2016年6月22日水曜日

CBS Radio Mystery Theater  [A Pair of Green Eyes]

第百四十一話

メモの日時;1983年10月12日(水)
タイトル: [A Pair of Green Eyes]


南米の北岸のとある島に、失われた部族の痕跡を求め古美術商であるフィル・ラーセンとその夫人が訪れ、国立博物館の館長であるドン・ルイスから展示物の説明を受ける。チプチャ・インディアンの神像や織物、土器の説明、高度な鉱物採掘技術の話、そしてその部族には生贄の儀式があり、そこでは全身を金粉でかざり、聖なる湖に沈める、といった話を聞く。
話を聞きながら気づいたことは、どれひとつとして同じものがない神像ではあるが、唯一の共通点は神像に目がないことであった。ふと館長の首を見やるとエメラルドの飾り。館長は高い位の神職の子孫であり、代々その飾りを受け継いできたとのこと。
そんなとき、夫人が誤って土器を落し壊してしまう。気にしなくても、との館長の言葉にも関わらず、非常に怒る夫のフィル。夫人もその叱責に、殺してやる、との言葉を残しホテルにひとり戻る。
翌日夫妻はチャーターした釣り船に乗船。夫人は船長である若者セザールにご執心。素敵な男性が何故こんな所に、などとプライベートな質問を繰り返し、明日のデートの約束を取り付ける。そんなとき、夫のフィルが大物を釣り上げたとき心臓に負担がかかり発作。
夫人は発作を抑える錠剤を渡そうとするも、誤って海に落としフィルは亡くなってしまう。誤って、と見せかけてはいたが、実際は夫人は故意に海に落とし夫を死に至らしめたわけである。
館長のドン・ルイスは葬儀を営む島民ヘクターにラーセン氏の遺体を本国に送り返すよう棺に納める指示。しかし、ヘクターは検視官のサインがない状態で棺に納めることを拒否。島民を自分の奴隷として見下す館長のドン・ルイスはヘクターに指示に従うように命ずるが、ヘクターは部族の宝を私物化する館長を激しく非難し服従しようとしない。怒る館長はヘクターを殺してしまう。その場を夫人は目撃する。
場面は再び変わり空港の税関。夫の遺体を入れた棺と共に帰国の途につく夫人。税関が宝を棺に隠し持ち出す恐れがあると棺を開けることを求める。死体の検視済みの署名もあり、不躾な要求に怒る夫人。しかし開けられた棺から出てきたものは、夫でも死体でも宝のエメラルドでもなく、葬儀屋の島民ヘクターの遺体であった。訝る夫人。
ドン・ルイスに説明を求めるも確たる答えはえられない。明らかに偽の署名をしているのだが、館長は白を切り通し、なにひとつ納得できる説明を受けることができない。夫人は気分転換にと青年セザールと浜辺に向かう。セザールに共に帰国をしようなどとの誘いをしているとき、海に死体を発見。それは夫フィルの死体であった。夫人は館長ドン・ルイスのもとに赴き再び説明を求める。それに対するドン・ルイスは説明の代わりに取引を提案。その内容は詮索をやめてエメラルドをアメリカで売り捌く仲間入れ、ということであ
った。
そんなとき、ドン・ルイスに島の少年からからエメラルドみつけたとの連絡が入る。エメラルドを受け取りに赴くと、それは神像であり、目の部分にエメラルドが入っていた。
4体の神像。全部で100万ドル近くもなるようなエメラルド。博物館で見た目のない高い神像は、エメラルドを抜き取られたものであった。
場面は変わり、聖なる湖での夫人とセザール夫人。再びセザールに共にアメリカに戻ろうとの誘い。アメリカの入国まで付き添ってゆくと言ったセザールとの話をしているとき、湖に浮かぶ舟と全身金粉で覆われたドン・ルイスの姿を見る。舟はゆっくりと湖に沈んでいった。
エメラルドを手に入れ帰国し、アメリカに入国しようとする夫人に税関職員が制止。司法省の職員であるメンドーサによる調べがある、と。そこに現れたのはセザールであった。セザールことメンドーサは指令によりフィル・ラーセン夫妻を監視していたと告げる。怒る夫人。メンドーサは淡々と調べを進め、バッグの日焼け止めクリームの中に隠し持ったエメラルドを見つけ、物語は終える。
と、メモはしたのだが、なんともはっきりしない話。なにゆえ、最初の棺にヘクターを入れる必要があったのか、なにゆえにドン・ルイスが金粉に覆われ聖なる湖に沈んていったのか、などなど、さっぱりわからない。どこかで聞き逃したのだろう、か。これも、英語のできる方にお教え願う他に途は無し。

2016年6月9日木曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Murder By Decree]

第百四十話

メモの日時;1983年10月11日(火)
タイトル: [Murder By Decree]
Episode;1358


英国チューダ王朝のヘンリー8世の二番目の妻、アン・バーリンの物語。
出産を間近に控えたある日、アンとその侍女ラブリンの会話から話が始まる。王位継承権の第一位となる男子の誕生を望むアン。アンとの結婚を望むあまり、離婚を認めないローマ法皇と別れ謀臣クロムウェルのアドバイスのもと、独自に英国国教会を樹立してまで自分の欲望を貫く国王に、男子が誕生しなかった場所の事を想い、心穏やかならず。
また、50歳あたりで亡くなる傾向にある英国国王のことを考えヘンリー8世の事を案ずるも、国王は危険な馬上槍試合に出かける。アンの危惧は的中しノフォーク公より国王は怪我の知らせを受ける。
そのような状況の中、アンは出産。しかし結果は死産であった。落ち込むアンに次回を、と慰める次女やノフォーク公。しかし男子の誕生日を待ち望む国王ヘンリー8世は"役立たず"と切り捨てる、のみ。アンは国王の心が侍女のジェーン・シーモアに移っていることを感じていた。国王も二度目の離婚を考え始める。
そんなある日、庭で装身具のロケットが見つかる。このロケットは国王がジェーン・シーモアにプレゼントしたものであり、宮廷画家のホルバインによるジェーン・シーモアの姿がロケットの中に描かれていた。アンもそのロケットに気づく。
庭にジェーン・シーモア、ノフォーク公、そしてトーマス・クロムウェルー。ジェーン・シーモアに注意喚起を促すと共に、今後の善後策を講じているところにアンが現れる。クロムウェルは身を隠すも、アンは3名での自分を追い落とす謀議と信じ、ジェーン・シーモアを激しく折檻。その場に現れたヘンリー8世にジェーン・シーモアの幽閉を望むも、ヘンリー8世がロンドン塔への幽閉を指示したのはアンであった。
アンとの離婚を指示する国王。それに答えるべくノフォーク公とクロムウェルは謀議を図る。そしてクロムのとった手段は アンを不義密通の罪に陥れること。クロムウェルは何気なく侍女のラブリンに普段アンと交流のある人物を聞き出す。その人物はヘンリー・ノリス卿や音楽家のマーク・スミートンなどなど。
ノフォーク公はそのリストを持って国王に拝謁。クロムウェルが調べ上げたアン・ブーリンと「非常に親しい人物」であると報告。怒る国王。反論を直接国王に話すことを望むアンに対し、ノフォーク公は不義密通・反逆罪の無実が立証されるまで国王に会うことは叶わないと告げる。その後アン・ブーリンはロンドン塔で刑に処せられる。
タイトルの「法のもとでの殺人」とは、不義密通の罪という名目で斬首の刑に処せられた故の命名であろう。登場人物のうち、クロムウェルは有名であるのでいいとして、ノフォーク公。この人物はアン・ブーリンの叔父。アンと国王の関係が危なくなると、サッと変身。アンの裁判では裁判長をつとめ、その後クロムウェルの追い落としも計った、とか。

2016年6月8日水曜日

CBS Radio Mystery Theater  [[The Visions of Sir Philip Sidney]

第百三十九話

メモの日時;1983年10月10日(月)
タイトル: [The Visions of Sir Philip Sidney]
('M. R. James story')
Episode;1315


話は99年前に遡る。南アフリカのズールー戦争に従軍し、武勲をたて勲章まで授与された Sir  Philip Sydney(Sirの称号はその時の武勲故のものだろう)。何時ものようにロンドンエクスプレスに乗り貿易商の仕事のためにロンドンに向う。
客室で葉巻をくゆらせていると、喫煙の苦情を言われた青年が相席を求める。四方山話の末パディントン駅に着き、青年が客室を離れるとドアに血痕の跡。驚いて後を追うも見失う。
フィリップは 友人のスコットランドヤード刑事ピーター・.グレムを訪ね、事件を報告。警察はその話の確認をするも、そんな事件の報告はどこにも上がっていなかった。
その翌日。同じく客室に黒いベールを纏った夫人が現れる。容姿は彼の妻であるマーガレットによく似ている。そして今回も彼女が客室を離れると血痕跡。次の日も紳士風の男性が相席し、この時も血痕を残す。直前に検札に来た車掌に問い質すも、そんな紳士はいなかったと語り、また夫人も青年も客室にはいなかったと伝える。

週末に スコットランドヤードの主任警部はピーターの自宅を訪問。夫人のマーガレットにフィリップに起きた出来事を伝える。南アフリカでのズールー戦争の大虐殺の戦役に遭遇した精神的ショックの後遺症とも考えるが、それにしては時が立ち過ぎている、と。
その時、夫人は自宅にゲストを迎えていると話す。夫人もズールー戦争当時、南アフリカに赤十字の一員としておもむいており、そのとき知りあった青年で、ロンドンに戻り陸軍省に務めることになっているのだが、部屋が見つかるまでゲストとして招待している、と。しかし、フィリップを快く思っていない。
その青年トレバーが警部に話したところによると、二人の関係に対する謂れのない強い嫉妬の他、フィリップがトレバーを嫌悪する理由は戦時下におけるフィリップの行動が勲章授与に価しない事実を知る唯一の証人であるためである、と。トレバーも将校としてその戦役に参軍し生き残った軍人であった。

警部はこれらの話から、フィリップの見た最初の青年はトレバー、二人目は夫人のマーガレット、三人目は警部自身(客室の会話の中で、スコットランドヤードの話が出ていた)の幻影。そして次の血痕を残す幻影はフィリップとなるとの推論を述べる。
そんな折もおり、庭で争いの声。マーガレットに危険であるから家を離れるようにと話すトレバーのもとにフィリップが現れ銃を放つ。嫉妬と秘密を知るトレバーに対する嫌悪がない交ぜになった結果である。その結果3人が怪我をする。誰々かというのははっきり説明されてはいないように思うのだが、論理的に考えればトレバー、マーガレット、そして刑事のピーターの3人ではあろう。
警部の話によると、精神分析医の見立ては、フィリップの予知能力が(あまりの嫉妬か嫌悪か、なにかのきっかけにより)高まり、この銃による怪我の血痕を客車で見たのであろう、と。また、黒いベールを被った女性のそのベールは葬儀の象徴であり、それはフィリップを弔う予知でもあったよう。フィリップはこの事件、予知によって見た幻影を乗り越え、マーガレットの愛を信じ生きていくようになる。

2016年6月1日水曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Redhead]

第百三十八話

メモの日時;1983年10月7日(金)
タイトル: [Redhead]
Episode;1357

又も赤毛の女性が殺された。これで4人目である。この女性を乗せたバスの運転手であるハリーは彼女を殺したのは自分である、と警察に出向く。事件当夜、停留所を行き過ぎたときに彼女が降ろしてほしいという願いを断り、次の停留所で降ろしたため、これが原因で殺されたと話す。

ハリーは妻に責任を感じると悩み、彼女を降ろさなかったのは、今は亡き娘と同じ年頃であったことも事実だと妻に打ち明ける。彼は元ボクサーであったが、今は幸せな人生を送っていることに感謝し、この事件の罪滅ぼしに、未だボクシングで成功する夢から醒めず孤独な人生を送っている昔のボクシング仲間に金銭援助してはどうかとかと妻に勧められボクシングジムを訪れる。
ハリーは昔のボクシング仲間に、もういい加減にボクシングを諦め職に就くように勧めるが、彼女にも逃げられ未だチャンプの夢を見ているその男には通じない。

そうしたとき、ハリーは妻と、殺人事件に奇妙な一致点があることに気づく。それは、毎週金曜日に赤毛の女性が殺されている、また、4件の殺人現場がボクシングの試合のある場所と一致しているのである。そして、昔のボクシング仲間の男から逃げ、自動車事故で亡くなった女性が赤毛であったことから、その男を犯人と思い始める。

金曜日が訪れる。が、事件は起きなかった。しかしその週にはボクシングの試合はなかった。
その男の試合のある日、夫妻は会場に訪れ、試合に敗れた彼をロッカーで一瞬目を離した隙に彼が消え去る。ふたりで彼を探すと女性の叫び声。駆けつけ女性を救い、彼女を鎮める。彼は精神病院へと連れて行かれる。