2013年8月31日土曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Ward Six]


メモの日時;1983年7月26 日(火)
タイトル: [Ward Six]
Episode; 0930


アントン・プーシキンの作品を脚色したもの。
話は20年に渡り家政婦ダリューシュカが仕えた医者に起きた「不条理」な出来事を回想する形で展開する。20年ほど前、市長に連れられ医者アンドレ・エフィミッチが彼女の前に現れる。新任の院長として使命に燃えるアンドレ。市長は病院を案内するに際し、裏手にある病棟へ彼を連れて行く。そこは精神を病んだ患者を収容している病棟。第六病棟と呼ばれている。監視人のニキータは粗野で、病棟も不潔で暗く、5名の患者が逃げないように、まるで牢獄の如き建屋。改善を指示するも、実行されることもない。
当初改革の意気込みも強く懸命に働くアンドレも、改善への支援もなく、押し寄せる患者を捌くだけの日々に倦みはじめる。地域での知的会話は望むべくもない日々で、唯一の会話は郵便局長であるミハエルとの交流。そんな同じ繰り返しの日々が延々と続く。その間、医者としての情熱も薄れ、医者としての務めもおろそかになり、読書に浸る日々となる。
数年前(院長に就任して17年ほど)、市長が訪れ、予算がついた、と。改善の機会と喜ぶアンドレに市長は、その予算は新しい医師の採用に充てたと告げる。失意のアンドレ。そこに現れた新任医者ハボルト。その立ち居振る舞いに失望したアンドレは打ち拉がれ、医者としての情熱は完全に消え去る。
それから数ヶ月たった頃、ある噂がひろまる。それはアンドレがしばしば第六病棟に姿を現すようになった、とのこと。1日に3回も訪れることもある、という。家政婦のダリューシュカの記憶によれば、乞食のモーセイカを見かけその後を追いかけ第六病棟に行ったとき、新しく入所した患者イワン・ドミートリッチに興味を覚え、頻繁に第六病棟に行くようになった、と。この病院に来て20年、始めて知的会話ができる人物に会ったとのことである。
それからしばらくして市長からの呼び出し。アンドレが出向くと、市長の他に医者のハボルトその他にも人も同席。あれこれ質問するも、どうもアンドレの精神状態を調べる会合のようであった。その呼び出しの後、今までにもまして無為の日々。しばらくしてその会合の出席者のひとりが現れ、院長辞任を勧告される。郵便局長のミハエルも心配し、休養を勧め、共に旅に出る。
元軍人であったミハエルの赴任先であったワルシャワを訪れ、そこで賭け事で負け込んだミハエルに金を貸すことにより、友人関係がギクシャクするも、帰国。家に戻るとそこの主人としてハバトフが迎える。アンドレが旅に出ている間にアンドレに替わり院長に就任していたのだ。失意のアンドレ。椅子に静かに座り、20年もの間訪れることもなかった教会に行く以外は、六号病棟のイワンのもとに出向く。イワンからも独りにしてくれと、怒られる始末。そんな日々を心配しアンドレを見舞に来たミハエルとハバトフにも、20年間一度も大声を出したこともなかったアンドレが、出ていけ、と大声で怒鳴る。
その失礼を謝りにミハエルを訪れると、病気なのだから適切な治療を受けろ、とのアドバイス。また、ハバトフのもとを訪れると、一緒に患者を診てほしいとのこと。連れていかれた先は六号病棟。そこで衣服の着替えを求められ、それに応じて患者の衣服に着替える。それを見た六号病棟の収容者であるイワン・ドミートリッチは大笑い。言葉巧みに患者として収容されたことがわからないのはアンドレただ一人。ドアを開けろと叫ぶアンドレは監視人のニキータに殴られる始末。そしてその翌日、アンドレはなくなる。葬式に参列したのは家政婦のダリューシュカと郵便局長のミハエルのふたりだけであった。

2013年8月30日金曜日

CBS Radio Mystery Theater [The Adventure of the Red-Headed League]


メモの日時;1983年7月25 日(月)
タイトル: [The Adventure of the Red-Headed League]
Episode; 0641


コナンドイルの「赤毛連盟」を脚色した作品。
シャーロックホームズとワトソンの もとに一人の男が現れる。例によって、その姿から、体力を使う仕事に従事したことがあるとか、中国に行ったことがある、といった人物の素性をひとくさり推論し、驚く男におもむろに、さて相談の趣は、と切り出す。
その男ジャビス・ウイルソン、自分が巻き込まれた奇妙な事件を話し出す。ロンドン市内でタバコ店を営んでいるのだが、ある日、赤毛の成人男性であれば、些細な仕事で高給を貰えるという「赤毛連盟」と言う団体の新聞広告に応募し運良く合格したのだが、突然その団体が消え去り、途方に暮れている、と。興味をもったホームズが、より詳しい説明を求めると、その新聞広告の情報は、つい最近雇用したビンセント・ポーターズという男が教えてくれた、と。よく働き、唯一の趣味は写真、ということで店の地下室に篭り現像に勤しむと言うその男がもたらした広告を読むと、アメリカの篤志家の基金で創設したその団体は、赤毛の人達をサポートするのが使命。その会員に空きが出たので希望者は市内ダンカンロスで面接する、と。
タバコ店の主人はビンセント・ポーターズの強いアドバイスもあり彼と一緒に面接に。面接官には独身者であるタバコ店の主人は赤毛の子孫繁栄という意味合いでは不利ではあるが、あまりの見事な赤毛故とのことで会員資格得る。そして、些細な仕事で高給、という内容を尋ねると、「大英帝国百科事典」を書写することで週4ポンドを貰える。拘束時間は午前10時から午後2時まで。その間部屋を一瞬でも離れると即資格を失うとのこと。拘束時間に困るタバコ店の主人に雇い人のビンセント・ポーターズが助け舟。その間は自分に任せてくれ、と。
そして働き始めて数週間(8週間)後、突然部屋が閉じられる。驚いて家主に赤毛連盟の部屋について聞いても、部屋はチャールズ・モーレスという人物に貸しており、赤毛連盟などは知らない、と。その人物も引っ越したとのことで引っ越し先に出向くもそこには工場があるだけであった。雇い人のビンセント・ポーターズに話しても、そのうちに連絡がありますよ、と至って呑気。
この奇妙な事件に興味を覚えたホームズは調査というか推論開始。恋人ができ結婚も考えてる、などと話しに来たタバコ店の主人には、本日は金曜日だが月曜日には解決する、と告げる。しばし椅子に座り黙考。そしておもむろにタバコ店の周囲を見に行く。タバコ店の傍にはマックファーレンブラザーズ建築事務所の建物や、シティアンドサバーバン銀行に支店などがある。
そのとき、マックファーレンブラザーズ建築事務所にスコットランドヤードのジョーンズ警部。訳を尋ねると、数週間前に、このビルに泥棒が入り、金庫を開けるも、何も取らずに引き上げた、とか。如何にもプロの泥棒の手口なので怪訝な様子。その話し後タバコ店を訪れ、現れた雇い人のビンセンスポーターズに道を尋ねる。その応対により彼がスマートな男であることを見抜く。さらに、彼のズボンの膝の部分を観察したのだと、ワトソンに告げる。
ベーカリーストリートの部屋に戻り再び黙考。地図を広げ、新聞の金融欄に目を通す。そうした時、タバコ店の主人が現れ、赤毛連盟から連絡があり、サリー(ロンドン郊外?)で話しがある、と。それを聞いたホームズは解決に向けてのアクションを起こす。
タバコ店の主人がサリーに出向く日、シティアンドサバーバン銀行の支店にスコットランドヤードのジョーンズ警部と銀行の頭取であるメリーウエザーとともにホームズの姿。27年間欠かしたことのないポーカーゲームを欠席することになり少々ご機嫌斜めの頭取に対し、ホームズは今夜もっと面白いゲームが開かれる、と。それは、新聞に報じられたこの銀行あるナポレオン金貨3万枚を狙った強盗。侵入方法は地下に掘られたトンネル。雇い人のビンセント・ポーターズはその首謀者であり、タバコ店から銀行までのトンネルを掘るため、赤毛連盟などという団体をでっち上げ、トンネルを掘るためタバコ店の主人を店から外出させるように仕組んだ。トンネルを掘っているという証拠は、ビンセント・ポーターズと話した時、彼のズボンの膝の汚れの様子で確信したようである。また、マックファーレンブラザーズ建築事務所の一見不首尾の泥棒は、シティアンドサバーバン銀行の支店を設計したその建築事務所に入り、銀行の設計図を確認するための用意周到な企みであった、と。
犯行の日を確信したのは、タバコ店の主人をサリーに呼び出したため。彼の不在の間にタバコ店から銀行までトンネルを通って侵入しようとしているのだ。ワトソンにはサリーから戻ったタバコ店の主人が自宅に戻って事件に巻き込まれないように駅で出迎えホームズの部屋に。そして地下の金庫で待つホームズ達のもとに地下から現れたビンセント・ポーターズとその仲間(赤毛連盟の面接官)を一網打尽。事件は大団円となる。

2013年8月29日木曜日

CBS Radio Mystery Theater [Bring Back My Body]


メモの日時;1983年7月22 日(金)
タイトル: [Bring Back My Body]
Episode; 1346


大手エンジニアリング会社のデザイナーであるタバサ・ライデンが精神分析医のもとに訪れ、治療を受けることから話ははじまる。すぐに直接的な治療を要求する彼女に対し、医師は彼女の名前の由来から聞き始める。
タバサの名前は19世紀に書かれた小説のヒロインの名前をタバサの母親が名付けたとのこと。母親は大変ロマンティックな性格で、また、開放的な人柄であったので、父親とうまくいかず、二人の間にはいつも諍いがあった、と。そして、タバサはこのような家族を嫌っていたと話す。
彼女の話を聞いた後、医師は彼女の症状を診察しはじめるのだが、彼女が抱える問題というのは、時折、彼女自身が何者かに占有され、乗っ取られ、ついにはスペンサー・ウッドロードという男を殺したくなる、ということである、と。彼女は、この何者か、エイリアンを取り除いて欲しいと医師に頼む。
しばらくしてタバサから電話があり、また症状が出始めた、と。寒く、凍えそうになり、痛みが始まり、次第に自分をコントロールできなくなり、部屋がぐるぐる廻り始めた、と言い電話が切れる。医師は急いで彼女のもとに駆けつけるが、タバサはどこにもいない。外に出て、通りがかりの警官にタバサのことを聞いていると、突然窓ガラスが割れる音。駆けつけてみると、アンティックショップの窓が破られ、血や衣服の切れ端が引っ掛かっていた。
タバサの部屋に戻ると、彼女はそこにいたのだが、医師のことがわからず、祖父と思い込み、彼に銃を突きつけ退室を命じる始末。正気に戻った彼女は何も覚えておらず、腕から血が流れていることもあり、アンティックショップを襲ったのは彼女に間違いない(注;FENの臨時ニュースが入り、銃の在処の箇所不明)。先ほどの店を訪れると、まだ十分使えるアンティック銃がなくなっていた。
彼女の問題を解く鍵は、タバサという本にあると確信した医師は、町の古本屋を訪ね、女主人のミス・ダンストンに『タバサ』という、19世紀に出版された本はないかと尋ねる。勿論在庫があるはずもなく、店の奥の埃まみれのカタログを引っ張りだし、その本が出版されたことは確認できたが、手に入らないことがわかった。医師は女主人にタバサの母親のことを尋ねると、よく覚えているとここと。お得意様であったのだが、不幸にも火災で焼死したこと、そして娘だけが助け出された事を話した。
医師はタバサに火災のことを尋ねる。彼女は自分のせいではない、と言うも、結局は自分の地下の実験室からの出火が原因であることがわかる。そうしていると、古本屋の女主人から医師に電話があり、本の『タバサ』のことで思いだしたことがある、と。スペンサー・ウッドロードとは、小説の中でタバサとの結婚の約束を破り、金持ちの女性との結婚のため、邪魔になったタバサを殺した男である、と述べる。
ここに至り、医師は大体の解決法を得る。この町に住むスペンサー・ウッドロード氏を探すと、1名コンピューター・プログラマーの男性が見つかる。彼を訪れ、ある小説に登場したスペンサー・ウッドロードがタバサにした仕打ちの話をし、この「物語」を書き変えてくれるよう協力を要請する。
その書き変えた物語とは;タバサは自分を虜にした男が自分を裏切り、そして自分を殺した、という小説を母親から繰り返し聞かされ、彼女は全くロマンティックという性格を有しないこと、母親を嫌っていたことから、彼女の意識下にこの登場人物のスペンサーに復讐するため彼を殺そうとしているのであるから、これを書き変えるには、彼女が結婚を迫ったとき、形だけでいいので承諾して欲しいと医師が頼む。”Yes, I will marry you”と言って欲しい、と。そうすれば彼女を捉えている束縛が破れ、彼女は自由になる、と。

そんなとき電話があり、再び彼女がコントロールを失いはじめたので、医師は彼女のもとを訪れる。付き添いの看護婦を殴り倒し、気を失うまでにしている彼女を見つけ、銃も弾を抜いているので安全な状態ではあるので、スペンサーのもとに連れて行くと伝える。と、彼女は“素手でも殺す”という始末。スペンサーのもとに連れて行くと、“私の死体を乗り越えて彼女と結婚しようとも、そうはさせない”と言うが、スペンサーが“結婚します。I love you”という言葉を発するや、彼女は我に戻り、再び異常な状態に戻ることはなくなった。そして、彼スペンサーともうまくやってゆくことではありましょう。

2013年8月27日火曜日

CBS Radio Mystery Theater  [The Romance of Mary Oates]


メモの日時;1983年7月21 日(木)
タイトル: [The Romance of Mary Oates]
Episode; 1347


話はメアリー・オーツの殺人の場面から。彼女が気づいたとき、獄ではなく病院の分析医の診察を受けているのである。そして、そもそもの事件のはじまりから話してほしいとの医師の要請に応じてメアリーの話が始まる。
せっせと貯金し、父に贅沢と言われながらもミンクのコートを買い、職場であるPR会社に着ていくと、ボスは彼氏ができてプレゼントしてもらったと誤解する。丁度そのときコートを買った店からパーティ招待の電話があるのだが、それも彼氏からの電話と誤解されたことが、話を一層ややこしくするのである。
引っ込みのつかなくなった彼女はボスに彼氏の名前はバート。デートの約束があると話し、ボスはデートの後の一杯にPumpkin Patchがいい、と知らされる。
パーティでひとりぼっちでいると、ひとりの男が寄ってきたのだが、その名前は偶然バード。彼とダンスを楽しむ。
翌日バートから電話があり、セントラルパークでスケートをしよう、と。いつも日曜は父と映画に行くのだが、そこに行くが途中でいなくなる。先日のPumpkin Patchでも途中でいなくなる。こうして、劇場に行ったり、メアリーがいままで経験したことのないことを楽しむのである。
ある日、Pumpkin Patchでバードが話があるというので、てっきり結婚の話と思い喜ぶのだが、バートが言ったことは、ゲールという女性と結婚する、ということ。彼女はメリーと同じ頃知り合い、ゲールに恋をしてしまったと許しを乞う。メアリーは警察に行き、銃の許可証を貰い、別れ話のその日、彼を殺してしまった、と話す。
メアリーの話が終わり、父親に面会の許しを与え、彼にもバートの事を聞くが、彼はバートには会ったことがない、という。また、会社のベンショー氏も電話は会ったようだが、実際に会ったことはない、という。バーのジャックに会って話を聞くと、この3、4ヶ月、メアリーはバーには来ていたが、いつも一人で、独り言を喋り、自分で頷いていたと証言する。そして、事件の日、突然銃を取りだし鏡に向かって銃を発砲した、と。
結局、バードという人物ははじめから存在せず、メアリーがすべて一人で夢見、つくりあげた夢と現実が混在した夢見心地のお話であった。

2013年8月16日金曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Escape to Prison]


メモの日時;1983年7月20日(水)
タイトル: [Escape to Prison ]
Episode; 1344



トムが空港で出発便を待っているとリズ(エリザベス・マーロー)が現れ、彼女の夫ウディ(ウッドロード・エルズワーズ・マーロー)は何処に居るの?手紙を渡さなければいけない、と聞かれる。驚いたトムは出発の遅れもかまわず彼女に、“彼は5年前に死んだのにどうしたの?”と応える。
彼女は納得するはずもなく、会社を訪れ秘書のローズにも夫の所在を尋ねる。ローズも驚き、リズにウディは5年前に死んだこと、会いたいのなら墓地に行けばいいと取り合わない。この国際的な香水会社の社長の座を同僚のテッド・バトラーと争い、その疲れから出たものだと、リズに休むようにと勧めるのである。
しかし、リズはあきらめることなく、今度は友人の女性ルイーズ・カールソンの家を訪れ、“私を騙して飛行機で出発するように見せかけ、ここにいるのは分かっているのだから、主人に会わせてほしい”と言う。そうこうしているとき、精神分析医が酒を飲みたいことにかこつけてリズの家を訪れる。主人がいないと困っていると友人から伝えられ様子を見に来た、と。リズを寝室に連れてゆき、夫の住んでいる様子がないこと、また墓石の銘を見せてリズに納得させようとする。しかしリズは、自分は陰謀に巻き込まれており、その黒幕は同僚のテッドである、と。同僚のテッドは自分の精神状態を混乱させ、社長になることを妨げているのだと主張する。
そして、とうとう、リズは警察に出向き、主人ウディの行方を探して欲しいて依頼する。そこで応対したのが、隊長補佐の男。偶然にも5年前の事件を担当した者であり、リズのあまりの訴えに調査し直す事を約束する。このことを知った分析医はこの件を警察が取り上げないようにと電話するが、何か掘り返されたくない事情でもあるのかと、逆に言動を慎むように忠告される。
ここで隊長補佐の男の調査が開始される。まずトムに会い、空港の事を質問する。調べてみると、トムとリズはウディと知り合う前の恋人同士。ウディが死んだ後、トムはリズに結婚を申し込んだが断られたとのことで殺人の動機がでてきた。秘書のローズもウディを殺害する動機があることもわかる。ルイーズも調査で、出発日にウディから渡されるはずであった手紙を結局入手できなかったことが分かる。陰謀の黒幕と見なされるテッドも、リズの社長就任に反対するのは、ウディはマーケティングには有能だが、会社経営に必要な財務・人事を知らないからである、といった事実が。
そして調査が進行したある日、隊長補佐はリズのもとを訪れ、ひとつの大きな疑問を解明しようとする。それは、トムとルイーズの証言から、5年前の出発日にウディからルイーズに宛てた手紙があった、ということ。しかし、結局その手紙はルイーズに渡されていない。5年前の調書には手紙のことは何も述べておらず、2日前のトムの出発日にリズがとった行動で、唯一5年前と異なっていることは“手紙を渡しに来た”と述べていること。
隊長補佐はリズに手紙の所在を尋ねる。はじめは何も知らないと言い張るが、説得が功を奏し、リズはウディのポケットから落とした手紙を拾ったと述べる。その内容について話すように説得され、リズはとうとう手紙について話はじめる。
手紙には「この10年の結婚生活は地獄であった。君(ルイーズ)と暮らしたい。リズを騙し、トムに頼んで一緒に飛行機で出発するようにみせかけ、君(ルイーズ)と暮らす」と書かれていた。
この事を話し始めるや、いままで我慢したことをすべて吐き出すように、リズは、思わず銃でウディを殺害したこと、その銃を川に投げ込んだ後に空港に行ったことを告白する。
こうして真相は解明された。ここで隊長は、もう何も証拠はないのだから。このまま、なかったことにすることもできるが、それではリズは一生良心の呵責に苦しむであろうから、罪に服すように勧める。一時期獄に収監されることにより、良心の呵責から脱出(escape)できるのだとするのである。
ずっと苦しんできたリズ、社長就任が悩みも重なって、押さえていたものの自制が効かなくなり、このような行動に走ったものと思われる。

2013年8月15日木曜日

CBS Radio Mystery Theater [Don't Kill Me]


メモの日時;1983年7月19日(火)
タイトル: [Don't Kill Me ]
Episode; 1343

思いがけず3百万ドルほどの遺産が叔父の廃屋から手に入れたテッド。昔からの友達のウエルマとジョージの元を訪れる。ジョージは廃人同様で直る見込みもたたないようである。女友達グレースからも将来のないジョージとの生活を清算し、金持ちとなったテッドに乗り換えるように勧められる。
ジョージもそれに気づき、テッドは昔全く陰の薄い、風変わりな男であったことを思い出し、彼女の気持ちを引き止め、一日も長く生き続けたいと望むが、結局心臓発作のとき、彼女はなにも手当せず見過ごして死なせてしまう。
南米のアマゾンで考古学の研究をしていたテッドも戻り、二人は結婚する。そして、ウィルマはちょっとの間だけと思っていたアマゾンでの生活は、実はテッドにとって一生の地と考えていることを知り、金持ちと結婚して豪華な生活をしようとしていた夢が破れ、別れを考えたりもする。が、結局車で自分一人その地を離れようとして、途中事故のとき、毒虫に刺されて足に負傷する。
医師のジュリーが現れ、診察し痛みを和らげる薬はあるが、心臓に負担がかかることを告げる。因果は巡る。この医師がテッドの次の妻となり人生を共にしようとすることであろう。

2013年8月13日火曜日

CBS Radio Mystery Theater [Matching Chairs]


メモの日時;1983年7月18日(月)
タイトル: [Matching Chairs ]
Episode; 1342

ふたりの兄弟、兄のケーリーと弟のトロイ。ケーリーは子供の頃から弟の面倒をみなさい、大切にしなさいと母親に言われ続け、今日も母親に呼ばれて2階に行くと、弟のトロイが母親の預金に偽のサインをしてお金をおろそうとしているので注意するように、それも優しくと、母親に頼まれる。
階下に下りてトロイの部屋に行くと、家政婦が中に女性がいるからと止める。“結婚するつもりはない”との旨を彼女に激しく言っている。と、突然彼女が部屋から飛び出していったのでトロイの部屋に入り話し合う。
しばらくして警察から、さきほどの彼女が車に跳ねられて大怪我をしたとの知らせ。トロイは狂ったように“また起きた。この椅子が悪いのだと、暖炉の前にあるふたつの椅子が原因であると言う。
トロイは彼女と結婚しなければならないと、そして、この椅子を取り除かなければならない、とも。ふたつの椅子の片方がmagic powerを持っており、もう一方の椅子に座り、その「悪の椅子(bad chair)」に座った者に怒り、呪いを投げかけると、それが現実のものとなってしまうのだと言う。
ケーリーは何も相手にしないが、再度頼まれるので母親に言うと、この椅子は先祖代々のもので、取り除くことは論外と撥ね付けられる。あるとき母親が下りてきて、この椅子に座っているとき、興奮したトロイが彼女に悪口雑言の限りを述べると彼女は瀕死の状態となる。
母親も寝たきりの状態になったため、トロイは再び椅子を除いて欲しいと言う。もう母親も分からないとトロイは言うが、兄のケーリーは母親がいつか回復して下に下りてきたとき、椅子がなければ本当にショックで死んでしまう。ために出来ないと告げるのである。
二人で椅子に座り話をしていたが、あまりにトロイが身勝手なため、とうとう我慢できなくなり、ケーリーはトロイを激しく責めると、居たたまれなくなったトロイは家を出るが、翌日射殺されて発見される。
ケーリーが椅子に座っていると、家政婦が映画を見るため外出するからと言い出し、その際、話したことは、ふたつの椅子は全く同じ。カーペットについた跡も同じであったので、ある日椅子を入れ替えた、と言う。そしてトロイが家を出て亡くなった日、彼が座っていたのはトロイが最も嫌っていたbad chairのほうに知らずに座っていたことがわかる。bad chairに座っていたケーリーの怒りがトロイを死に至らしめた、と。そして今日、bad chairに座るケーリーは息苦しくなり、死に至る。bad chairに座り、トロイを死に至らしめた自責の念、自己への怒り故の出来事ではあろう。

2013年8月12日月曜日

CBS Radio Mystery Theater [Universe Hollow]


メモの日時;1983年7月15日(金)
タイトル: [Universe Hollow ]
Episode; 1341


英語力が乏しいのか、想像力が乏しいのか、ともあれ、いまひとつ筋を追うことができない。
わからないないながらメモもすると、主人公はシーナ・ローガンと言う有名女性ジャーナリスト。ジャーナリストとして落とした評価を取り戻すべくUniverse Hollowの地へ取材に向かう。宇宙船が降りたつというその地にタクシーで向かう。タクシーの運転手との会話はともあれ、うたた寝でボスとの夢の中の会話が交わされるが、既に亡くなったそのボスにより自分の評判を台無しにされたようだが、その具体的内容はききとれない。恋愛絡みのようにおもえるのだがよくわからない。また急に泣き出すなど情緒不安定。
で、到着したところはテントとか小屋といった建物があるだけで、電気も通じていない。セリーンと称する女性に迎えられるが、彼女は「別の世界」から来たと言い、コミュニケーションは言葉ではなく直接思考を伝えあっている、と言う。そこにセリーンの仲間であるバードと称する男性が登場。バードに心ときめくシーナ。彼が言うには明日、Universe Hollowと呼ばれる丘陵に挟まれた窪地に宇宙船が到着する、と。
翌日丘に行く。バードとセリーンには宇宙船が見え、宇宙人との交流が始まったとのことだが、シーナには何も見えない。地球に来る目的はと尋ねると、幸福を共有するため、と。
バードとの会話を通して、宇宙から来た言うセリーンも、この地で再臨したと言うバードも、実のところ、この楽園の地で異なる世界からの存在を創り出し、その交流を通し、愛と真実からなる空想の世界に生きていると言ったニュアンスを示す(宇宙人ではない、ということのように思える)。
シーナは戻り、Universe Hollowのレポートを書き、それが大反響を呼ぶ。内容ははっきりしないが、バードとの会話で、この空想の世界に生き、真理と愛を求める人たちを阿諛するような記事ではあったのだろう。
記事を出版、また映画化といった話にもかかわらず、シーナにはバードの声が聞こえ、全てを捨ててUniverse Hollowへと向かう。真理と愛を求めて。
と、メモはしたものの、大反響を得たレポートがどんな記事であったのかはっきりしない。幸せを求め空想に生きる人のレポートがそれほどインパクトを持つとも思えないし、それよりなにより、この物語の主題がはっきりしない。ナレーターのタミー・グライムもいろいろ解釈してごらん、と締めのフレーズで言っている。最初に戻るが、主題を各自自由に想像しなさいというこの物語は、私の拙い英語力では想像し解釈するには、少々荷が重すぎた。ギブアップ。英語力が乏しいのか、想像力が乏しいのか、ともあれ、いまひとつ筋を追うことができない。
わからないないながらメモもすると、主人公はシーナ・ローガンと言う有名女性ジャーナリスト。ジャーナリストとして落とした評価を取り戻すべくUniverse Hollowの地へ取材に向かう。宇宙船が降りたつというその地にタクシーで向かう。タクシーの運転手との会話はともあれ、うたた寝でボスとの夢の中の会話が交わされるが、既に亡くなったそのボスにより自分の評判を台無しにされたようだが、その具体的内容はききとれない。恋愛絡みのようにおもえるのだがよくわからない。また急に泣き出すなど情緒不安定。
で、到着したところはテントとか小屋といった建物があるだけで、電気も通じていない。セリーンと称する女性に迎えられるが、彼女は「別の世界」から来たと言い、コミュニケーションは言葉ではなく直接思考を伝えあっている、と言う。そこにセリーンの仲間であるバードと称する男性が登場。バードに心ときめくシーナ。彼が言うには明日、Universe Hollowと呼ばれる丘陵に挟まれた窪地に宇宙船が到着する、と。
翌日丘に行く。バードとセリーンには宇宙船が見え、宇宙人との交流が始まったとのことだが、シーナには何も見えない。地球に来る目的はと尋ねると、幸福を共有するため、と。
バードとの会話を通して、宇宙から来た言うセリーンも、この地で再臨したと言うバードも、実のところ、この楽園の地で異なる世界からの存在を創り出し、その交流を通し、愛と真実からなる空想の世界に生きていると言ったニュアンスを示す。
シーナは戻り、Universe Hollowのレポートを書き、それが大反響を呼ぶ。内容ははっきりしないが、バードとの会話で、この空想の世界に生き、真理と愛を求める人たちを阿諛するような記事ではあったのだろう。
記事を本にし出版、また映画化といった話にもかかわらず、シーナにはバードの声が聞こえ、全てを捨ててUniverse Hollowへと向かう。真理と愛を求めて。
と、メモはしたものの、大反響を得たレポートがどんな記事であったのかはっきりしない。幸せを求め空想に生きる人のレポートがそれほどインパクトを持つとも思えないし、それよりなにより、この物語の主題がはっきりしない。ナレーターのタミー・グライムもいろいろ解釈してごらん、と締めのフレーズで言っている。最初に戻るが、主題を各自自由に想像しなさいというこの物語は、私の拙い英語力では想像し解釈するには、少々荷が重すぎた。ギブアップ。

2013年8月11日日曜日

CBS Radio Mystery Theater [The Fifth Man]


メモの日時;1983年7月14日(木)
タイトル: [The Fifth Man ]
Episode; 1340


西側スパイ網にthe fifth manと呼ばれるソビエトのエージェント。英国の情報を本国に送ろうとしていた。
エアー・スペース社という雑誌社に勤めるエドワード・パーカー、いつもの通勤列車の客室に入ろうとすると、中から争う声がする。何かを持ってこなかったことを非難しているのだが、彼の近づく気配に気づき急に黙ってしまう。パーカーが入っていくと素知らぬ振りをして男は食堂車に出て行った。
残った男ウイリアム(ビル)・ジャクソンも、何かを隠し、争いの原因はパーカーがいつも座る席にその男が座ろうとしたので口論になったと弁解し、週末の話などをした後、食堂車に出て行く。先ほどの男に会うために出ていくのだろうとは思うも、その男、特にその赤ら顔は何処かで見かけたことがあると思うのだが、思い出せない。
パーカーが社に行くと、伝言があり、病院に来てほしいとのこと。大急ぎで出向くと、ビルの妻であるフランシスが傷ついて入院していた。彼女とパーカーは昔からの友達だったのだが、聞くと階段から落ちた、と。しかし。今朝ビルに列車で会った時にはその事を何も話さなかったので不審に思い、また、続けて二度もこんなにひどい目に遭っている、ということもあり、問い詰めると、ビルに殴られたと白状する。
帰り道にビルの家に寄るが、彼は不在。自宅に帰ると見知らぬ男。彼はウインブルドン警察の刑事と名乗り、ビルが線路脇で死んでいた事を告げる。列車から突き落とされた殺人であり、パーカーが容疑者である、と。
フランシスが退院し、自宅に戻ったので、パーカーは見舞いに行き、自分がビル殺しの容疑者として疑われていると伝え、事件当日の出来事を尋ねると、その日ビルは勤務先のwar officeにも知らせず、荷造りをして出かけようとしたとのこと。そしてそのとき、あの赤ら顔の男は私設飛行場で自家用飛行機のパイロットであるカール・カーリンであることを思い出す。
その間にも警察の捜査が進展し、パーカーとビルの妻のフランシスの仲を疑い、それを不満に思ったビルが婦人に強くあたり、大怪我をさせたという理由でパーカーの容疑が次第に深まってゆく。
一方パーカーはカール・カールソンの飛行場に行き、レンタルを申し込む振りをしてカールソンに会い、ビルの死亡を伝えるが、初耳らしく非常に驚く。しかし、カールソンと働くオリビアはパーカーを黙らせるべく、プロペラに巻き込んで殺す相談を二人ではじめる。
その頃、傷もなおったフランシスはビルの勤務先のwar officeに行き、主任であるロバート・リードに会い、ある手帳を渡す。この手帳はビルが偶然落としたものを自分が拾い、ビルに隠していたこと。ビルは手帳の在処を尋ね、彼女を殴ったことを話し、その手帳の中を見た事を告げる。驚いたロバートはすぐに録音係を呼び、彼女が話した内容は、
「この手帳には西側(英国)が東側に送り込んだスパイのリストが載っている。半年前ビルが思わぬ大金を手に入れたこと。偶然自宅の内線電話で聞いていたことを気づかれ、トイレに逃げ込んだこと。それ以降ビルは気づいたらしく、彼女に冗談半分で、英国に来ている4名のソ連のスパイのことをさりげなく話し、反応を確かめていたこと。ある日玄関マットの下にNo.5宛とされた手紙があり、後で見ると消えていたことなどから、彼がthe fifth manである、と話す。
事の重大さを知ったロバートはフランシスにミス・デービスを警護につけ、完全ガードで身の安全を計る。
警察も捜査の末、パーカーの主張したカール・カールソンの指紋が客室から採取されたので、飛行場に向かいカールを逮捕する。ここに至ってもカールは身に覚えのないことと容疑を否定する。
パーカーはフランシスと会い、カール・カールソンの逮捕されたことを知らせるが、フランシスは夫のビルを愛していたわけではないが、死の理由を知りたいとカール・カールソンに再会できるようパーカーに依頼する。
電話は盗聴の恐れがあるので、打ち合わせはいつもパーカー達が乗っていた駅のプラットフォームで会い話していると、警部が現れ、カールが脱獄したことを告げ、彼とともに飛行場に向かう。その間にもロバートのところに上層部から電話が入り、東側に潜入したスパイ6名が殺されたことを告げ、事は急を要する事態となった、と。
飛行場に行くと、カールはプロペラに巻き込まれてバラバラになり死んでいる。こうしてビルを殺した犯人が不明のまま事件は一応の解決を見る。
そして今、私エベレット・パーカーは当局の許しを得て話はじめる;パーカーは英国MI5のスパイの一人であり、命令でソ連のスパイであるビルとその情報をソ連に運ぼうとする運び屋のカールの始末をした事を告げる。客車のドアノブにカールの指紋をつけたのも、ビルを突き落としたもの自分である、と。


2013年8月10日土曜日

CBS Radio Mystery Theater [A Most Dangerous Animal]


メモの日時;1983年7月13日(水)
タイトル: [A Most Dangerous Animal]
 Episode; 1339

試合で自分の力を誇示したいばかりに前チャンピオンを殴り殺してしまった男。コミッショナーから相手の未亡人と子供にファイトマネーの一部を生活の為に寄付しては、との提案もなんのその、彼の育ての親であり長年のマネジャー兼トレーナーの忠告にも聞く耳を持たず。 丁度そのとき、トレーナーの娘で、この乱暴者と結婚したが、今は別居しテキサスで子供と一緒に暮らす娘が現れ、彼に離婚を申し出る。
しかし娘の父親は、男が昔にも増して凶暴になっているので、その申出は今は止したほうがいいと止めているとき、男が現れ、案の定、勝手に出て行った女に金もやらないし離婚もしないと断言する。
彼女の新しい婚約者、テキサス男子、話せばわかるとジムに乗り込むが強烈なパンチに気を失い、恥をかかされたことを恨み、男に仕返しすると公言する。育ての親のマネジャーも、いよいよ愛想を尽かし、次の試合が終わったら縁を切ると話す決心をする。が、それより先に男から、新しいマネジャーにマフィアの札付きいかさま男を使い、次の試合、こちらが有利な予想を覆し、5ラウンドでわざと負け、賭け金を山分けし、その次の試合で自分が勝つこと告げ、次の試合ではマネジャーの取り分はなく、トレーナーの分だけを払うとの縁切り宣言。
長年の恩を忘れたやり方にマネジャーも次第に怒りだす。 その頃、娘が男に殴り倒され重傷で入院することになる。それ以前から男に仕返しを計画し銃を手に入れていた婚約者は、“殺してやる”と言い残し、娘の父親と計画を練る。
試合の前日になって現れた男、疲れきった様子。聞くと、夜中に電話が鳴りっぱなし。寝ることもできず、試合中に殺してやる、とのこと。それも八百長の5ラウンドに銃で殺すとのこと。元のマネジャーに泣きついて助言を求める。5ラウンドで殺すというのなら、4ラウンドで負けて試合を終えればいいのでは、とのアドバイス。そして、父親と婚約者は連絡を取り合って打ち合わせ完了。
試合当日、この男、とても試合どころではなく、殺される事が心配で、寝不足もあり、生彩なし。4ラウンドの途中でクラッカーが鳴った時、この男、リング上に倒れ、殴られたわけでもないのにカウントアウト。コミッショナーも、この試合をドローとし、男の試合態度の不自然さより、当分出場停止の処分となる。テキサス男と娘は飛行機にてこの地を離れる。

2013年8月9日金曜日

CBS Radio Mystery Theater [The Woman Who Wanted to Live]


メモの日時;1983年7月12 日(火)
タイトル: [The Woman Who Wanted to Live]
Episode; 1338



脱獄犯、腕に重傷、逃走を続けガソリンスタンドに押し入り留守番の男を殺す。丁度そのとき、車でやってきた女性を捕らえる。
彼女は今ここで殺されるのは許して欲しいと、脱獄犯との同行を申し出る。銃があるから裏切ることはしないと言明し、非常線の検問でも、寝ている犯人を同行者として説明し、後から警官に助けを求めなかった理由を尋ねられたとき、寝たふりをして殺されるのが怖かったのだ、と述べるが、どうもそれ以上の何かを感じる逃避行である、と。
結局怪我も重く、途中のモーテルで泊まり、疲れをとってとの話となり、脱獄犯が信用し、油断して風呂に入った隙に銃を奪い、彼を殺すことになる。彼女はガソリンスタンドで殺された男の妻であった。

2013年8月8日木曜日

CBS Radio Mystery Theater [My First Rogue]


メモの日時;1983年7月11 日(月)
タイトル: [My First Rogue]
Episode; 1337


アルセーヌ・ルパンのお話。獄舎でルパンと隣り合わせとなった男モーリス・ルブラン、最近まで獄に入っていたのだが、その男がルパンの話を描き始めることから話がはじまる。
合衆国でワシントンの肖像画を盗もうとしたルパン、ガリマール警部に捕らえられて獄舎に。果たして。。。
ある日、某伯爵のところに書留手紙が届く。邸内の美術品、装飾品が見たかのように詳しく描かれており、それらの品をすべて頂戴するとの旨。どうせなら、手間を省くため、「身代金(ransom)」を支払ってほしいとのこと。差出人はルパンである。この城の周囲は壕に囲まれ、ちょっとした音でも反応する警報装置を完備、ドアも厳重であり安全は間違いない。但し、ルパン以外には。
早速検事を呼び、警備を依頼するも、ルパンは現在獄に入っており完全監視下にあるので心配ないとのこと。それでも心配で手紙を配達した郵便夫を訪ねると、丁度持っていた新聞を示し、現在この町にルパンを逮捕したガリマール警部が滞在しており、偶然釣りをしている姿を見かけたので、ドックに行けば会えるのでは、と。
休暇中であるので仕事はできない、と言うも、大金に魅せられ保証はできないが、との条件で承諾する。「身代金(ransom)」が支払われなかったので、美術品を盗りにくるとルパンが宣言したその夜、ガリマール警部が部下二人を連れて訪れ、美術品のある部屋にふたりを閉じ込めて完全な警護体制を敷く。
翌朝部屋の鍵を開けると、ふたりが眠り込んでおり、美術品がすべて盗まれていた。伯爵は悲しみ嘆くも、言葉の端から出たルパンとの取引についてガリマールが反応し、地下のルートを使い、美術品を取り返す交渉をすると約束する。

この話を描き始めたモーリス・ルブランは事の展開を横の獄舎で観察しているのだが、興味深いので友人が保釈金を支払っても獄を出ようとしない。獄舎にさきほど城に登場した検事が現れ、ルパンに会う。この二人、ルパンがルーブルからモナリザを盗み出した時、交渉の先頭に立ち「身代金(ransom)」をまとめた関係。更に、この事件のためにルーアンに左遷されたのだが、お互いある種の尊敬の念を持ち合っており、ルパンに事の真相を尋ねる。
真相は;合衆国でとらえられたのも、自分から獄舎に入ってみたいと思ったからであり、ここでの生活には十分に満足している、と。今回の事件にしても、手紙、新聞等すべて自分が仕組んだこと。ガリマール警部として登場したのも、それはルパン本人であり、部下を使って金を運び出したとのこと。丁度「身代金(ransom)」を受け取ったとの連絡も隠しもった電報で分かるし、警護の人も更には獄舎にも部下が入っているので、出入り自由であるとのこと。何となれば、必ず戻ってくるので監視人も心配していない様子。最後には検事もガリマール警部の記念品を貰って帰っていくのである。

2013年8月7日水曜日

CBS Radio Mystery Theater [Two Times Dead]


メモの日時;1983年7月8日(金)
タイトル: [Two Times Dead]
Episode; 1336


1865年、新聞記者エドラ・ベイン・ハーパー。絞首刑を宣告された男の取材を命じられる。保安官のフーパーに事件の概要を聞くと、事件の目撃者はエラ・メイ・グイズワルド婦人。被害者は彼女の雇い主であるナサニエル・パルスターの甥のチェドイック・パルスター。顔がめちゃくちゃに潰されている。犯人は軍服を着た男で、被害者のポケットから何かを盗っていった、と。
記者のハーパーはシェリフの許可を得て、被告のジェームス・K・セルビーに会う。「セルビー」が言うには、自分はチェドイック・パルスターである、と。軍相手の商売で事故を起こし査問が開始されようとしたのだが、叔父からまとまった金をもらい、国外にでも逃亡するようにした。その途中で軍服の男が死んでいるのを見つけ、その男ジェームス・K・セルビーになりすましていれば、遠くに逃亡しなくてもすむと思いすり替わった、と。
しかし、この男ジェームス・K・セルビーは脱走兵であり、軍法会議に連れてい行かれようとしたところ、シェリフのフーパーがやってきて、こ殺人犯として逮捕された、とのこと。シェリフも逮捕した男がパルスターであるのを知っているのだが、それを無視し、セルビーとして絞首刑に処せられようとしているのである。
ハーパーが奇妙に思うのは、誰一人として犯人がセルビーではなく、実はパルスターであると証言しようとしない事であるが、パルスターによれば、自分は悪いことばかりして町中の嫌われ者であること、目撃者のグイズワルド婦人は叔父と雇い主・雇い人以上の関係であること、叔父は軍とのトラブルを起こし、自分はその身代わりとして逃亡したこと、町はこの叔父とシェリフに牛耳られており、しかも、シェリフの娘が昔パルスターの婚約者であったが、パルスターが原因で気が狂っていること、などを述べ、判事を含めた町中の陰謀により、自分が身代わりとして殺されようとしているので、なんとか助けて欲しいと言うのである。
ハーパーは上司に対し、知事を説きこの男がパルスターであるとの証言はないが、時を置けばセルビーではないという証言も現れ、その時は人道的な知事として尊敬されると述べ、彼の処刑は中止される。しかし、結局誰も証言には現れず、終生刑務所で過ごす事になる。

2013年8月6日火曜日

CBS Radio Mystery Theater [Lady Macbeth at the Zoo]


メモの日時;1983年7月7日(木)
タイトル: [Lady Macbeth at the Zoo]
Episode; 1335



類人猿、ほとんど人と言うべきか。この「ほとんど」というのが問題なのである。人類の言葉の分かる類人猿のワドラーとエドナー。彼らの檻の前でマーサとカールがふたりの結婚に反対する叔父を殺す相談を聞いてしまう。エドナーは、人類ほど野蛮な種族はないし、殺しは人類のつくったものと、全然取り合わない。
しかし類人猿のワドラーは何とか殺しの計画を知らせ、実行を防ごうと焦るも、人の言葉を喋ることはできない。しかしカールは類人猿のワドラーの仕草から、この類人猿は何かを知っていると、不安を覚える。
カールは叔父を彼のコレクションである銃で殺す事になるのだが、捜査にあたった女性刑事は、カールが婚約者のマーサと一緒にいたとのアリバイのため、容疑を疑う事もなく、単なる強盗の線で捜査にあたる。
結局は、この類人猿が夢に現れ、良心の問題もあり、この類人猿を殺しに殺人に使った銃をもって出掛け発砲。この音に気づいたガードマンに追いかけられ自白して終える。

2013年8月5日月曜日

CBS Radio Mystery Theater [The Chess Master]


メモの日時;1983年7月6日(水)
タイトル: 「The Chess Master]
Episode; 1334


チェスの駒のように何かに操られた男の、危機を脱出した物語。
主人公チャーリー・ウイリアム。職を失い、職を求めて町を歩いていたとき、偶然に賭けチェスの男に誘われ、一局つきあう。何かを賭けなければ面白くないと、両者はどうでもいいもの、チャーリーは鍵、チェスマンはコインを賭けて勝負。チャーリーの勝ちとなりコインを手に入れる。
チェスマンはこのままでは心残りであり、自分にも勝つチャンスを与えてほしい、と言い、その条件として、ある特定のセリフを挙げ、万が一町で偶然誰かにそのセリフで尋ねられたら再度勝負してほしい、と。
翌日職業紹介所のあるビルで、美しい婦人が人待ち気。この女性、チャーリーを待っており、チェスマンから伝えられたセリフを述べる。チャーリーは彼女にコインを与えると、交換に封筒を渡される。仲には何と5000ドルが入っていたのである。チェスマンに尋ねるのだが、自分とは関係ないと言うし、チャーリーは途方に暮れる。
約束どおり再勝負。今度はチェスマンの勝利。チャーリーのexecutive washroom のカギをチェスマンに与える。途中で、チェスマンの友人が企業広告で人を求めているので紹介するから行ってみれば、とのアドバイス。結局、Topkinsのオフィスを訪れ話を聞くが、大変な高給にもかかわらず、仕事の内容が不明。一応妻にも相談するが、何となく変なので決心しかねているのである。

結局仕事を引き受けるのだが、当面何もする事がないので、ディスクを持っていき、チェスマンの相手でもしてほしいと言われる。ここまでの状況で、チャーリーは、自分は何か仕組まれていると思い、当局にディスクを持って行くと、逆に脅されて、断るも引き受ける事になる。
チェスマンのところに行きゲームを始めようとするが、チェスマンはチャーリーのもってきたディスクはTopkinsのものと違うと抗議する。何も価値のないものを賭けるのだから、何でもいいではないかと言い返すが、チェスマンは聞かず、彼の妻が仲間によって捕らえられているとか、チャーリーの鍵を犯罪の現場に置いて容疑者に仕立てるとかといって脅し、ディスクを返すことを要求する。
チャーリーは絶体絶命。チェックメイトとなるが、ここでチャーリーは大番狂わせの手を打つ。その場にFBIが現れチェスマンを逮捕。昨夜チャーリーがFBIに相談に行き、それをもとにTopkinsのところを盗聴し、更にチェスマンの話も一部始終聞いていたわけである。彼らはソ連のスパイであり、これによりスパイ網は壊滅した。

2013年8月4日日曜日

CBS Radio Mystery Theater [Why Is This Lady Smiling?]


メモの日時;1983年7月5日(火)
タイトル: [Why Is This Lady Smiling?]
Episode; 1333


モナリザの微笑みの秘密は何なのか?
1498年、イタリアのフローレンスで、レオナルド・ダ・ヴィンチを呼び止めた男ジョコンダ。絹商人のこの男、つい最近結婚したばかりの妻リザの肖像画を描いて欲しいとの申しむ。金に困る身ではあるが、すぐに引き受けるのも、と勿体ぶって大金をふっかける。駆け引きの末、交渉は妥結。ジョコンダの希望は只ひとつ。彼女の笑顔を必ず描いて欲しいということ。
数日後連れてきたリザを見るも、ごく普通のイタリアの娘。只一つレオナルドが気に入らないのが、彼女のその笑顔。アテリエにて肖像画を描き始めるも、笑顔が気になり仕事にならない。彼女が言うには、いままでもこの笑顔を皆から注意されてきたのだが、没落した家族を救ってくれ、結婚してくれたジョコンダが気に入ったのはこの笑顔なのだ、と。レオナルドはそれでも気にいらず、笑いを止めろといっても出来ない、と。仕事も進まずジョコンダより責められる始末。
しかしある日、何かの神意で、一気に書き上げた絵を見て、リザは「何か私ではない」と。しかし、レオナルドは内なる彼女の真実を描き上げた事を述べ、彼女をモデルに、彼女を越えた存在をつくりあげ、永遠の命を得たことを告げる。
しかし、主人のジョコンダは、この絵を見たとたん急に不機嫌になり、この微笑みを除かない限り支払いはできないと強く迫る。しかしレオナルドはこれを断り、喧嘩分かれとなる。
しかし年とともに、このジョコンダ婦人の肖像がフローレンスの人々の評判となってきたある日のこと、リザ婦人が現れ、この絵を人の目につかないところに隠してほしいと要求する。主人のジョコンダが、自分には見せない微笑みを他人のレオナルドに見せたことなどを、世間がジョコンダを笑い者にし、妹も財産を取られた腹いせから兄のジョコンダに中傷し、自分の立場も非常に悪くなっている、と。そして、天才のレオナルドであれば、何か方策を考えて自分を救ってくれると思って訪れたと伝える。
リザと主人のジョコンダの仲を元に戻す方法を考えたレオナルドは、近くの小さな協会へ行き、そこの神父に協会の壁に絵を描きたいと申し出る。高名な画家の申し出に喜んだ神父、一も二もなく承諾。レオナルドによれば、ジョコンダ婦人を中心に神々を描き、彼女の微笑みの天使のような、純粋な美しさをポイントにフローレンスの守護を求める絵を描く、という。ジョコンダ氏には神父から許可を申し出て欲しいと。この話を聞いたジョコンダ氏は大いに喜び、彼女の微笑み、肖像画と寸分違いないことを確認し、神父の認めた天使の微笑みをもつ女性を妻にした喜びに感謝する。
しかし、結局はこの絵は描かれることがなかった。リザが当時流行したペストに罹り死んでしまったからである。その後、この絵はフランス国王に売られ、今に到るのである。

2013年8月3日土曜日

CBS Radio Mystery Theater [Your Desires, My Guilt]


メモの日時;1983年7月4日(月)
タイトル: [Your Desires, My Guilt]
Episode; 1332



世間的な名声や富を求めず、片田舎の小さな大学で経済学を教えるモーリス。その妻アルジェラは妹の主人ハリーの成功を見るにつけ、不満が次第に募ってくる。今日も、ボストンの妹の家に出かけるはずが、家にいる妻アルジェラにその理由を尋ねると、妹に比べて自分がみじめになるので行かない、と。そして、夫のモーリスに有名になってもらいたい、お金は欲しいとモーリスを責める。望みはシャンペン、皮のコート、スポーツカーという妻にモーリスは、そんなことは些細な事であり、人生の指針を見つける前では、この環境が最良であると説くが、アルジェラは納得せず、結局彼は妻の望みを叶えるように生き方を変えてみる、と言う。
それから不思議なことが怒り始める。アルジェラが冷蔵庫を開けると中にシャンペンがあり、クロークを開けると皮のコートがあり、窓から下を見るとスポーツカーがある。泥棒の置いていったものか不安になりながらも、結局は妹の贈り物と納得し、妹に感謝の電話をするも彼女は全く知らない、と。そして、翌朝になると皮のコート、スポーツカーが消え去っているのである。
夢かと思うも、シャンペンの空瓶が残っており、主人の言葉に従って、彼女が祈る(wish)と消え去るのである。ここでモーリスは、妻の強い祈り(wish)が、自分の罪の意識(guilty)を通して形を成し、生成の力を得たのだと説明する。ふたりの協力で何でも思いのままになることを知ったのである。
ここで妻のアルジェラが望んだ事は、妹を彼女のもとで跪かせること。モーリスも最初は嫌がるが最後にはそれを受け入れる。妻の祈り(wish)とモーリスが罪の意識(guilty)をもつと、突然妹が現れ、ハリーが会社の金、自宅の金品をすべて持ち出して消え去ったとのこと。そしてアルジェラに救いを求めてやってきた、と。モーリスは義理の妹の唯一の望みが無一文でもはじめからやり直す事であると知り、妻を説得し、ハリーを妹のもとへとかえしてやろうと「祈る」。
この時モーリスは、妻とのふたりの生活をはじめからやり直し、富と名声をもつ暮らしを約束する。モーリスは時を遡り、経済学で名をあげ、大統領の特別顧問となり、マスコミに搭乗し、お金を得る。しかし、彼女アルジェラに残されたのはひとりぼっちの寂しさだけであり、貧しくても二人の生活を再び望むもモーリスに拒否され、寂しく暮らしゆくのである。

2013年8月2日金曜日

CBS Radio Mystery Theater [The Different People]


メモの日時;1983年7月1日(金)
タイトル: [The Different People]
Episode; 1331



アレンとジェリーの若いふたりの人類学者。古い家を共同で借り、部屋の整理をしていたとき、古い手紙が大量に入った箱を見つける。好奇心にかられ読み始めると,1865年、南軍の大尉ティモシー・パトレッジから妻のサマンサに宛てた手紙である。そこには、1865年、南軍が降伏に到るも、彼を含め3名だけが弾に当たることもなく生き延びた。その理由は、人生を長らえる秘密を得たのだ、と。
アレンはこの手紙に示す西部のNew Jerusalem の地を辺地に探し、この秘密を解明しようとジェリーに話すが断られ、結局インディアンのガイドとふたりで旅にでる。何日か、山また山を歩き、突然銃をもった女性に襲われ、ガイドのインディアンは追い返され、彼ひとり連れて行かれる。途中、昨夜の雨で滑りやすくなった石にスリップし、75フィートも滑落するが、奇跡的に怪我もせず集落に至る。
落下事件の体験から、その娘スザンナはアレンも自分たちと同じ仲間(different man)であると父親に説明し集落に滞在することに。最初はこの父親のことを大尉の孫と思うも、実はその本人であり、200年近く生き続けていることを知る。娘はアレンを船から激流に突き落とし助かるのを見て、同じ仲間であることを再び確認したりもする。
アレンは彼らが止めるのも聞かず、この集落の存在を世間に知らせようと村を出る決心をするが、大尉は去ろうとするアレンを撃つ。が、彼には弾は当たらない。そして、彼が置いていったラジオから、大調査隊が集落に来る事を知った大尉は、他人の好奇心の対象となることを拒み、全員で死を選ぶのである。
調査隊が到着し発見したのは、崖から飛び降りて死んだ住民の死体だけであった。大尉は、「静かな生活が乱されるのであれば、死に到らん」との言葉を残し、息絶える。

2013年8月1日木曜日

CBS Radio Mystery Theater [The Brooch]


メモの日時;1983年6月30日(木) <br/>
タイトル: [The Brooch] <br/>
Episode; 1330<br/>


アントン・チェーホフの作品を脚色した作品。
革命前のロシアの片田舎、家庭教師に雇われた若い娘マシェンカ・パブロフスキー。酒場で偶然に出会った雇い主の下僕アンドレ・ボロトフに連れられて、町一番の金持ちクーシキン家に案内される。その家の婦人に仕事の内容を指示されるも、この家に漂う奇妙な違和感に怖れをもつ。事実、アンドレの話によれば、この1ヶ月で3人目の家庭教師とのこと。すぐ辞めるべきかどうか迷ってしまう。
家の主人が部屋に来て、彼女に取り入るが、気が休まるのは子供を寝かせた後、夜空を眺め、田舎の両親のことを考える時である。次第にアンドレにも心を許すようになったある日、アンドレが部屋に戻ろうとするのを止めるので、奇妙に思い、それでも中に入ると、そこでは、クーシキン夫婦が彼女の荷物をひっくり返している。
あまりのことに抗議をし、アンドレからその理由を聞くと、婦人のブローチがなくなったので、それを探していたとのこと。
人を馬鹿にしたやり方に怒り、駅に向かい、動き始めた列車に乗ろうとして失敗し、気を失い駅長に助けられる。クーシキン家に戻るのを断るも、訪れた警官のイゴール・イヴァノビッチに連れられ、クーシキン家に戻る。婦人のドーミエは彼女を容疑者として責めるも、夫のイゴールは逆に証拠もなく人を責めることを繰り返す婦人をたしなめ、マシェンカを弁護するのである。
主人は、マシェンカが去るのを卑屈なくらい止めようとするが、マシェンカの決心が固いとわかると、手のひらを返したように冷たくなり、婦人の声が聞こえると急に弱気になったりもする。
この間に、ブローチを盗んだのは自分と白状する。警官の話によると、主人が週に2度モスクワに行き、行きは大金を持つも、帰りは電車賃もなく駅で後払いをするといったことからも動機は明白である。そして、マシェンカはアンドレとともにイゴールや駅長に見送られて町を去る。