。警察が手掛かりをつかみゴードン宅に急行してきたのは、その後であった。

1983年8月16日(火)
前半台風情報のため録音不可


2013年9月28日土曜日

CBS Radio Mystery Theater  [We Meet Again]


メモの日時;1983年8月12日(金)
タイトル: [We Meet Again]
Episode; 0739


警官のハリー・コバックが深夜帰宅。うたた寝していた妻のアンに3カ月かかった殺人事件を自分の手で解決した、と話す。午後7時頃にはマスコミに発表され、その後対応に忙殺され、アンに電話もできなかった、とのこと。ステーキをとの主人に健康のため軽食を用意し、夫は眠りにつく。
翌朝、友人(兄弟かも?)デックが訪れ、夫のハリーが寝込んでいることを確認し、ハリーが解決した事件の記事を見せ、夫が逮捕した犯人はジェフリー・パーカー・JRであることを知らせる。このジェフリー・パーカー・JRはアンがハリーと結婚するずっと昔に婚約していた男性。アンはジェフリー・パーカー・JRは人を殺すような男ではないと無実を確信する。そこには彼を見捨てた自分に対する罪の意識もあったようである。
アンは目覚めた夫にジェフリー・パーカーが犯人であるとの根拠を尋ねる。被害者であるブロードウエイの大女優キャリー・ドレイクの部屋に入いる姿を目撃した人もいるし、近くに停めていた高級車の登録者、そして殺人現場に残っていたシガレットケースに刻まれていたイニシャルの「J」より、ジェフリー・パーカーを特定したとのこと。また犯罪の履歴が残ることも状況証拠の一つとなっていた。部屋からはサイドボードに置かれていた宝石のブレスレットも消え去っていた。
それでも元婚約者の無実を信じるアンは警察を訪ね、顔見知りの刑事に容疑者との昔の関係を告げ、面会を求める。アンの突然の登場に驚くジェフリー・パーカー。それ以上に、アンの夫が自分を逮捕した警官であることを知り、アンに退去を求めるが、彼の無実を信じるアンに当日の言動の再現を話し始める。彼が言うには、職を転々とした自分は車の販売員となり、大女優であるキャリー・ドレイクに車を買ってもらえば効果的と付け入るチャンスを探し、ガードマンの隙をみつけて建物に忍び込み彼女の部屋をノック。「ハロー」との言葉でドアが開き、後は言葉巧みに取り入り、一緒にワインを飲んだり、タバコを吸ったり、あまつさえ関係も持った、と話す。
アンは夫のハリーに容疑者が昔の婚約者であったこと、そして面会をしたこと、また彼の無実を信じていると告白する。そして、夫にジェフリー・パーカー以外に犯行の動機を持っている人物を挙げてもらう。その中に真犯人である婚約者のポールジェニングも含まれていた。
再びジェフリー・パーカーに面会。再度犯行当日の言動の再現を求める。と、その話の流れの中で、唯一の差異はドアを開けたとき「ハローダーリン」と言ったこと。夫にそのことを告げ、ダーリンと呼ばれる以上、婚約者の来訪を予期していたのだろうから、犯人は婚約者のポール・ジェニングではないかとの推理を述べる。昔の婚約者の無実の立証に奔走するアンに友人のディックも忠告。夫の気持ちも考慮せよ、と。
しかし、アンは大女優キャリー・ドレイクにデビュー当時から仕えてきた家政婦に面会を求める。大女優の私生活をマスコミに売り、お金を得ようとする家政婦に出版企画をでっち上げ婚約者の情報を聞き出すと、破局寸前であったこと、また彼女の性格からプレゼントされたものは返却するといったことを聞き出す。サイドボードに置かれていたブレスレットが消え去った理由がこれで解明される。つまり、大女優キャリー・ドレイクは婚約者を迎え、婚約を破棄し、プレゼントされたブレスレットを返却するため金庫から出しサイドボードに置いていたのである。
アンは婚約者の宿泊するホテルに電話。ことば巧みに部屋に入り銃とブレスレットを見つける。そのとき婚約者のポール・ジェニングが部屋に戻りアンは見つかり、警察に通報される。アンは見つけた銃で身を護るも弾は空。部屋の窓から突き落されそうになったとき、皮肉にも婚約者が通報した警察がかけつけアンは無事救助される。
アンが夫に語ったことは、今まで折にふれれ元婚約者のことを思い起こしていたが、今回のことで彼は自分のもとから完全に消え去った、と。

2013年9月20日金曜日

CBS Radio Mystery Theater  [The Man Who Couldn't Get Arrested]


メモの日時;1983年8月11日(木)
タイトル: [The Man Who Couldn't Get Arrested]
Episode; 0556


ある夜、ハドソン川沿いの安宿に一人の男が現れる。宿の女主人モンファードはウオールストリートのビジネスマンというその男、部屋を借りる目的は一人静かに瞑想する場が欲しかったのなどと言う男を訝しく思いながらも1週間のデポジット25ドルを小切手で受け取り部屋に案内する。
部屋に入ると、その男ヘクター・カナハンに女性が現れ助けを求める。殺される、と。ヘクターはその訴えに取り乱し大声をあげると女主人が現れ静かにしろ、と。ヘクターは女性が現れ助けを求めたのだと主張するも、部屋にはそのかげもない。その後も女性が現れ助けを求めるため、耐えきれずヘクターはバーに出かけるが、そこでもバーテンダーと同様の言動をくり返す。
翌日、ヘクターのウオールストリートのオフィス。同僚のデールが部屋におとずれ、昨夜の食事の約束に現れなかった理由を尋ねるが、妻から聞いていない、と。更に昨夜は何処にとの質問に対するヘクター応答に怪訝に思いながら、女性が面会にきていると伝える。
彼女は昨夜の宿の女主人であるが、ヘクターはそのことを一切覚えていない。小切手を切ったことも覚えていないが、女主人はとりあえず25ドルを手にし、オフィスをあとにする。
仕事に戻ったヘクターに再び幻。妻のペネロペが現れる。ヘクターは妻とベン・ウオールストンとの関係を疑い、嫉妬していると妻に告げる。そしてペネロペにベンと訪れた湖畔の別荘でベンと妻を殺し、その後ベンの部屋に入り込み、タイプライターで遺書をつくり、自殺に見せかけ帰宅。そこでも悪夢にうなされるため街を歩きマンファードの安宿や酒場に行った、といった夢の話を告白する。一通り話終え夕食は、との問いに妻のペネロペは会合のためと出かける以上はすべて幻での会話である)。
そんな時自宅にデールが現れる。お節介との前置きをした上でペネロペとベンの関係を知っているのかと問いただす。デールの妻のエレノアが別荘に出向き、友人として彼女を説得しようとしていると伝える。

昨夜もペネロペとベンの二人が一緒に出かけ、そのことに気づいたヘクターが茫然自失の状態で家を出て酒場に向かったことが目撃されていえると。それに対しヘクターは6時半にペネロペとオフィスであったと反論。それならとデールは不承不承引き上げる。

深夜にまた夢。帰宅したペネロペにベンに夢で殺したことを詫びるため直ぐに連絡してほしいと。そして夜中にもかかわらずベンと面会し夢での殺人を詫びる。

翌早朝、デールが駆けつけ、妻のエレノアが湖畔の別荘でベンとペネロペの死体を見つけたと伝える。ヘクターはペネそれに対し、ペネロペは寝室で寝ていると言うが、居るはずもなく、デールと共に現場の別荘に向かう。
別荘で現場検証をする警察の見解は、遺書もあり自殺説。ヘクターは自分が殺し、遺書も自分が捏造したと話すがとりあって貰えず、ヘクターは精神病院に行くことに。
とはいうものの、二人は自殺なのか、それともヘクターが殺したのか、その殺しへの自責の念からの夢想なのか、結局はわからないまま物語は終わる。果たして、どちら?

2013年9月19日木曜日

CBS Radio Mystery Theater  [The Tunnel Man]

メモの日時;1983年8月10日(水)
タイトル: [The Tunnel Man]
Episode; 0712



始めにgive up宣言するとは情けないが、私の英語力の無さ故か、想像力の無さ故か、双方相まっての結果故なのか、このエピソードは何が何だかさっぱりわからない。そのことを「宣言」して、とりあえず理解した範囲のメモを書いておく。
大地震の危機が翌日に迫る可能性が高く、騒々しい世相の中、地震予知を調査する研究者が自然の地殻変動ではありえない現象を確認。何事が起きているのか頭を悩ます。
そんな時、銀行強盗が発生。しかし不思議なことに厳重に管理された金庫におさめられた100万ドルには手も触れず、新札で連番もはっきりしている1万ドルだけが消えている。そして、金庫の床下は硬い岩盤であるにもかかわらず、ダスト状になっていた。
しばらくして銀行に車椅子に乗り、黒メガネをかけた男が現れ、責任者であるマネジャーを呼びだし口座開設を申し出る。金額は1万ドル。利率は1万%と。そして取り出したお札は銀行の金庫から消え去った新札であった。銀行のマネジャーは警察に通報。その男は拘束される。
場面は変わり市長室。想定される地震発生の可能性を踏まえ、市民への退去命令を出すか否かなどに忙殺されている市長に、警察からの連絡で銀行強盗で拘束された男が面会を求めている、と。ただでさえ忙しい中、銀行強盗に会う理由などないと渋る市長を説得し、留置所を訪れるが、男は消え去っていた。床は銀行と同じくダスト状態。
役所に戻った市長、面会を求める男が市長室に来ている、と。なにゆえに、との市長の問いに対し、自分が銀行強盗であると告げる。驚いた市長は警察署長に連絡。署長も到着。
その男が言うには、自分は地下を掘り進む「船」を開発した科学者であり、その「船」は硬い岩盤も切り崩し、また、魚雷のようにターゲットを定めた岩盤を破壊することができる、と。論より証拠ということで、窓から見える半島の破壊を指示。目の前で半島が海の中に消え去ってゆく。その男は放射能汚染の被害者で、地底環境にしか住むことができず、現在地下に帝国をつくっており、そのために必要な100万ドルを要求する。
新しい人物の登場。軍を率いる将軍が100万ドルを持ち現れる。彼が言うには、大統領令で明日から発令される戒厳令下大統領を補佐することになっており、市長も自分の管理下として行動するようにと命令。100万ドルを要求した気の狂った科学者との交渉の最前線に立つと言う。そして、単に100万ドル渡すつもりはなく、対策として気の狂った科学者の開発した「船」を追尾し、破壊する、と。その位置を把握し、自信満々に気の狂った科学者と話はじめるが、「船」もすばやく位置を変更し追尾が不能との結論。結局は後数時間後に迫った予定地震発生想定前にスムーズに脱出することで話が終わる。
といったことなのだが、何のことかさっぱり。まず、地震発生と地球船の地殻破壊との関係がよくわからない。また、地下帝国をつくるために資金が必要であれば、勝手に銀行から持っていけばいいだろうし、なんのために手間をかけた要求をするのだろう。英語力と想像力のある方にお任せするしかなさそうな物語である。

2013年9月18日水曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Identified Flying Objects]


メモの日時;1983年8月9日(火)
タイトル: [Identified Flying Objects]
Episode; 0800


街中の道路上に円盤型の乗り物が現れ、交通が大渋滞。運転している「男」を警官が逮捕し留置。しかし、発する言葉は"ヴォーイーアマナ"と意味不明な言葉を繰り返すのみ。
判事の取り調べ。国連でもあうまいし、各国のことばで応答するも通じない。車の登録番号もなく、身元もわからない状態にお手上げ。SIA(宇宙調査の政府機間)も、車体は地球に存在するような金属であり、宇宙からの飛行体とは必ずしも断定できない、といった有様。
結局逮捕された「男」は精神科医師のもとに。しかし、ここでも"ヴォーイーアマナ"を繰り返すのみで医師もウンザリ。そんなとき、医師の部屋を清掃に来た女性マリー。医師が帰った後,"ヴォーイーアマナ"を繰り返す男と意味不明ながらも仲良く過ごす。そしてマリーが帰宅し、夢にうなされながら意味不明な言葉を発する。
翌日マリーは「男」のもとに。と、会話ができるようになっていた。で、その男が語るには、自分はアイボラという惑星から来た王の息子であり、その目的は地球を征服すること、と。調査の結果地球の環境がアイボラに似ているのがその主因である。驚いたマリーは、言っても無駄だとの「男」の言葉に逆らって、医師や男を逮捕した警官、判事に「男」の地球征服の意図を知らせようとするが、誰一人聞く耳持たず。
どうしようもなくなったマリーは、「男」を憎からず思いながらも、地球征服の企てを防ぐには「男」を銃で殺すしかない。銃を出して「男」に迫ったとき、「男」は「咳込む」、また「くしゃみ」を繰り返す。このような状態が初体験の「男」は、マリーに聞くと、それは「病気」や環境の「変化」で起きるのだ、と説明する。
男はこういった初めて知ったキーワードをコンピュータに入力することに。その間、「男」はマリーを好きだと告白する。アイボラからのこの「男」は相手の思ってることを読み取る能力があり、マリーが自分のことを気にしていることがわかったからである。
「男」が言うには、自分は王の息子とは言うものも、出来がわるく誰からも相手にされていなかった。自分のことを気にかけてくれたのはマリーがはじめてである。この地球への調査も、誰でもできる簡単なミッションであり、いわば島流しといったものであり、成果は誰も期待していないと告白する。しかし、地球が惑星・アイボラの移住の地としては最適の地であるとの調査結果は、皆を見返すことになると告白する。
そしてアイボラに交信。地球が最適の地とのレポートをするが、アイボラからの応答はミッションを開始して5年にもなるので、「男」のレポートは幻想であると信じない。途方に暮れる「男」とマリーのもとに、医師が現れ、マリーの発した言葉を言語学者が分析し、でたらめではない「言語」であり、この男が宇宙からの生物と断定した、と。で身柄をSIAに引き渡すことになったと告げる。
この知らせを受けマリーと「男」はアイボラに共に戻ることを決心する。「男」は駐車場に保管されているアイボラからの飛行物体を50ドルの駐車料金を払って取戻し、帰国すると。本国にも自分のレポートを証明してくれるマリーという証拠をもって帰国すると連絡を終える。
そのとき、激しい咳き込み。コンピュータが告げるには、地球は汚染されており、アイボラの人には適していない環境となっているとの御託宣。帰っても馬鹿にされるだけと悩む「男」に、マリーは心配ない、と。「男」はダメ男であっても、その妻はスマートであるから悩むことなどなにもない、と。
未確認飛行物体ではなく「確認飛行物体」としたタイトルは、なるほど、衆人に確認されている飛行物体ということであろう。

2013年9月17日火曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Legend of Phoenix Hill]



メモの日時;1983年8月8日(月)
タイトル: [Legend of Phoenix Hill
Episode; 0607



頃は20世紀初頭、アメリカの考古学者サミュエル・アーノルドが同じ学問を学ぶ息子・リーを連れて漢王朝の伝説の王女の発掘調査に中国に向かう。この息子は中国人。養子として考古学者夫妻に育てられる。母親も何の不満があるはわけではないのだが、何か捉えどころのなさを感じている。
出発の迫ったある日、息子はニューヨークに。そこでアヘン窟に誘われ、銅製の鏡を手にいれて戻る。息子によれば、その鏡の中に伝説の王女が現れ、長い間待ち焦がれていた自分を探し出して欲しいと言った、と話す。はじめは信じなかったアーノルドも、鏡に現れた王女を目にし、当初は気乗りしなかった息子の同行を認めることになった。
アメリカ大陸横断鉄道でサンフランシスコに。発掘調査の一員であるあるヒューバート・スターン博士は、息子の同行を止めるように求める。災いをもたらす、と。その博士の話のとおり、大陸横断鉄道列車は脱線事故。到着したサンフランシスコでは未曾有の大地震。忠告したスターン博士は地震で亡くなる。更に太平洋では巨大台風に見舞われ、船はやっとの事で香港に到着。
香港では当時香港を領有していた英国の担当官と発掘予定地の責任者である中国人が彼らを迎える。そして、彼らは事故や地震、台風で到着遅れたことを理由に、時期が悪いので発掘を中止するように要請する。納得しないアーノルドに告げた中国の責任者は、事故や地震、台風も実のところは息子のリーが元凶である、と。そのことは地震で亡くなったスターン博士も、リーが災いをもたらすと知らせてきていた、と告げる。
アーノルドはリーに、リーを調査団から外すことにする。リーは、自分は「過去」との繋ぎとして発掘には不可欠と主張するも、リーが参加すると発掘許可証が下りないと帰国の便の手配をすませ、嫌がるリーを帰国させる。
発掘が始まる。それらしき遺物は発掘されるものの、それは最近埋められたもののようであり、アーノルドは中国側が故意に発掘をミスリードしているとの疑念を深める。そんなとき、帰国したはずのリーが現れる。帰国便のチケットを売り、お金に変えて人夫を雇いここまで来たが、お金が底をつき、人夫に見捨てられ途方にくれて父親に助けを求めに来た、と。そして、王女の眠る地は中国側が示した所ではなく、その地は鏡に写る王女が教えてくれると。
何ゆえに中国の責任者が発掘を妨げるのか、との質問に、中国側の責任者が真実を示されるのを恐れている、とリーが語るには、中国の漢王朝の王女は満州の王との結婚が取り決められていたのだが、王女はとある武官と恋に陥り結婚。それに怒った満州の王が2人を殺害したとのことだが、実際は結婚し逃げようとする二人を見つけ、王女に自分と結婚しなければ武官を殺すと結婚を迫り、王女は自己の尊厳を失いながらも武官を助ける。天国と地獄でいつの日か相見ることを約して二人は引き離された。
そしてリーはその武官の生まれかわりである、と告げる。数日後にせまる自分の誕生日に 二人はともに永遠の世界に旅立つのだ、と。そして中国側の責任者は満州の王の子孫であり、事実が掘り起こされることを恐れ、発掘を阻止しようとしたと話す
リーに導かれ王女の元に。数千年の眠りとは思えないような姿で保存されていたが、 共の旅立ちも手段がわからないためか、永遠の別れとなろうとしたとき、中国側の責任者が現れリーを銃で撃つ。それとともに、生きているように保存されていた王女もリーも消え去り、共に永遠の世界へと旅立ってゆく。

2013年9月15日日曜日

CBS Radio Mystery Theater  [The Man from Ultra]


メモの日時;1983年8月5日(金)
タイトル: [The Man from Ultra]
Episode; 0578


ジム・グラムの画廊にいつものようにソノ・ナキーラと呼ばれる男が現れ、贔屓の画家ジェフリー・へイルの作品を求める。しかし画商の返事は、新作は届いておらず、代わりに奇妙な1ドル札が送られてきた、と。画商に奥に連れて行かれ1ドル札を見ると、そこにはワシントンの肖像の替りにソノ・ナキーラが描かれていた。
会った記憶もない自分の肖像を描かれたことを怪訝に思い画商に訪ねると、贔屓の画家は精神病院に入っており、そこで日がな一日1ドル札にソノ・ナキーラの肖像を描いている、と。1ドル札はジェフリー・へイルの幼児時代の象徴であり、1ドル札を通じて幼児時代の空想の世界に入り込んでいるのだとの医師の見立て。
お気に入りの絵画がもう手に入らないことを嘆くソノ・ナキーラはジェフリー・へイルの病を治し、再び絵を描けるようにすると宣言する。そして画商のジム・グラムは精神病院に画家を訪ね、二人で話をすべく看守に遠慮してもらう。しばらくして、画家は「指示の通り」という言葉とともに画商を殴り倒し病院から逃亡。聞こえてくる「指示の通り」逃亡し、ある部屋に入るとそこにはソノ・ナキーラが待っていた。
ソノ・ナキーラは魔法使いの医師と名乗り、幼児の空想の世界に逃げ込んだ画家を現実の世界に直面できるようにすると告げる。話の中で画家はいつだったかこの「魔法使い」に会ったことがあると思い出すが、ソノ・ナキーラは、それは1年半前である、と。画家がジュディと呼ばれる彼女と楽しいひと時を過ごしていたとき、何気なく傍を通ったソノ・ナキーラの一瞬の瞳の中に、恐怖、空虚感を覚え、楽しいひと時が一瞬にして消え去り、画家の精神に異常をきたしたと判断する。
ソノ・ナキーラは画家を研究室に連れて行く。そこで画家は幼児時代から思い描いていた空想のすべてを追体験することになる。放射能の汚染で引き起こされた病気を治す新薬の開発、サーカスの一座、私立探偵、アフリカの地でのあれこれ、などなど、すべてを常にジュディという女性とともに体験する。
そして空想の世界から戻った画家に魔術師が話すには、このまま空想の世界に留まり精神病院に閉じ込められるか、厳しい現実の世界に戻るかとの選択を迫る。それも10秒以内に、と。幼児時代から成長するには決断が避けられない。決断こそが成長の証であると説明する。
ソノ・ナキーラは自分の正体はウルトラという惑星から来た者だと名乗る。ウルトラでの生活に耐えられず。この地球に骨休みに送られて来たのだ、と。そして、ジュディと画家のデートの時に、通りかかった自分の何気ない眼差しで画家の純粋な精神を崩したことを告白する。そのこともあり、画家の天才である絵画を再び描いて欲しいとの希望もあり、画家の成長を手助けにきた、と。それにともなう代償は画家が年相応に老けることであり、それが嫌なら精神病院に戻り「幼児」のままで一生過ごすしかないと伝える。
画家は困難な現実世界に戻る決断をする。ソノ・ナキーラに導かれドアを開けると、そこには恋人のジュディが待っていた。二人の話が始まるが、画家はふたりの愛が信じられないと躊躇する。決断を避ける画家にソノ・ナキーラはその躊躇の底には空虚さがあるのだろうが、それはジュディの愛で埋められる、と。こういった現実から逃避をしないで直面しなさい、と。ソノ・ナキーラが自分の惑星社会ウルトラで我慢できなかった原因は、ウルトラには愛が無かったことだと告白する。
そして躊躇しながらも画家が下した決断は夢の世界に逃避しないで現実に直面することであった。

2013年9月14日土曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Somebody stop me!]


メモの日時;1983年8月4日(木
タイトル: [Somebody stop me!]
Episode; 0540


主人公は警察に努める事務官バート。醜い容姿のために女性に避けられており、それが母親の心配の種でもある。今からデートとの言葉に一瞬喜ぶも、その相手が警察の殺人課に勤務するチャーリー・スミスと知って落胆。
そしてバートが外出する際に話題になったのは、彼の部屋に飾られている女性の写真。この女性グロリアはナイフで刺殺されたとのニュースが流れており母親は心配するも、単なる知り合いとバートは一蹴。
外出したバートは同僚のチャーリー・スミスと食事。そこに同席していたのがアネッサ・ローズ。アネッサと付き合っているとチャーリー・スミスではるが、バートに彼女をデートに誘うよう勧める。チャーリーが店を出た後、バートは意を決してアネッサにデートに誘うが、すげなく断られてしまう。
自宅に戻ったバートは部屋にアネッサの写真を飾る。そして、バートは勤務を終えたアネッサを家まで送ろうと申し出るが、キッパリと断られる。醜い故にと面と向かって罵倒されたバートはアネッサを刺殺する。“醜い顔を二度と見ないですむように”、と。翌日、アネッサ刺殺のニュース。母親は今度も部屋に飾られていた写真が刺殺されたことを心配するが、バートは意に反さない。
バートは外出し、同僚のチャーリー・スミスと会う。ふたりは殺された二人の女性の話になり、バートは殺されたふたりには共通点があり、彼女達のボーイフレンドが怪しいのでは、などと話すと以外にもチャーリー・スミスが動揺。実はこの女性たちはチャーリー・スミスの不倫の相手であった。
結婚もし、3人の子供をもうけたチャーリー・スミスであるが、殺人といった過酷な仕事からの癒しを求め二人と関係をもったのだが、ふたりは関係をチャーリー・スミスの妻に知らせると脅迫されていたと告白する。
ふたりは席を変え、とある酒場に。そこで現れたのがモード・リジンスキーという女性。彼女はハンサムなチャーリー・スミスに一目ぼれするが、チャーリー・スミスはすぐに店をでてしまい、ビールをもってきたモードは落胆するが、バートは眼中に無かった。
バートの部屋に今度はモード・リジンスキーの写真が飾られている。バートの母親は、モードが殺された二人の女性と同じ運命を辿らないことを祈る。
バートはモードの店に出向きデートに誘うが、断られてしまう。自宅に戻り眠ったバードは悪夢にうなされ、母親に写真を飾った女性二人を殺したと告白するが、母親は信じたくないと聞く耳をもたない。
バートはモードの部屋に出向く。しかし、自分のことをまったく覚えていないことに怒り、絞め殺してしまう。翌日バートの自宅で母親はモード・リジンスキー刺殺のニュースを聞く。バートは自分が殺したと話すが、母親は聞こうとしない。
翌日警察署でチャーリーは女性3人を殺害したのは自分だとバートに告白する。心理治療を受けているチャーリーは自分が殺したと思い込んでしまったのだろう。それを聞いたバートは3人を殺したのは自分だと白状するが、チャーリーはそれが友情故のことであると取り合わない。ふたりは酒場にでかけそこでドリーンという女性に出合う。
バートの部屋には今度はドリーンの写真が飾られる。そんなとき、ニュースでチャーリー・スミスが自殺したとのニュース。グロリア、アネッサ、モードの3人を殺したとの遺書を残していた。自分が犯人であると主張する息子のバートに対し、このニュースで事を納めようとした母親ではあるが、その後にドリーン殺害のニュースが流れるにおよび、バートの懇願を受け警察に連絡をとることになる。

2013年9月12日木曜日

CBS Radio Mystery Theater  [A Question of Identity]


メモの日時;1983年8月3日(水)
タイトル: [A Question of Identity]
Episode; 0731



身元(identity)を証明するすべてのものを奪われ、宝石泥棒の犯罪のプロットに巻き込まれた男の話。
ニューヨークの宝石商で働く主人公ポール・チェイパン。商売が上手くいかずボスであるモルクに呼び出され、てっきりクビを宣告されると思いきや、1000個ほどの原石を見せられ、アムステルダムの研摩士の元に届け商売の交渉をするように,との話し。
ボスによれば、税関の書類も準備済み。ホテルも決めており、そこのマネジャーのハンス・コペル、コンシエルジュのバナー・グルーにも話しを通してあるので、直ぐに出発し、夕刻の6時頃チェックインすればいい、とのこと。
指定された6時にホテルに到着。コンシエルジュのバナーがすべてを差配。宝石の入ったアタッシュケースをホテルの金庫に入れ821号室に。不思議な事にコンシエルジュのバナーはマネジャーのコペル氏とポール・チェイパンの接触を遮ろうとする。部屋に入るとメードのヒルダがマネジャーのコペル氏からのwelcome drink。8時に夕食の予約をし、ヒルダにすすめられるままワインを飲む。
翌朝、マネジャーのコペル氏がコンシエルジュのバナーにポール・チェイパンの様子を聞くと、すでにチェックアウトとのこと。コペル氏は不可解な様子。その時コンシエルジュのバナーにポール・チェイパンから連絡。夕食が遅れる、と。もう朝だと伝えると驚くチェイパン。それ以上のポールの驚きは、コンシエルジュのバナーが自分のことを、エドマー・モリスと呼び、部屋も822号であり、821号のポール・チェイパンはすでに宝石一杯のアタッシュケースを受け取り、チェックアウトしているとのこと。
驚愕のポールに対応すべくマネジャーのコペルが822号に向かい、事情を聞くが、身元(identity)を証明するものがなにもなく警察に留置される。で、アメリカ領事館のアダムス氏の登場。事情を聴き、罠にはめられたと判断する。容疑者はコンシエルジュのバナーとメードのヒルダ。そしてFBIに照会の結果エドマーモ・モリスは国際的な宝石泥棒と判明。人相など罠に嵌められたエドマー・モリスと仕立て上げられたポールとは似ても似つかぬ人物であったことは言うまでもない。
そして新たな容疑者登場。それは突然ニューヨークからアムスゲルダムに現れた宝石商モルク氏。領事館のアダムスは、時間的にみてモルク氏が知るはずのない宝石盗難のことを知っていることに疑念を抱き、モルク氏を監視。結局モルク氏がエドマー・モリスのもとを訪ね、分け前のことで諍いを起こすも、当初の取り分より1万ドル少ない4万ドルで手打ちし、部屋を出たところで御用となる。宝石泥棒として悪名高いエドマー・モリスは、素人と組んだことに後悔し、話しが終わる。

2013年9月6日金曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Dialogue with Death]


メモの日時;1983年8月2日(火)
タイトル: [Dialogue with Death]
Episode; 0662

話は主人公ジョージと家政婦ハンナの対話の形で展開する。
解剖学の講師として働くため、数年ぶりに実家に戻ってきた主人公ジョージ。駅に迎えにきた知人の娘ジェニーが見違えるように美しい女性になっていることに心ときめく。ジェニーの両親は10年前に火事で亡くなり、亡くなった両親に代わってジョージの父親が面倒をみているようである。
彼女と共に自宅へと向かう道すがら、彼女の奇妙な言動に気づく主人公。既に亡くなった愛馬を今でも生きているように話す。ジョージの父親もそのことはわかっているようだが、そのことをジェニーに指摘することなく静観するようにとジョージに告げる。
日々が過ぎ、ジョージはジェニーに結婚を申し込む。するとまたしても彼女の不可解な行動。ジェニーは母と父に承諾をもらわなければと、ジョージに告げる。ジョージは父親にそのことを話すと、ジェニーの心はこの世とあの世を、振り子のように行き来している、と。自宅が焼け落ちる時、窓から助け求めて叫ぶ母の姿を見ており、その時以来、生と死の世界の狭間をデリケートなバランスで生きているとのだ、と。そして、驚いたことに、それを黙って受け入れなければ、お前を殺すと父は銃を向ける。結局冷静さを取り戻した父は、ジョージに謝り、銃の受け取りを渋るジョージに銃を手渡す。何故に父はそれほどジェニーを受け入れようとするのか、との問いに家政婦のハンナは、父はそれほどまでジェニーを愛しているのだと言う。
結婚式も真近に迫り、結婚式の衣装についてもジェニーは母と相談すると言った行動をとる。意を決したジョージは父の忠告を無視し、ジェニーを両親が眠る墓に連れて行き、両親の死の事実をジェニーに突きつける。その結果は最悪の事態に。ジェニーはサマーハウスに火をつけ亡くなってしまう。ジェニーの死に引き続き、その彼女を追うようにジョージの父親も亡くなる。父親の死はジェニーのいる世界で共に過ごしたいという父親の望みであると信じるジョージは、それを許すことができず、父親に先んじてジェニーと共に過ごしたいとの思いから、父親から預かっていた銃で自らの命を絶つ。
ということで、家政婦とジョージの会話は、あの世のジョージとこの世の家政婦ハンナの会話であった。そして、たまに現れ話をしたいとハンナに告げて話を終える。

2013年9月5日木曜日

CBS Radio Mystery Theater  [A Tale of Two Worlds]


メモの日時;1983年8月1日(月)
タイトル: [A Tale of Two Worlds]
Episode; 0738



主人公は連続ドラマに7歳から20歳に至るまで13年間出演を続け、現実の人生とドラマで演じてきたフィクションの人生の境目が渾然一体となった青年に起きた摩訶不思議な物語。
ドラマで義理の父親に殺されかけた青年。当初のプロットでは、ここで奇跡的に助かるはずであったのだが、1年前に就任したプロデューサーの意向で、ここで死んでしまうことになる。そんな話を前もって知らされていなかった青年は、ドラマでの「死」を現実の「死」を同一視する。子供の頃からドラマと共に人生を送ってきた青年には現実世界とフィクションが渾然一体となってしまっていた。
ディレクターは契約期間終了前での「降番」であり、出演料は期間中貰えるのだから、ゆっくり別のドラマ出演の機会を探したら、などとアドバイスするが、そんな話が青年に通じるわけもなく、青年はプロデューサーに詰め寄り、自分を殺さないで、と訴える。しかし、ドラマでは彼の葬儀までプロットが出来上がっていると、その願いを冷たく突き放したプロデューサーに青年は怒り、その態度にプロデューサーは恐怖を覚えるようになる。
撮影現場での事故にも青年の殺意と恐怖を感じるプロデューサーは、警察に青年の逮捕 を望むが、証拠がなければ逮捕できない、と。仕方なくプロデューサーは「注意」してもらうことを依頼する。
一方で青年の母親役の共演者は、青年の気持ちも共有し、またテレビ番組を見た視聴者もこの場面で青年が消え去ることを望んでいない、といったアンケートの後押しもあり、ディレクターにプロットを変更し撮り直しを願う。余分の予算に渋るディレクターを説き伏せ、プロデューサーに相談することなく、脚本家にプロットの書き換えを承諾してもらう。
で、変更し、最新の医療設備で青年を「生かす」プロットのフィルムチェックの場にプロデューサーが現れ、変更に怒る。が、そのフィルムの中で、重体で横たわる青年の場面に、窓に青年が映るとプロデューサーが怯える。ディレクターも共演者もそんなものは見えない、といった話をしている時に警察からプロデューサーに電話が入る。
電話の内容は、青年が自動車事故に遭った、と。そして危篤状態であったが、奇跡的に回復したと告げる。その奇跡が起きた時刻は、プロットの書き直しで、青年が「生き返る」ことになった時刻と同じ午後5時25分であった。

2013年9月4日水曜日

CBS Radio Mystery Theater  [The Aurora Group]


メモの日時;1983年7月29日(金)
タイトル: [The Aurora Group]
Episode; 0597


主人公は平凡で落ち着いた日々を送っているザッカリー・テーラー・エバーハート。その彼に不可思議な出来事が引き続いて起こる。最初の出来事はポケットに入っていた25セント硬貨。日付が1986年と未来の日付となっている。続いて起きたのは新調の服についたコーヒーの染み。その染みは数年を経た古いものであり、新品の服につくことはない。更に、帰宅し妻エマの姿を見ると、頭髪が白髪。顔も老けている。驚いてエマに伝え、鏡で確認するがその時には既に元の彼女に戻っていた。妻のエマは疲れているからだろう、と。
それからしばらく経ったある日、エバーハートが帰宅し解雇されたことを妻に伝える。驚く妻に彼が言うには、自分の働く会社がシカゴにあるオーロラグループという企業に買収され、再編に際し彼の所属する部門が閉鎖されたとのことである。人生を狂わされたオーロラグループに怒りを感じるも、新たな職場を探し、条件は良くないが職に就く。妻のエマも古美術店に職を求め働くことなる。
新たな職場で働き始めたエバーハートはコーヒー店でコーヒーをこぼされたことをきっかけにある女性ステラと知り合い、自分に起こる不可思議な出来事を理解してくれない妻への不満もあり不倫関係に陥る。
そして、またしても不可思議な出来事。妻の古美術店にあった短剣の「説明書き」のタグがエバーハートには「証拠品1」と見えると妻に伝える。「証拠品1」とは殺人事件の犯行の証拠品として法廷に提出されるものである。妻は医師に予約をとり診察をしてもらうが、そこでも不可思議な出来事。医師が髭をのばしている姿が見え、医師に聞くと、これから髭をのばそうとしているのだ、と驚く。また、診察のとき、妻殺しで裁かれるエバーハートの法廷に証人として出廷し、エバーハートの精神状態を証言する医師の姿を目にする。
医師には今までに起こった不可思議な出来事、「未来が見える」と説明するも信じてもらえず、不倫関係の彼女との関連で妻を殺すことを夢想しているのだ、と。しかし、この未来が「現出」する出来事に、このままでは妻を殺すことになるとエバーハートは妻のエマにも愛人のステラにも告げず出奔。
それから数年を過ぎたある日、エバーハートがカレンダーを見ると1986年の7月。この時期になって、妻を殺す気持ちがないことに安心し住んでいた街に戻る。最初に訪れたステラの元で知らされたのが妻エマの現状。エマは務めた古美術店で実績を挙げ、その親会社であるオーロラグループの副社長となっていた。
驚いたエバーハートは25セント硬貨をステラから借り電話するも通じない。そして直接エマのもとに訪れ、自分の人生を狂わしたオーロラグループの副社長となっていたエマを短剣で殺害する。エバーハートの体験した出来事がすべてそのとおりになってしまったわけである。

2013年9月3日火曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Death Is Blue]


メモの日時;1983年7月28日(木)
タイトル: [Death Is Blue]
Episode; 0626


女性私立探偵 ジュリア・ホフマンのもとに男が現れる。名前はエドワード・バスカム。彼は妹マチルダの結婚相手の調査を依頼する。見栄えも良くなく40歳にもなる妹に近づき、結婚しようとするその男ダローの目的は妹の財産目当てである、と。そして、その証拠を見つけ、結婚を断念させたいと話す。
調査を開始すると直ぐに結婚相手の男ダローは前科があるのがわかる。私立探偵のジュリアはそのことをマチルダに告げるが、そのことは知っていた、と。始めて掴んだ幸せである結婚を諦める気持ちはない。更に調査を進めると、ダローには愛人があり、金騙し取った後はヨーロッパに高跳びの予定。更にダローは消費者金融業者に多額の借金があり、借金の取り立て人に追われていることもわかる。
このような事実を掴んだ私立探偵のジュリアが依頼主の男エドワード・バスカムに告げたアドバイスは、ビジネスに必要とマチルダから騙し取る10万ドルはおとなしく渡し、行方を眩ませてもらうのが最良の策、と。納得できない依頼主バスカムにジュリアは、その男ダローは危険な男であり、事件に巻き込まれない最善の策は、お金を渡して消えてもらうことだと、強く主張する。
その面談の後、アマンダからジュリアに喜びの電話。ダローにお金を渡すことができるようになった、と。アマンダは、彼は変わったと告げる。 しかし、それから5日後、地方検事長からアマンダが殺された、との電話。連絡が取れないアマンダを心配し様子を見にきたアマンダの兄が、争った形跡のある部屋に残された血痕と封筒から消えた10万ドルなどから事件として通報。
死体は見つかってはいないが、状況から、消えたダローを殺人犯と見なす。隣の夫人の聞き取り調査によれば、前日の夜明け、クルーザーに大きな荷物を運ぶ人影を見たと告げる。 アマンダを最後に見たのは5日前。ダローは彼女の兄バスカムが駆けつけた日の朝に、小雨の中を歩くダローを目撃した、と。要は、アマンダは金曜日まで、ダローは週一杯生きていた、ということになる。
アマンダの兄バスカムには、本当に10万ドル渡すよう伝えたのか、と疑念を呈する。この兄もお金に困っており、アマンダを殺害する動機はあると告げる。ダローの愛人のもとも訪ねるがダローの行方は知らないよう。彼女の話ではダローは借金取りに殺されたのではないかと話す。地方検事長は、アマンダはダローに殺害され、ダローは借金取りに殺害された、との見解。しかし私立探偵のジュリアは疑問を抱き地方検事長の許可を得て、犯行現場の調査続行。現場に訪れると隣家の夫人がゴミ箱の傍でゴミの収集がなく溜まったゴミに当惑。が、そのゴミの中に残った二つのアイテムをもとに、ジュリアは事件解明の糸口を得る。そのアイテムとはハンカチとメークアップの道具であった。
ジュリアがアマンダの兄に述べた推理は、アマンダがダローを殺害した、と。その理由は推論の域を出ないが、騙されたことに怒った故か、お金を渡すのを拒否し争いになった末の出来事か、ともあれダローを殺害。助けを求め兄に連絡。到着した兄は妹を救うため工作。彼女にダローの服を着せ、隣家の夫人に目撃させる。メークアップの道具はアマンダの顔の痣を消し、彼女とわからなくするため。
ハンカチやメークアップの道具をゴミ箱に棄て、本来なら既に持ち去られているはずではあったのが、この3週間ゴミ収集者のストライキで、ゴミがすべて残っており発見されたのである。
しかし、これはすべて彼女の推理。結局事件はダローがアマンダを殺害した、ということで幕を閉じるが、ジュリアは兄のバスカムに、今後一生、彼女アマンダを隠し守り通すことになるのでは、と告げ物語は終わる。

2013年9月2日月曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Mayerling Revisited]


メモの日時;1983年7月27日(水)
タイトル: [Mayerling Revisited]
Episode; 0648


タイトルのMyerlingとはオーストリアの首都ウイーン郊外の街。この街の名はオーストリア・ハンガリー帝国の皇太子ルドルフと男爵令嬢マリー・ヴェッセラが不可解な情死を遂げたマイアリング事件で知られる。マイアリング事件とは、すでに妻子のあるルドルフ皇太子がマリー・ヴェッセラとの結婚を父であり、強圧的なオーストリア・ハンガリー帝国の国王フランツ・ジョーゼフに拒否され、それを悲観してマリー・ヴェッセラと共に死を選んだ事件ではあるが、真相は未だ解明されていない。一説には自由主義思想に傾倒したルドルフ皇太子は暗殺されたとも言われる。この物語は、マイアリング事件をベースに展開する。
事件の起きた1世紀後のマイアリングでの物語。アメリカ人の若き女性キティ・スコットはオーストリアで出会った青年デイビットと恋に陥る。デイビットは財閥の御曹司、キティは普通の家庭に生まれた教師。二人の結婚に対し、デイビットの父親はそれを拒否。キティはふたりの関係とルドルフ皇太子とマリーの関係を重ね合わせる。強権的な皇帝と財閥のオーナー、親の操り人形と自嘲する皇太子と父親と抗する気持ちの弱いデイビット。皇太子とマリーが知り合って情死を遂げるまで3か月、キティとデイビットが知り合って今に至る期間とも一致する。
そうするうちに、キティはルドルフ皇太子とマリー・ヴェッセラの「声」を聴くようになる。また、その姿さえも「見る」ようにもなってゆく。キティはそのことを、実現できなかった二人の人生を全うできるようにとのメッセージとも考えるようになる。
ある日デイビットの父親からの面会の電報。時刻は3時、キティひとりと話をしたいと。このことも、ルドルフ皇太子が父の王に独り呼びだされ、結婚を拒否された時刻と一致する。で、キティの面談もルドルフ皇太子が父との面会の直前、母親から優しく接されたと同じく、デイビットとの母親から優しくも、実業家としてその後に待ち受けるデイビットとの厳しい人生を示され、そしてその後現れた父親からの強圧的な「拒否」で終わる。
嘆くキティ。マイアリング事件では、すべてを失うことを恐れたルドルフは死を選ぶが(ブルガリア王国との何らかの関係に一縷の望みを抱いていたようだが、十分に聞き取れなかった)、この物語はデイビットが明日キティと結婚するとの強い決意で話を終える。自分の意思を放棄したルドルフ皇太子とは異なり、キティの「見聞き」したルドルフ皇太子とマリー・ヴェッセラの行動は、キティではなく自分に示されたメッセージとしてデイビットは自分の意思である「結婚」を貫く。そのことが、ルドルフ皇太子とマリー・ヴェッセラが全うできなかった人生を遂げるべく、デイビットとキティに託したものであった。