2016年11月7日月曜日

CBS Radio Mystery Theater  [The Magic Dust]

第百四十二話

メモの日時;1983年10月13日(木)
タイトル: [The Magic Dust]
Episode;1393


夢の金属を研究している男エルスワース。ボスのバラードにコストがかかりすぎると首を言い渡される。ラウンジに赴きピアニストのダイアンとの会話の中で、リクエストしたヨハンシュトラウスの曲ウィーンワルツを聴いていたとき、大学時代の記憶が蘇る。
それは、大学で文化人類学を履修し、親しくなった女性の教授フランチェスカ・プレンテックの家に招かれた時のこと。占いにより彼が金属学を志すとことを知る教授は、魔法の粉の話をしはじめる。
その魔法の粉とは、彼女が西アフリカの部族と親しくなって知った、その部族の魂とも言える金属、どの金属よりも硬い金属のことであった。彼女はその部族から魔法の粉の製造法を授けられ、その象徴である槍を持っている、と言った話を思い出す。
これこそが夢の金属への道であると、夜中にもかかわらずボスに連絡。ボスの命令で、世の中を変えるこの金属の製造法を知ろうとするが、彼女は自分の命に値するその秘密の製造法を教えることはできない、と。ボスも大金を用意し教授に製造法を求めるが彼女は断固としてことわる。
そこでボスがとった手段は強盗に押し入り、製造法を書いた書類を手に入れようとすること。その予感を感じたエルワースは彼女に危険を知らせるが、こと既に遅く、強盗によって彼女は殺されてしまう。結局製造法を書いた書類は見つからなかった。
エルスワースは彼女を殺害した主犯はボスであると責める。しかし、ボスは自分と被害者には接点の事実は無く、逆に夜中に電話したエルワースに嫌疑がかかると白を切る。
それに対し、エルワースは復讐を企てる。ボスに部族の酋長と兄弟の契りを交わした文化人類学者フランチェスカ・プレンテックの兄として接近し、製造法を手にいれようとの提案。欲に駆られたボスは西アフリカの部族のもとに。部族のもとに行き、文化人類学者の姉(妹)が亡くなったと告げ、兄として魔法の粉の製造法を継承したいと申し出る。
それに対して、酋長は、この金属はこの部族の魂そのものであり、他の用途には絶対使わないとの誓いをさせ、金属の製造法を授ける。
国に戻ったボスとエルスワース。コンピューターにデータを入れ、作業を開始始めると幻に彼女が現れ、誓いを破れば視力を失い、心臓も止まり亡くなると警告。エルスワースの制止も聞かず作業を続けようとしたボスは予言の通り死に至る。

2016年6月22日水曜日

CBS Radio Mystery Theater  [A Pair of Green Eyes]

第百四十一話

メモの日時;1983年10月12日(水)
タイトル: [A Pair of Green Eyes]


南米の北岸のとある島に、失われた部族の痕跡を求め古美術商であるフィル・ラーセンとその夫人が訪れ、国立博物館の館長であるドン・ルイスから展示物の説明を受ける。チプチャ・インディアンの神像や織物、土器の説明、高度な鉱物採掘技術の話、そしてその部族には生贄の儀式があり、そこでは全身を金粉でかざり、聖なる湖に沈める、といった話を聞く。
話を聞きながら気づいたことは、どれひとつとして同じものがない神像ではあるが、唯一の共通点は神像に目がないことであった。ふと館長の首を見やるとエメラルドの飾り。館長は高い位の神職の子孫であり、代々その飾りを受け継いできたとのこと。
そんなとき、夫人が誤って土器を落し壊してしまう。気にしなくても、との館長の言葉にも関わらず、非常に怒る夫のフィル。夫人もその叱責に、殺してやる、との言葉を残しホテルにひとり戻る。
翌日夫妻はチャーターした釣り船に乗船。夫人は船長である若者セザールにご執心。素敵な男性が何故こんな所に、などとプライベートな質問を繰り返し、明日のデートの約束を取り付ける。そんなとき、夫のフィルが大物を釣り上げたとき心臓に負担がかかり発作。
夫人は発作を抑える錠剤を渡そうとするも、誤って海に落としフィルは亡くなってしまう。誤って、と見せかけてはいたが、実際は夫人は故意に海に落とし夫を死に至らしめたわけである。
館長のドン・ルイスは葬儀を営む島民ヘクターにラーセン氏の遺体を本国に送り返すよう棺に納める指示。しかし、ヘクターは検視官のサインがない状態で棺に納めることを拒否。島民を自分の奴隷として見下す館長のドン・ルイスはヘクターに指示に従うように命ずるが、ヘクターは部族の宝を私物化する館長を激しく非難し服従しようとしない。怒る館長はヘクターを殺してしまう。その場を夫人は目撃する。
場面は再び変わり空港の税関。夫の遺体を入れた棺と共に帰国の途につく夫人。税関が宝を棺に隠し持ち出す恐れがあると棺を開けることを求める。死体の検視済みの署名もあり、不躾な要求に怒る夫人。しかし開けられた棺から出てきたものは、夫でも死体でも宝のエメラルドでもなく、葬儀屋の島民ヘクターの遺体であった。訝る夫人。
ドン・ルイスに説明を求めるも確たる答えはえられない。明らかに偽の署名をしているのだが、館長は白を切り通し、なにひとつ納得できる説明を受けることができない。夫人は気分転換にと青年セザールと浜辺に向かう。セザールに共に帰国をしようなどとの誘いをしているとき、海に死体を発見。それは夫フィルの死体であった。夫人は館長ドン・ルイスのもとに赴き再び説明を求める。それに対するドン・ルイスは説明の代わりに取引を提案。その内容は詮索をやめてエメラルドをアメリカで売り捌く仲間入れ、ということであ
った。
そんなとき、ドン・ルイスに島の少年からからエメラルドみつけたとの連絡が入る。エメラルドを受け取りに赴くと、それは神像であり、目の部分にエメラルドが入っていた。
4体の神像。全部で100万ドル近くもなるようなエメラルド。博物館で見た目のない高い神像は、エメラルドを抜き取られたものであった。
場面は変わり、聖なる湖での夫人とセザール夫人。再びセザールに共にアメリカに戻ろうとの誘い。アメリカの入国まで付き添ってゆくと言ったセザールとの話をしているとき、湖に浮かぶ舟と全身金粉で覆われたドン・ルイスの姿を見る。舟はゆっくりと湖に沈んでいった。
エメラルドを手に入れ帰国し、アメリカに入国しようとする夫人に税関職員が制止。司法省の職員であるメンドーサによる調べがある、と。そこに現れたのはセザールであった。セザールことメンドーサは指令によりフィル・ラーセン夫妻を監視していたと告げる。怒る夫人。メンドーサは淡々と調べを進め、バッグの日焼け止めクリームの中に隠し持ったエメラルドを見つけ、物語は終える。
と、メモはしたのだが、なんともはっきりしない話。なにゆえ、最初の棺にヘクターを入れる必要があったのか、なにゆえにドン・ルイスが金粉に覆われ聖なる湖に沈んていったのか、などなど、さっぱりわからない。どこかで聞き逃したのだろう、か。これも、英語のできる方にお教え願う他に途は無し。

2016年6月9日木曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Murder By Decree]

第百四十話

メモの日時;1983年10月11日(火)
タイトル: [Murder By Decree]
Episode;1358


英国チューダ王朝のヘンリー8世の二番目の妻、アン・バーリンの物語。
出産を間近に控えたある日、アンとその侍女ラブリンの会話から話が始まる。王位継承権の第一位となる男子の誕生を望むアン。アンとの結婚を望むあまり、離婚を認めないローマ法皇と別れ謀臣クロムウェルのアドバイスのもと、独自に英国国教会を樹立してまで自分の欲望を貫く国王に、男子が誕生しなかった場所の事を想い、心穏やかならず。
また、50歳あたりで亡くなる傾向にある英国国王のことを考えヘンリー8世の事を案ずるも、国王は危険な馬上槍試合に出かける。アンの危惧は的中しノフォーク公より国王は怪我の知らせを受ける。
そのような状況の中、アンは出産。しかし結果は死産であった。落ち込むアンに次回を、と慰める次女やノフォーク公。しかし男子の誕生日を待ち望む国王ヘンリー8世は"役立たず"と切り捨てる、のみ。アンは国王の心が侍女のジェーン・シーモアに移っていることを感じていた。国王も二度目の離婚を考え始める。
そんなある日、庭で装身具のロケットが見つかる。このロケットは国王がジェーン・シーモアにプレゼントしたものであり、宮廷画家のホルバインによるジェーン・シーモアの姿がロケットの中に描かれていた。アンもそのロケットに気づく。
庭にジェーン・シーモア、ノフォーク公、そしてトーマス・クロムウェルー。ジェーン・シーモアに注意喚起を促すと共に、今後の善後策を講じているところにアンが現れる。クロムウェルは身を隠すも、アンは3名での自分を追い落とす謀議と信じ、ジェーン・シーモアを激しく折檻。その場に現れたヘンリー8世にジェーン・シーモアの幽閉を望むも、ヘンリー8世がロンドン塔への幽閉を指示したのはアンであった。
アンとの離婚を指示する国王。それに答えるべくノフォーク公とクロムウェルは謀議を図る。そしてクロムのとった手段は アンを不義密通の罪に陥れること。クロムウェルは何気なく侍女のラブリンに普段アンと交流のある人物を聞き出す。その人物はヘンリー・ノリス卿や音楽家のマーク・スミートンなどなど。
ノフォーク公はそのリストを持って国王に拝謁。クロムウェルが調べ上げたアン・ブーリンと「非常に親しい人物」であると報告。怒る国王。反論を直接国王に話すことを望むアンに対し、ノフォーク公は不義密通・反逆罪の無実が立証されるまで国王に会うことは叶わないと告げる。その後アン・ブーリンはロンドン塔で刑に処せられる。
タイトルの「法のもとでの殺人」とは、不義密通の罪という名目で斬首の刑に処せられた故の命名であろう。登場人物のうち、クロムウェルは有名であるのでいいとして、ノフォーク公。この人物はアン・ブーリンの叔父。アンと国王の関係が危なくなると、サッと変身。アンの裁判では裁判長をつとめ、その後クロムウェルの追い落としも計った、とか。

2016年6月8日水曜日

CBS Radio Mystery Theater  [[The Visions of Sir Philip Sidney]

第百三十九話

メモの日時;1983年10月10日(月)
タイトル: [The Visions of Sir Philip Sidney]
('M. R. James story')
Episode;1315


話は99年前に遡る。南アフリカのズールー戦争に従軍し、武勲をたて勲章まで授与された Sir  Philip Sydney(Sirの称号はその時の武勲故のものだろう)。何時ものようにロンドンエクスプレスに乗り貿易商の仕事のためにロンドンに向う。
客室で葉巻をくゆらせていると、喫煙の苦情を言われた青年が相席を求める。四方山話の末パディントン駅に着き、青年が客室を離れるとドアに血痕の跡。驚いて後を追うも見失う。
フィリップは 友人のスコットランドヤード刑事ピーター・.グレムを訪ね、事件を報告。警察はその話の確認をするも、そんな事件の報告はどこにも上がっていなかった。
その翌日。同じく客室に黒いベールを纏った夫人が現れる。容姿は彼の妻であるマーガレットによく似ている。そして今回も彼女が客室を離れると血痕跡。次の日も紳士風の男性が相席し、この時も血痕を残す。直前に検札に来た車掌に問い質すも、そんな紳士はいなかったと語り、また夫人も青年も客室にはいなかったと伝える。

週末に スコットランドヤードの主任警部はピーターの自宅を訪問。夫人のマーガレットにフィリップに起きた出来事を伝える。南アフリカでのズールー戦争の大虐殺の戦役に遭遇した精神的ショックの後遺症とも考えるが、それにしては時が立ち過ぎている、と。
その時、夫人は自宅にゲストを迎えていると話す。夫人もズールー戦争当時、南アフリカに赤十字の一員としておもむいており、そのとき知りあった青年で、ロンドンに戻り陸軍省に務めることになっているのだが、部屋が見つかるまでゲストとして招待している、と。しかし、フィリップを快く思っていない。
その青年トレバーが警部に話したところによると、二人の関係に対する謂れのない強い嫉妬の他、フィリップがトレバーを嫌悪する理由は戦時下におけるフィリップの行動が勲章授与に価しない事実を知る唯一の証人であるためである、と。トレバーも将校としてその戦役に参軍し生き残った軍人であった。

警部はこれらの話から、フィリップの見た最初の青年はトレバー、二人目は夫人のマーガレット、三人目は警部自身(客室の会話の中で、スコットランドヤードの話が出ていた)の幻影。そして次の血痕を残す幻影はフィリップとなるとの推論を述べる。
そんな折もおり、庭で争いの声。マーガレットに危険であるから家を離れるようにと話すトレバーのもとにフィリップが現れ銃を放つ。嫉妬と秘密を知るトレバーに対する嫌悪がない交ぜになった結果である。その結果3人が怪我をする。誰々かというのははっきり説明されてはいないように思うのだが、論理的に考えればトレバー、マーガレット、そして刑事のピーターの3人ではあろう。
警部の話によると、精神分析医の見立ては、フィリップの予知能力が(あまりの嫉妬か嫌悪か、なにかのきっかけにより)高まり、この銃による怪我の血痕を客車で見たのであろう、と。また、黒いベールを被った女性のそのベールは葬儀の象徴であり、それはフィリップを弔う予知でもあったよう。フィリップはこの事件、予知によって見た幻影を乗り越え、マーガレットの愛を信じ生きていくようになる。

2016年6月1日水曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Redhead]

第百三十八話

メモの日時;1983年10月7日(金)
タイトル: [Redhead]
Episode;1357

又も赤毛の女性が殺された。これで4人目である。この女性を乗せたバスの運転手であるハリーは彼女を殺したのは自分である、と警察に出向く。事件当夜、停留所を行き過ぎたときに彼女が降ろしてほしいという願いを断り、次の停留所で降ろしたため、これが原因で殺されたと話す。

ハリーは妻に責任を感じると悩み、彼女を降ろさなかったのは、今は亡き娘と同じ年頃であったことも事実だと妻に打ち明ける。彼は元ボクサーであったが、今は幸せな人生を送っていることに感謝し、この事件の罪滅ぼしに、未だボクシングで成功する夢から醒めず孤独な人生を送っている昔のボクシング仲間に金銭援助してはどうかとかと妻に勧められボクシングジムを訪れる。
ハリーは昔のボクシング仲間に、もういい加減にボクシングを諦め職に就くように勧めるが、彼女にも逃げられ未だチャンプの夢を見ているその男には通じない。

そうしたとき、ハリーは妻と、殺人事件に奇妙な一致点があることに気づく。それは、毎週金曜日に赤毛の女性が殺されている、また、4件の殺人現場がボクシングの試合のある場所と一致しているのである。そして、昔のボクシング仲間の男から逃げ、自動車事故で亡くなった女性が赤毛であったことから、その男を犯人と思い始める。

金曜日が訪れる。が、事件は起きなかった。しかしその週にはボクシングの試合はなかった。
その男の試合のある日、夫妻は会場に訪れ、試合に敗れた彼をロッカーで一瞬目を離した隙に彼が消え去る。ふたりで彼を探すと女性の叫び声。駆けつけ女性を救い、彼女を鎮める。彼は精神病院へと連れて行かれる。

2016年5月21日土曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Portrait of the Past]

第百三十七話

メモの日時;1983年10月6日(木)
タイトル: [Portrait of the Past]
Episode;1391


代々宝石商を営むジェイソン・ハリーのもとに婦人マリア・ベイカーが訪れ、ブローチの修理を依頼する。そのブローチを見たジェイソンはそのブローチの紋章を見て驚き、どこで手に入れたのか尋ねる。夫人は養父であるマグネル・ウィットモアのものであると告げる。マグネル・ウィットモアは既知の人物ではあった。
ジェイソンが驚いた理由は、50年前、叔父のサイモン・ハリーが20歳の時に描いた若い女性の肖像画にその紋章が書き込まれていたからであり、その女性は謎の死を遂げていたためである。
叔父の家を訪れ、事の次第を告げると、叔父は宝石職人の見習いをしながらも、画家を志していたのだが、この肖像画を最期に絵を描くことをやめた、と言った。ジェイソンは肖像画を凝視し赤い服を着た赤毛の美しい女性の姿、そしてブローチと同じ紋章を確認する。
修理を終えマグネル・ウイットモアの館にブローチを届ける。マグネル・ウイットモアも現れ、ジェイソンは尋ねに応じ叔父が宝石商のサイモン・ハリーであることを伝える。マグネル・ウイットモアもサイモンのことを知っていた。ジェイソンがこのブローチは若い女性がもっていたものでは、と尋ねるとマグネル・ウイットモアは突然怒り出す。他人の事情に詮索するのは不愉快と怒り、退去を求めるも、ジェイソンが帰り際、このブローチの紋章をシェリーという家系のものではとの言葉に、マグネル・ウイットモアは驚き、持病の心臓発作を引き起こす。
発作がおさまった後、失礼を謝るジェイソンに、マグネル・ウイットモアは、なぜシェリーという名を知り得たか訪ねる。ジェイソンは、彼女を見たと応える。とっくの昔に亡くなった女性を見ることなど、と応えるマグネル・ウイットモアに、肖像画で見たのだ、とジェイソン。
叔父の描いた肖像画に描かれた赤い服を着た赤毛の美しい女性を説明し、シェリーであることを確認。その肖像画を見ることを望むマグネル・ウイットモアに肖像画を持参すると話す。彼は50年もの長きに渡り彼女の悪夢に取りつかれており、薄れる彼女の姿を呼び覚ますためにも愛した女性の肖像画を見たいと告げる。
翌日ジェイソンは墓地を訪れシェリーの墓を探し、その名前がサラ・シェリー。1912生まれ1930年死亡。18歳で亡くなったことを確認。叔父の家に訪れ、サラ・シェリーのことを尋ねる。どうしてサラと言う名前までわかったのか訝るサイモンに墓地で確認したことを伝えると、サイモンは彼女とのことを話しはじめる。
サラ・シェリーは孤児として育ち、教師を勤めていた。当時宝石職人の見習いをしていた叔父のサイモン・ハリーは恋に落ち結婚も望み、特別な存在となるために、紋章をつくったのだと。そして肖像画は彼女に頼まれ彼女が亡くなった年の6月のはじめと最後の日に描き上げたと話す。
サイモンが求婚するも、生徒の許しを得なければ、などと冗談で返し取り合わない。貧しい宝石商の見習である叔父とのピクニックも退屈そう。そして話の中で友人の女性から素敵な男性を紹介されたと伝える。その男性はマグネル・ウィットモア。お金持ちの彼とドライブをしたことなどを嬉しそうに話す。サイモンは寄宿舎に帰宅した時間が遅かった、などと非難すると、スパイするなど不愉快と逆に非難される。お金持ちの恋敵に叔父は心穏やかならずであった。そして彼女は二人のどちらと結婚するか5月末には決めると話す。サイモンが彼女に会ったのはそれが最後であった。

ジェイソンは叔父に肖像画をマグネル・ウイットモアに見せることの許しを得て持参。感謝するマグネル・ウイットモア。そして肖像画を見ながら当時の事を話し始める。サラは6月にどちらと結婚するか決める、と。その相談に友人に列車に乗り相談に行く日のこと、マグネル・ウイットモアは車で送る予定であったが、列車の時間まで余裕があるのでドックの辺りを散歩。彼は誰かに後をつけられていることを彼女に伝える。
そして車に戻る途中、深くなった霧のために彼女を見失い、その後教会に向かい祈りを捧げた、と。生きた彼女を見たのはそれが最後であったと離す。マグネルはジェイソンに、後をつけていたのはジェイソンの叔父のサイモンであったと告げる。そのことは彼女には伝えていない、とも。

場面は変わってサイモンの家。謎の死を遂げたサラの容疑者としてマグネルが浮上したが、叔父はマグネルは事件に関わりないと話す。マグネルの後をつけた叔父は教会で祈るマグネルの姿を警察官である友人のトムと目撃。そのとき、パトロール中の警官がサリーの変死体を発見の報。溺死であった。
警官のトムはマグネルを拘束。その理由は、巡回中の警察官が霧の中でマグネルに出会い、そこで彼の名前がメモされ、またそのとき、彼は"I am in charge. I am cursed man"などと話し,海を指さし警官に浮かぶ死体を指し示したという事実があったためである。
容疑者として拘置された。しかしマグネスは容疑事実を否定。当日、車で送る予定であったが、列車の時間まで余裕があるのでドックの辺りを散歩していると霧が深くなり彼女を見失う。彼女を見失った後、教会で祈っていたと話す。そしてその姿は叔父と警官も目撃しており、教会で目撃したその時刻は巡回中の警官がマグネル・ウイットモアに職務質問した時と同時刻であった。
同じ時刻に別の場所に現れたマグネル・ウイットモア。どちらが本物のマグネルなのか?裁判でも結着はつくことがなかった。はっきりとした説明は聞き逃したのか、無罪となったのだろう。
その夜、叔父のサイモン・ハリーの夢にサリーがあらわれ、友人ジェーンと相談しサイモンと結婚することに決めたと告げる。一緒になるまで共に居る、と。そして叔父が亡くなるとともに肖像画も消え去った。
最後にブローチがどうして手に入ったか、との下りはよく聞き取れなかったのだが、叔父の手元にと言った印象を受けた。それならどうしてマグネル・ウィットモアの養女が持っていたのだろう。英語のできる方の謎解きをお願いしたい。

2016年5月16日月曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Mind Over Mind]

第百三十六話

メモの日時;1983年10月5日(水)
タイトル: [Mind Over Mind]
Episode;1356



銀行に勤めるある女性事務員が、突然現れた男がメモを示すと何も抵抗せず500ドルを手渡す。横の席の同僚ジェリーがそれを目撃し上司に報告。女性事務員はそんな記憶はないとし、ジェリーが嘘をついていると主張する。
捜査に精神医が呼び出され、彼女を面接。彼女は睡眠状態にあったと判断。事件が起きたときも同様の状態であったと推測する。そこに彼女の恋人が現れ、彼女に催眠術をかけたと告白。事件は、お金が欲しかったわけでもなく、常に彼女を支配していたかったための結果であった。

2016年5月14日土曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Adolph and Eva]

第百三十五話 

メモの日時;1983年10月4日(火)
タイトル: [Adolph and Eva]
Episode;1355

アドルフ・ヒットラーとその愛人であり、1日だけの妻であったエバ・ブラウンの最期を描いた物語。
時は1945年春 。4月29日。ロシア軍がすぐ近くまで進攻したベルリンの地下壕にヒットラーとエバ。目の前には7.65口径と少し小型の7.35口径銃そして毒薬。小型の銃はエバが父親からもらったもの。エバは戦火の中、ヒットラーの別荘にあるベルヒステガーデンよりヒットラーの秘書のマーティン・バウマンによって呼び戻された。敗戦が決定的なものとなり、ソ連軍や英国軍に囚われる前にヒットラー自殺を説得するためである。
自殺を逡巡するヒットラー。ソ連軍に囚われればモスクワ動物園で晒し者、アメリカ軍事に囚われれば戦争犯罪人として法廷に引き出される。砲火が近づく中、残された時間はない。
エバが戻ってきた時、ヒットラーは休息中。目覚めたヒットラーはエバを馴染みのペットネームで呼びかける。自殺を示唆するエバにドイツ軍の将軍を呼び出すように告げるが、その将軍達は逃走し連絡が取れない有様。将軍を反逆者と呼び激昂するも、イタリアや北アフリカに展開した300万のドイツ軍は既に崩壊していた。

エバの回想。二人が最初に出会ったのは1929年。エバが17歳のときハインリッヒホフマンの写真スタディオで働き始めたその日のこと。この写真館はナティス党指定の写真スタディオであった。家に戻りハインリヒホフマン写真館で働き始めたと話すと、家族(姉)はナティス党に関係深い場所であり、ヒットラーも訪れるスタジオで働くことに反対する。その写真館は無垢な女性を雇いヒットラーのご機嫌をとるような店である、と。しかしエバはヒットラーに既に会ったと告げる。そして家族の心配をよそにエバはヒットラーに惹かれたと告げる。ユダヤ人根絶を唱えるヒットラーと関係しないように家族は説得するがエバは聞く耳を持たない。
その後ヒットラーは度々写真館を訪れ、エバを食事に誘う。ベジタリアンのヒットラーは宴を整え、エバの好みのアメリカの映画の手配をする。こうしてミュンヘンの教師の娘に生まれ、3姉妹の真ん中の娘であるエバはヒットラーと一緒に住むようになる。

場面は変わり再びヒットラーとの会話。ヒットラーは先に死ぬと告げ、エバに銃の扱いは確実かと念押し。エバはヒットラーを巡るマルガなどの恋敵に悩み、一度拳銃自殺を図ったことを想い起す。
ヒットラーは世界制服が失敗に終わったことなどに激昂しながらも、次第に自殺への心の準備が整い、good byとの最期の別れを告げる段になるが、またも心変り。good by ではなく永久に共にある旅立ちであると言うだし、秘書のマーティン・バウマンを呼び宴の準備命じる。訝しむバウマンにこの宴はエバとの結婚式であると告げる。そしてエバに結婚の申し込み。エバが16年待ち続けていたその時がやってきた。
将軍や親衛隊、そして最大の恋敵であるマルガ、戦火のもと呼び出した立会人同席のもと結婚式が執り行われる。結婚指輪はマルガの申し出を断固断わり、ヒットラーの命により秘書が用意。それは、強制収容所で取り上げた宝石ではあった。

結婚式の翌日、二人の最期の日。ヒットラーはエバに銃での自殺を止めるように告げ、美しい姿を壊さないようにと服毒自殺を命じる。毒薬が効くかどうかが心配で愛犬に効き目を試す念の入れ方である。そんな時、秘書のバウマンが訪れ、同盟国イタリアのムッソリーニがイタリア民衆によってリンチに処せられたと伝える。
ついにその時が来た。エバは銃でヒットラーの頭を撃ち抜く。エバはソファーに横たわり、長き愛人、1日だけのつまり、そして今は未亡人といったことを想い起こしながら服毒自殺を遂げる。二人の遺体は敵に見つからないよう隠された。

2016年5月12日木曜日

CBS Radio Mystery Theater  [The School Mistress]

第百三十四話 

メモの日時;1983年10月3日(月)
タイトル: [The School Mistress]
Episode;1390

アントン・チェホフの短編を脚色した作品。とはいうものの、チェホフのThe School Mistressには殺人と言ったシーンはないように思うのだが、それはそれとして、このラジオドラマでは、殺された人物の身元確認に赴く女教師と橇(そり)の馭者の会話から始まる。
場所はモスクワを遠く離れた寒村。橇の馭者であるセミヨンは女教師マリアのもとを訪れ、警察に赴くため迎えにきたと告げる。目的は殺人事件の被害者の身元確認のため。被害者は顔が半分銃で潰されており身元がわからないが、どうもマリアが付き合っていたセルゲイ・ハノフのようである、と。セルゲイ・ハノフがこの村に住んでそれほど長くないので、マリアだけが頼りのようである。
被害者がセルゲイ・ハノフでないことを祈りながら警察に向かう道すがら、セルゲイは働くこともなくチェスなどを楽しむ無為の生活をしているとセミヨンはセルゲイにいい印象はもっていない。また、犯行はお金目的ではないとの警察の見解などを話すセミヨンに少し黙るようにとマリアは願い、セルゲイと最初に会った時のことを思い起こす。セルゲイはボランティアでおこなっている学校の試験審査官(examiner)としてマリアの前に現れ、彼女はその魅力に惹かれていたのである。

警察署に到着し心を落ち着けるため少し休息し、ついに身元確認。セルゲイ・ハノフが左耳につけていた黄金のイアリングが決め手となり被害者はセルゲイ・ハノフであると判明。失意のマリアは気を失う。気を失ったマリアは夢で、母親を肺炎で亡くしたこと、そして父との会話で勉強し教師となることなど昔のことを想い起す。
気を取り戻したマリアは署長室で休息。夢で見た両親のことなどをセミヨンに話す。セミヨンは警察署のある市庁舎に月に一度給料をもらうために学校から町までマリアを橇ではじめて送ってきたことなどを話すが、マリアはセルゲイには教師と試験官という立場でその前に会っていたことを告げる。署長室で休息をしながらセミヨンとともにセルゲイに会った日のことを回想する。
教師となって13年、何の変化もない単調な日々。月に一度市庁舎に来る道すがらの細々したあれこれなどもすべて覚えている。そんな時に現れたのが村で唯一の四頭立ての馬車に乗る地主階級の魅力的な男性セルゲイ・ハノフ。試験監督官としての彼に学校の粗野な使用人に対するクレームを2年も訴えているが何の進展もない、といった会話などをとおし、マリアは益々セルゲイ・ハノフに惹かれてゆく。
セミヨンは教育委員会の試験監督官といっても年に一度の仕事。後は無為に過ごすだけのセルゲイを認めず、対抗心からか、勇気を示すため無謀な道を進みマリアをずぶぬれにし怒らす始末。そんなことを想い起すも、回想から覚め、セルゲイが亡くなったという現実に前途を悲観する。
再びマリアの回想。踏み切りで立ち止まっているときにセルゲイからハンカチを渡させるなど紳士的な振る舞いに一層惹かれてゆく。また彼の女心を惑わすような、一度の過ち、すなわち彼には妻がいるのだが、病弱のため療養生活を送っているといったことを話し、その後二人の付合いがはじまる。そんなマリアを案じ、またセルゲイへの嫉妬もあり馭者のセミヨンはセルゲイ・ハノフの家に訪れ、モスクワに住む兄弟に調べてもらったセルゲイの既婚の事実などを伝え、マリアに近づかないようにを求める。セルゲイは既婚の事実はマリアも知っていることと反論。自分のことを調べるスパイ行為に激昂し、今後彼女に不都合なことを話したり、無断で訪れた時は銃で殺す、と伝える。
場面はマリアの誕生日。セルゲイは食事を準備し、食卓での会話でセミヨンが不都合なことをしていないかなどと尋ねる。マリアはセミヨンを自分のことを守ろうとしてくれているだけだと言うが、セルゲイはマリアを守るのは自分であると述べ、いつの日か結婚しようと口にする。そして二人の幸せのために、とのセルゲイの言葉に、マリアは三人の幸せ、と告げる。彼女はセルゲイの子供を宿していた。驚き、平静を装うセルゲイ。セルゲイはこの事実を誰も知らないことを確認する始末。彼はマリアと結婚するつもりなどなかったようである。
回想は終わり、事件は馭者のセミヨンの犯行、と。セルゲイの妻は既に亡くなっており、その事をマリアに知らせない彼の不実が犯行の主因のような会話が警察署長との会話から窺える。ひょっとしたらマリアにその事実を知らせ、彼女の気持ちを忖度した犯行のようにも思える。
セルゲイの子を宿したマリアは村を離れ、モスクワに。娘には父は勇敢な兵士として亡くなったと告げることになる、といった余韻を残し物語は終える。

2016年5月10日火曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Yearbook]

第百三十三話

メモの日時;1983年9月30日(金)
タイトル: [Yearbook]
Episode;1354


ひとりの婦人ローズがいつものとおり夜ジョギングしていると、怪しい車を見かける。男が死体のようなものを車のトランクに入れているように思い、警察に通報。警部が来るも証拠はみつからない。ただ。婦人はその男に見覚えがあった。
翌日警察を訪れた婦人は、その男が自分の高校時代の同窓生で、ハンサムでlady killerと呼ばれるほどの男であったことを、自分の卒業アルバムで確認したと知らせる。その男の名前を聞いた警察は、彼は金持ちの女性と結婚し成功し、有名人となっていると伝えるが、彼女は彼の高校時代の悪い印象から、何かあると確信する。警察は早速確認のため彼に電話するが、タイヤがパンクして困っていたのだと返事を寄越すだけであった。
婦人は何か手掛かりを探ろうと、自分の仕事である雑誌販売のセールスを利用して彼の妻のことを探るが、彼女はロスに出かけ、1ヶ月ほど戻らないと男は告げる。しかし、あまりに熱心に妻のことを尋ねる事に不審の念を抱いた男は、電話の主が夜道であった婦人であることに気づく。
ますます疑念を抱いた婦人は私立探偵を訪ね調査を依頼すると、偶然にもその私立探偵もその男の婦人から彼の素行調査を依頼されていたのだが、数日前から連絡がなくなっている、と。
ふたりはその男が婦人を殺したと確信し、二手に別れて調査をはじめ、ローズ婦人は、その男がテニスクラブで付き合っている女性を見つけ出す。私立探偵も婦人がホテルからいなくなっていることを見つけ出す。男の付き合っていた女性のところに調べにゆくと、ルームメイトは年配の男と付き合っていること、そしてその男の事をよく思っていないこと、さらに、数日前から姿が見えなくなったと話す。
こうして調べた事実から、ふたりが出した結論は、その男は婦人を殺し、どこかに隠し、女優志願であった男の愛人を身代わりにロスに行かせ、アリバイをつくり、そしてホテルから消えたのだと警察に訴える。
そのことを警察に話をしているとき、電話がかかり婦人が発見されたと知らされる。てっきり婦人の死体が見つかったと思ったのだが、婦人は元気だというロスからの電話であった。
確信が吹き飛んだ二人は落ち着いて、一時は昔の偏見から人を判断してはいけないかとも思うのだが、明白な事実の見逃しはないかと反省し、そこから見いだした結論は、彼が殺したのは婦人では泣く愛人である、ということであった。
再びルームメイトのもとを訪れ、何か手懸りになるものはないかと尋ねると、テニスクラブでの話とは異なり、彼女は会計士志望で、いつも計算機を持ち歩き、決まった時間になると“ピー”と音が鳴り、目覚ましがわりに使っていたということがわかる。
私立探偵はこの話を聴き、ローズ婦に愛人を隠している場所を突き止めると約束し、翌日ふたりで男のもとに訪れ、墓地で彼女を見つけたことを伝え、呼び出した警部に男を逮捕させる。
私立探偵が発見した理由は、ルームメイトから聞き出した、朝目覚ましの音がなる時刻に墓地に行き、音のする場所をつきとめた、と。男の完全犯罪の唯一の失敗は、彼女のポケットを空にしなかったことであった。

2016年3月6日日曜日

CBS Radio Mystery Theater  [The Sensible Thing]

第百三十二話

メモの日時;1983年9月29日(木)
タイトル: [ The Sensible Thing]
Episode;1387

60歳で妻を亡くして心寂しき主人公のカーティス・ヴィスビー。家を引き払いホテル暮らし。彼の秘書として22年勤め、未だ独身の秘書ヘレンに結婚を申し込むことが、共にさびしさを紛らす賢明な判断(sensible thing)として求婚。ヘレンもその申入れを受け入れ、親も亡くなり一人で住む彼女の家に移り住む。
家には17歳というから、人間の歳で119歳と言った愛犬ティクシーがいたのだが、1ヶ月ほどして、具合がわるくなる。医師のディーモンのもとに連れて行き、診断の結果当分の間病院にあずけることになる。そして6週間がたったある日、ディーモン医師より連絡が入り、治癒の見込みがなく、安楽死を勧められ、ヘレンはそれを受け入れる。
愛犬のティクシーが亡くなった後も、ヘレンはその事実を受け入れることができないようで、愛犬が生きている時と同じように食事時に餌を与える、といった行動をとる。そんな姿を見た主人公のカーティスは、ヘレンと結婚をする、といった自分の判断が賢明な判断(sensible thing)であったかどうか不安になるが、ディーモン医師のアドバイスもあり、努めて優しく接するように努力する。
そんなある日、ヘレンは誰かに向って独り言を呟く姿を目撃。その姿は、長年秘書として接してきた事務的で、感情を表すことのない彼女とは全くの別人。激しく感情を表し、若々しく瑞々しい姿にカーティスは当惑する。
ディーモン医師に相談すると、医師の婦人が彼女の若き頃を知っており、その話によると、ヘレンはスタンリーという青年と恋に陥るも、彼が英国に渡りその後音信不通となった、とのこと。
カーティスはヘレンにスタンリーとのことを話すように求める。最初は躊躇していたヘレンもついに重い口を開く。スタンリーが英国に渡った当初は行き来のあった手紙のやり取りも、彼の方から一方的に交信を絶たれた。その時以来、彼女は自己の尊厳、自己そのものの存在価値を否定されたと思い、「失う事」を怖れ、感情を表すことなく生きてきた、と。
そして、自分の可愛がっていた犬が亡くなった事で、再び大切なものを「失う事」になり、我慢していたことが抑え切れなくなり、感情が溢れ出すようになったというお話。

「大切な事」を失うことも受け入れることができるようになったヘレンは、愛犬を庭に埋めることも受け入れる。感情を露にできるようになったヘレンを見て、単に合理的判断(sensible thing)として始まった二人の結婚も、これではじめて本当の結婚が始まると感じることになる。


第百二十九話
The Great Catherine
メモの日時;1983年9月26日(月)
再放送

第百三十話
jewel theif con game
メモの日時;1983年9月27日(火)
台風情報のため中断。タイトルも不明。

第百三十一話
Formula G’s Protector
メモの日時;1983年9月28日(水)
再放送

2016年2月23日火曜日

CBS Radio Mystery Theater  [The Voice That Wouldn't Die]

第百二十八話

メモの日時;1983年9月23日(金)
タイトル: [ The Voice That Wouldn't Die]
Episode;1387


軍隊を退役となりインドより戻ったヘンリー・モーティマとその娘ロリーナ。馬の世話をする従卒と共に亡き妻と一夏を過ごしたスコットランドのエジンバラの近くに館に居を構える。ある嵐の日、乗馬にでかけた娘が血の気を失った姿で館に戻る。嵐を避け近道をし、廃墟となった館の辺を駆けたとき、不気味な声を聞いたと訴える。父は幻聴として信用しない。医師も荒馬によるショックかインドから帰った直後故の症状であろうとの見立て。
部屋で休むロリーナ。悪夢にうなされる声。それを聞いた父親に、ロリーナは、何と言ったか尋ねると、 ”Mother, let me in”と聞こえたと父親の返事。ロリーナは母が同様な声を聞いた後、高熱にうなされ亡くなったため、母親が自分を求め、母親が亡くなったように自分も同様の運命を辿ると思い込む。

彼女の馬も何かを感じているようで、気が立っている。当初は娘の訴えに耳を傾けなかった父のヘンリー・モーティマも、実際に自分でその声の正体を確認すべしと従者のジャイビスと共にその廃屋に赴く。恐々と廃墟に入る二人。そこではっきりと"Mother, let me in"との声をきく。
実際にその声を聞くに及び娘の言葉を信じるようになる父。しかし、医師は全く信用しない。病状が悪化するロリーナ。父親は医師を廃墟に連れて行き、医師もその声を聞くにおよび、この不可思議な現象を鎮めてもらうべく、キリスト教の聖職者を招き廃墟に向かう。
聖職者は廃墟でその声を聞くなり、"ウィリー"と名前を唱え、彷徨う魂を鎮めるべく祈りを捧げる。実は、この声の主ウィリーとは、廃墟となっている家の家政婦の子供であった。一家が外出したとき、母親が家の中で亡くなり、完全に閉じられた館の中に入ることができず、この子供はドアの前でなくなった、と。そしてその子の最後を看取ったのもこの聖職者であった。
聖職者により永遠の安らぎを与えられたウイリー。不気味な声は、彼女の魂ではなく、廃墟の館に向けられたものであった。その声が消えるとともに、ロリーナの病気も回復したのである。

2016年2月21日日曜日

CBS Radio Mystery Theater  [His Fourth Wife]


第百二十七話

メモの日時;1983年9月22日(木)
タイトル: [ His Fourth Wife]

Episode;1314


英国チューダー王朝ヘンリー8世とその四人目の女王アン・オブ・クレーブスの話。
話は宮廷肖像画家のホルバインの回想という形式で物語ははじまる。ホルバインはタイトルにある4人目の女王アン・オブ・クレーブスの肖像画を描いた画家である。
(3人目の女王ジェーン・シーモア)を亡くし、新しい妻を、とヘンリー8世の股肱の臣トーマス・クロムウェルに迫るヘンリー8世。女王には誰でもいい、というわけにはいかないと、言を左右にこの話から逃れるようとするクロムウェルに対し、明日迄に候補者を挙げるべし、とヘンリー8世は命じる。
翌日クロムウェルが提示した候補者はドイツ神聖ローマ帝国クレーブス伯爵の娘アン・オブ・クレーブス。クロムウェルは対フランスへの対抗勢力としてドイツとの関係強化を強調するが、王は気に入らない。24歳にもなって婚姻をしていないのは、見目麗しくない故のことであると反論。逆に王からの提案はデンマーク王国のクリスティーナ王女。16歳の美しい王女ではあるが、デンマークとのアライアンスは(気に入らない女王との離婚を認めないローマ法皇と決別し、英国国教会をつくり、欧州大陸諸国から孤立している)英国に大きなメリットはないと反論。話が膠着。
そこで、壁にかかった3人目の妻であるジェーン・シーモアの肖像画を見て想いに耽るヘンリー8世はある提案を思いつく。二人の妃候補者の肖像画を見て判断しようと。そこでお呼びがかかったのが宮廷肖像画家であるホルバイン。クロムウェルからはアンを実物以上に美しく描けば大金を褒美に渡すとの提案も、画家として見た姿を描くとその提案を断り肖像画を描きに旅立つ。
最初はデンマーク王国のクリスティーナ王女。驚くほどの美しさ。しかし姫は自分の3倍も年上の男と結婚する気はなく、愛する人と結婚すると話す。そして候補者がアン・オブ・クレーブスであると聞くに及び、愚鈍なアンとの比較をされることにも怒りを覚える。その結果、肖像画を描きはじめるとともに次第に生気がなくなり、出来上がった肖像画は王女の心の奥の拒否感を表現するものとなっていた。王女の伯父は英国とのアライアンス強化のために、より美しい仕上がりを願うも、クリスティーナ王女はアンを実物より美しく描いて欲しいという始末。
次にアン・オブ・クレーブスのもとに。そこにはアライアンス強化を画策するトーマス・クロムウェルの姿もあった。アンが登場。愚鈍な王女との印象。しかし、肖像画を描きはじめ、アンが自分の感情を率直に話すに及び彼女に対する印象が大きく変化する。王家でも邪魔者扱い、政略の道具として見られていなかった自分は、この機会によって英国の女王となれるのだ、と。その激昂し生気漲る彼女の内面をホルバインは描き出す。
そして肖像画公開の日。気もそぞろなヘンリーが同時に覆いを外し、王妃に選んだのは、アン・オブ・クレーブスであった。しばらくして、待ち望んだアンがヘンリー8世の前に登場。しかしそこに現れたアンは元の愚鈍な姿。ヘンリー8世もアン本人がわからないほど。感情のほとばしる肖像画とはまるで違うアンを見て、儀礼的挨拶もそこそこに、ヘンリー8世はアンの元から立去る。去り際にヘンリー8世はトーマス・クロムウェルに後から話があると告げものがたりは終わる。
後日談:アンは(半年も経たず)離婚。トーマス・クロムウェルもヘンリーから嫌われ(後日処刑)。ホルバインはトーマス・クロムウェルから、お褒めの言葉をうけるも、手心を加えたもちはなく、画家の目に見えた姿を描いただけと断言。その後ヘンリー8世の5人目の妻であるキャサリン・ハワードの肖像画を描く(宮廷画家を剥奪された、とも)。そのキャサリンにも過酷な運命が待っていた。

2016年2月20日土曜日

CBS Radio Mystery Theater  [The Hand of Amnesia]

第百二十六話

メモの日時;1983年9月21日(水)
タイトル: [The Hand of Amnesia]音声は左の英語タイトルをクリック
Episode;1350

年上の金持ちの女性と結婚した男フォスター、夜に荒地を歩きながら彼女から離婚の話を切り出される。妻は私立探偵を雇い、彼のデンバーの愛人を突きとめたのである。
それから4ヶ月後、彼女の姉とその夫がフォスターを訪れていた。あの夜以来、姉が行方不明となっているのを不審に思い、警察官であった夫と調べにきたわけである。フォスターは、彼女は記憶喪失にかかり戻れないのだと言い張るが、財産目当てに結婚したと思っている姉はフォスターの話を信用しない。昔のよしみで警察に出向き調べるも、決定的な証拠はなく、只デンバーの愛人の事を知ることになる。
フォスターが愛人にに宛てた手紙などから彼女が動機で犯行を犯したと思い、行方不明となった夜に歩いたという荒地を調べようとする。荒地は大変危険で、一寸したことで石が崩れるようなところ。ロープを使い下り始めると大きな土砂崩れが起き、とても下りることはできないと分かり、そんな荒地に殺して埋めることなどできないと、疑った事を彼に謝る。
その夜、久しぶりにくつろいで夕食をとっているとき、その日に撮った写真に、どうも人の手のようなものが写っていると姉が言い出す。フォスターはその言葉に非常に怒り、一刻も早く家を出て行くように要求する。フォスターも以前、夢に妻が崖下に落ち、岩に埋もれている姿を見たりしていたので、気になり明朝警察が来るまでに確かめようと荒地に向かう。
翌朝、警察が姉夫婦のもとに現れ、フォスターが荒地で亡くなっていたことを告げる。彼らはこれでフォスターが真犯人と確信し警察も協力を感謝し帰ってゆく。
翌日、彼女が大変な間違いを起こしたと夫に伝える。写真に写った人間の手だと思ったのは木であったと言い出す。そのとき、入口に物音がするので出てゆくと、そこに現れたのは亡くなったはずのジュディであった。彼女は大丈夫と言うにだが、話からすると、彼女が覚えているのはフォスターと再婚する前の夫が亡くなった時のことだけであり、それ以降の記憶はすべて消え去っていた。可哀想なフォスター。

2016年2月10日水曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Code Word, Caprice]

第百二十四話

メモの日時;1983年9月19日(月)
タイトル: [ Code Word, Caprice]
Episode;1348

大型長距離トラックのドライバーであるトム・テリーのもとに電話。"逮捕に抵抗しないように。そうすれば5000ドル渡す"と告げて電話が切れる。何のことかわからず当惑するトムは会社のボスの秘書であるダル・イベットの家を訪問。
(何故彼女の家をおとずれたのか、二人の関係はなど、よくわからないのだが)トムは初めて彼女の家を訪れたようで、その豪華な住まいに驚く様子。彼女はボスであるトム・クラークによくしてもらっている、と取り繕う。(それはそれとして、)トムは彼女に不思議な電話のことを告げる。そして電話の事をボスに伝えて欲しいと伝言し 、シカゴ往復の仕事に向かう。
16輪の大型トラックを進めていると、突然パトカーに停止を命ぜられ、そのまま拘束され、トラックは荷物ごとハイジャックされる。オフィスでこのニュースを聞いたボスのトム・クラークとそのアシスタントのアラン・ハーパー。大型トラックハイジャックはこれで2度目。最初にハイジャックされたドライバーのマークは怪我をして入院中。ドライバーは無事と聞いたボスのトム・クラークはドライバーのトム・テリーに疑いを抱く。
オフィスに戻ったトムは電話の事、そしてその電話の主が英語圏ではない話し方をする人物であることなどを説明し、嫌疑を晴らしていく。また、抵抗しないで手に入れた5000ドルをボスに戻す。依頼したにもかかわらず、ボスの秘書は電話の事を伝えていなかった。ボスもアランも、そして担当のモラン警部もトムの無実を信じるが、大型トラックの配車状況を把握しているハイジャッカーには会社内に情報提供者がいるとの結論を出す。
ここからは情報提供者の洗い出しのプロット。アラン・ハーパーがとモラン警部が中心となって事を進める。プロットは、アラン・ハーパーはフロリダのパームビーチの休暇に行く、ということにして、その実はシカゴに向けて大型トラックを運転。車には位置を示す装置をつけて警察がそのシグナルを追っかけ、ハイジャックされたトラックの場所を特定しよう、というもの。
ボスは秘書のダル・イベットにパームビーチへの飛行機の手配を指示。しかし、トムの口から、実際はトラックに乗ってシカゴ、そしてニューヨークに向かう、といったニュアンスの発言をさす。アランはトムに依頼された電話のことを伝えず、彼に疑いをいだかせるような行動をとったボスの秘書を内部通報者と感じ取っていたようである。
彼女はハイジャック仲間に連絡。外国語訛りの男トーコは彼女の通報に従い首尾を整えハイジャック。事は計画通りすすむが、ボスの秘書には偽の情報を流す。彼女はトーコに連絡。その通話はすべて警察によってモニターされており、ボストンとトムが彼女のもとに向かい一件落着。
一方、モラン警部とアランはハイジャックされた大型トラックが積み込まれている船にむかう。船長に証拠は挙がっていると伝え、乗船しているトーコのいる船室に案内させる。そこで逃げられないとナイフで抵抗するトーコに刑事が腕に銃弾、船長にはアランが頭を殴り二人を捕らえ、一件落着。
ハイジャックしたトラックとその荷はカリブ海の国に売り飛ばそうとしていたわけである。
(と、ここで終わりたいのだけど、最後の最後が聞き取れず、論理的には間尺に合わない話ではあるが、アランがすべて黒幕であるようなトーンも感じる。荷物の内容売るには価値ありそうなものだが、今ひとつ聞き取れなかった。)


注;メモの日時;1983年9月16日(金)放送の第百二十三話、Bottom of the Worldは再放送のため省略。

2016年2月9日火曜日

CBS Radio Mystery Theater  [My Fair Lady-Killer]

第百二十二話

メモの日時;1983年9月15日(木)
タイトル: [ My Fair Lady-Killer]
Episode;0592

女性のもとに男性からの電話。女性はアニータ・ロレンソン、男性はテレンス・フェルマー。二人は不倫関係にあり、アニータはテレンスに妻と別れて自分と結婚することを迫る。そのとき、アニータに訪問者。電話を離れ応対に出るが、何か事件が起きた気配。
それから4,5日後 、テレンス・フェルマーのもとにリスター刑事が訪れ、アニータ・ロレンソンが32口径の銃で殺害された事件の事情聴取。最初は二人の関係についてしらをきるも、アニータが妹に宛てた手紙にテレンス・フェルマーとの関係が書かれており、モーテルでの諍いの裏を取っており、二人の関係を認める。
事情聴取の後、リスター刑事と刑事部長との会話。リスター刑事はテレンスの犯行と主張。アニータがテレンスの妻に、二人の関係を告げることを防ごうと彼女を殺したのだ、と。リスター刑事はテレンス・フェルマーのような男に嫌悪を抱いているようであり、刑事部長はそんなリスター刑事に冷静になるようにと話す。
そんなとき、第二の殺人事件。被害者はサラ・ジーン・トンプキンス。今回も同じ32口径の銃による殺人。リスター刑事は彼女の元の夫の母親に事情聴取。息子とサラは離婚をし、母親としてはそれを喜んではいたのだが、息子のたっての願いで、嫌々復縁を認めたとのこと。母親は男好きのするサラのことをよく思っていないようである。その事情聴取の中で、彼女が客を迎えに行き事件が起きたとき、サイレンサー付きの銃の発射音を聞いたと話す。リスター刑事は未だテレンスを容疑者と思っている。
その事情聴取の最中に刑事部長からの電話。第三の殺人事件が起こった、と。被害者はマリリン・ウオーター。離婚歴のある魅力的な女性で、同じく32口径の銃で殺害されていた。
3人の被害者の共通点は、魅力的で男好きする女性であること。刑事部長とリスター刑事は精神分析医に犯人のプロファイリングを依頼。中年の男性で、シャイな性格、そして未婚などとのご託宣。刑事部長とリスター刑事は被害者の共通点を検討。魅力的な容姿の他、犯行現場は共に玄関であり、出迎え時に殺害されていることから、荷物などの配達人を容疑者として調査。17台の配達のトラックを絞り込み、これから捜査、というときにマリリンの別れた夫からの電話。アルビン・プライスという庭師とマリリンのことを伝える。
場面はアルビン・プライスの家。夫人のフェリシアは出かけようとするアルビンに家で共に過ごしたいと願う。それでも出かけようとするアルビンに妻のフェリシアはアルビンが3名を殺害したこと、また彼が3人の女性と関係をもったことも知っていると告げる。
一方警察署では刑事部長とリスター警部はアルビンの容姿、バックグランドが精神分析医と全く異なるため少々困惑。しかし、当たって砕けろとばかり、アルビンの家に向かう。
ふたりの警察官がアルビン宅に到着。アルビンを女婿連続殺人事件の容疑者と告げるが、アルビンは当惑。疑惑を晴らすため、家宅捜索をしてほしいと自分から申し出る。その結果、地下室から32口径の銃を発見。アルビン・プライスは逮捕されるが、本人は意外な展開に驚くのみ。
アルビンは裁判を受け入獄。面会に来たフェリシアが彼に告げた真実とは;殺人犯はフェリシア夫人。男前のアルビンが見た目の良くない自分と結婚したのはお金目的。殺人は女性と関係をもつアルビンに対する復讐であった。これからはアルビンは他の女性ではなく、自分だけのもの、と告げて去る。

2016年2月8日月曜日

CBS Radio Mystery Theater  [If Mischief Follow]

第百二十一話

メモの日時;1983年9月14日(水)
タイトル: [ A Question of Identity]
Episode;0551

結婚を2週間後に控えた女医マリアン・グレッグのもとに、5年前に自動車事故で亡くなったはずの夫が突然現れる。彼の話によれば、金に困り借金取りに追われていたので、同乗していた友人を身代わりにして逃亡をはかり、彼女の父親にも相談し実行したのだが、その父親も亡くなり、一人息子のスティビーにも会いたいし、また自分が重傷で歩く事もできず、面倒をみてくれる人が必要ということで戻ってきた、と言う。
マリアンは翌日再婚予定の医師ブライアン・ダグラスに会い、結婚ができなくなったと話していると、元夫から電話があり痛みが激しく救急車で病院に運び込まれた、とのこと。マリアンは彼に手術が必要で、それも結婚相手のブライアンが最適と説得するのだが、彼は信用せず、承諾のサインを拒む。そして、母親に助けを求める電話をする始末。
マリアンは母親に彼の事を知らせなかったことを詫びながらも、彼に手術の説得をしてほしいと頼む。母親グランは息子のスティビーにはどうなるかもわからないので知らせる必要はないことは同意する。
突然、元夫の容態が急変したとの知らせ。手術の承諾のサインは妻であるマリアンからもらったことにして、手術が始まる。執刀医は結婚相手のダグラス。同僚は事情を知っているだけに、リスクを避けるように忠告するがブライアンは首尾よく手術をやり遂げる。そして、この手術はテレビを通して放送され、記者のひとりがこの間の事情を知り、美談として放送される。
ここで一見落着、マリアンとダグラスの恋は終わったかに見えたのだが、放送で知った昔の借金取りから借金の催促がはじまる。1週間以内に金を返さなければ、治った足を失うことになると脅される。元夫は車で逃亡を計るが、自動車事故に遭い、今回は本当に命を失う事になる。

2016年2月5日金曜日

CBS Radio Mystery Theater  [A Question of Identity]

第百二十話

メモの日時;1983年9月13日(火)
タイトル: [ A Question of Identity]
Episode;0551

婦人が出勤途中何者かに誘拐され、つれて行かれた場所で男が、政府の秘密情報期機関の者で、安全を図るためこのような方法で来てもらったと説明する。そして彼女に別れた夫の確認を依頼する。
元主人は自動車事故で顔に大怪我をし、整形手術をしているので確認はできないと言うが、男は二人だけの記憶にある思い出をたよりに確認してほしい、と。

彼女が元の夫を恨んでいることは裁判の記録等から情報機関も知っており、彼に会いたくないという彼女に、国家の安全に関わる事であるからと依頼する。
秘密機関の男の説明によると、彼女の夫は長年ホテルにセールスマンである仕事を利用して、機関の情報の運び屋をしている、と。今年も欧州に行き、情報を受け取り運んでくることになっているのだが、手紙が3カ所、そして3人の男から来たので、それが本物か分からない。夫のファイルや指紋も何者かにより持ち去られてしまっているのである。
情報機関の指示により第一の男が指定した空港で待っているのだが、誰も現れず、代わりにウエイターからメモを渡され、そこには「一体何をしているのだ」といった意味のことが書かれていた。機関の指示により待っていると男が現れ情報を受け取る。彼女は、その男は主人と似ているし、昔のこともよく知っているが断定できないとし、二番目の男を待つ。
機関の指示により動物園で会った男、彼も同じく昔の事をよく知っている。そして不審な男に爆弾を仕掛けられ、危うく危機を脱することになるのだが、その男を元の夫と断定しない。事件を彼女に信用されるための企みと思い第三の男を待つ。
次に現れた男、前のふたりほど似てはいない。彼女の反対にも関わらず主人が許したばかりに、自動車事故で亡くなった息子のことに話が及び、彼女が泣き出すと、彼は自分は元夫ではないと白状する。彼は昔話題になった本を書いた小説家であったが、行き詰まりフランスで英語を教えていたところ、身代わりになる話が出て、金や小説のネタになると引き受けた、とのことであった。
彼女が帰宅すると、突然最初に会った男が現れ、自分が元主人であると機関に報告しろと迫る。彼女が断定できないと言い張ると、彼は「憎い男。死んでしまえ」と呟く。その言葉は彼が事故を起こし病院に入院したときに彼女が彼に言ったセリフであった。彼女が訪れたとき、彼に意識はないと思い、彼には聞こえないと思って呟いたもので、彼しか知らないセリフなのであった。
最初に会ったとき、それを言わなかったのは、彼女に憎まれている事を知っている彼は、彼女が意図的に嘘をつき、機関に彼を殺させることを怖れたからと告げる
彼は彼女に5万ドル渡すから機関に本当のことを言ってくれと依頼する。そして彼が言ったのは、自分は他の国の情報機関の為に働いており、偽の情報を渡すために本当らしく見せようと他のふたりを使ったとのこと。彼は逆スパイであった。
彼は彼女に5万ドルを渡して去る。彼女は情報機関に連絡とり、どの男かは断定することなく、情報は嘘の情報であり、彼から告げられたことをすべて話し、彼への復讐を遂げるのである。

2016年2月4日木曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Happy Death Day]

第百十九話

メモの日時;1983年9月12日(月)
タイトル: [Happy Death Day]
Episode;0589

財産を相続した妹を、その主人と姉が殺そうと計画する話。
主人公の女性、夢で誕生日にビルから飛び降り自殺を計る夢を見る。これは主人が催眠術をかけて暗示を与え、完全犯罪を狙ったものである。彼と主人公の女性の姉は昔からの恋仲であったが、財産目当てで妹と結婚したのである。
ほとんど成功するかに見えたのだが、彼女が相談に行った精神分析医が、彼女の夫の催眠術に不審を抱き、その催眠術が最後の最後で解け、悪魔の正体、彼女を追っかけ、死に至らしめようとするものの正体を見れるように努力する。
そして、誕生日に、彼女が屋上に上がり、飛び降りようとする時に醒めて、前にいた男、彼女の夫を逆に突き落とす。Happy Birth DayならぬHappy Deth Dayとのタイトルの所以である。

2016年2月3日水曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Look Backward Sometimes]

第百十八話

メモの日時;1983年9月9日(金)
タイトル: [ Look Backward Sometimes」

Episode;0616


人気テニスプレーヤーの妻スーザン・タルボットと人気歌手の夫。夫はスーザンにテニスを止めて家事に勤しみ、はやく子供をもとうと希望するも、彼女はテニスでチャンピオンを目指すとローマでの試合に赴く。
パリで飛行機を乗り換えてローマに向かう。隣には飛行機の旅に慣れない婦人ロージー。婦人は第二次世界大戦のイタリア戦線で戦死し、集団墓地に木の十字架で祀られる夫の弔いの旅の途中。亡き夫を石碑で祀りたいと考えている。
飛行機はVIPの到着を待って離陸。ファーストクラスのキャビンにはスーザン、ロージー夫人、新婚さんらしき英国人のカップル、そして美男の青年ペペの6名。しかし、アルプス上空でトラブルに見舞われアルプス山中に墜落というか緊急着陸。機体は大破したがファーストクラスのキャビンは運よく機体から切り離されたため、ファーストクラスに搭乗した6名はニュースで報道された被害者リストには載っていなかった。
そしてその6名。実際は英国人の新婚カップルの新妻は事故で亡くなり、夫も意識不明の状態。青年も怪我をしており、無事であったのはVIPのミランとスーザン、そしてロージー夫人の5名。
捜索の飛行機も彼らを見つけることができず焦るVIP。元気なのは自分とスーザン、そしてロージー夫人であるが、歳をとったロージー夫人やその他の怪我人を見捨てて二人で麓に下りていこうとスーザンにもちかけるが、スーザンはきっぱり断る。
意識を回復した英国人の夫ピーター。うわ言で“スーザン”と呼びかける。彼の妻の名前は主人公のスーザンと同じ名前であった。妻の亡くなったことは伝えず、スーザンは彼の妻のように振る舞いピーターを看護する。
そして美男の学生ぺぺ。ジェノバで学ぶ学生のペペは、実はVIPのミランを暗殺する役目を負っていた。銃でミランを殺害しようとするも、腕の怪我のため断念せざるを得ない。
そして5名は無事救助される。英国人のピーターは看護のお礼を述べ、別れ際にスーザンに名前を聞くが、スーザンはそれに応えることなく去る。亡くなった彼の妻の名前を思い出させないための配慮であろう。
スーザンは夫と再会。夫はスーザンの好きなことをさせようとするが、スーザンはテニスを離れ家庭に専念すると告げる。常に前に進むだけでなく、過ぎ去った過去を振り返る大切さをロージー夫人に、夫婦の愛情を英国人のピータから学んだようである。そしえ病院での手当の過程でわかった赤ん坊を授かったことを夫に伝える。
家庭に戻り、子供を産んだスーザン。しかし、数年後にはテニスにも復帰。チャンピオンにもなり、さらには“Sports Woman of the Year”にも選ばれることになる。

2016年2月1日月曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Woman in red]

第百十七話

メモの日時;1983年9月8日(木)
タイトル: [ Woman in red]
Episode;0588


バーニーの酒場で、ある男がバーニーに腕のいい泥棒を斡旋して貰う。現れたのはエメット・ポースランド。男は彼に市の美術館にある、"woman in red "を盗んで欲しいと依頼する。
場面は警察。この絵画盗難を捜査している警部のもとに女性が現れ事件解決の手懸りを知っていると申し出る。彼女はこの度、この部署に転任してきた婦人警官であった。彼女が興味をもっているカメラの勉強会が、たまたま美術館であったのだが、そこに偶然エメットが写っていたのである。
早速彼の部屋に直行。そこで見たものはエメットの死体。エメットのガールフレンドから、エメットがルーニーに仕事を斡旋されていたことを聞きルーニーのもとへ。しかし、そこでもルーニーが殺されていた。
手掛かりを失っているところに、とある女医が現れ、患者のひとりがある家で偶然その絵を見かけた、と申し出る。その患者は治る見込みがなく、彼のもつ全ての美術館品と共に死んでゆく様子である、と。
ここでまたも事件が。大工が殺される。その大工の妻の話によれば、なんでも墓みたいな部屋を建て、金を受け取りに行って殺されたのだと。
建築依頼者の家に急行。しかし、そこは全て空になっていた。この依頼者は古代エジプトの王の如く、死後美術品に護られていたいと思っているのだ。
又も手掛かりをなくしたのだが、この婦人警官がテレビに出演し、自分がwoman in redのモデル出あるので絵を返して欲しいと訴える。これを知った建築依頼者は彼女にコンタクトし、部屋に連れて行き、永遠の世界にともに旅立とうとするが、彼女は危うく難をのがれる。

2016年1月31日日曜日

CBS Radio Mystery Theater  [The Mark of Cain]

第百十六話

メモの日時;1983年9月7日(水)
タイトル: [ The Mark of Cain]音声は左の英語タイトルをクリック
Episode;0572


旧約聖書の『創世記』の第4章に登場する兄弟ケーンとアベルのエピソードをベースにつくられたガンマンの話。WIKIPEDIAによれば、聖書ではカインとアベルは、アダムとイヴがエデンの園を追われた(失楽園)後に生まれた兄弟であり、カインは長じて農耕を行い、アベルは羊を放牧するようになった。カインは収穫物を、アベルは肥えた羊の初子を捧げたが、ヤハウェ(全能の神)はアベルの供物に目を留めカインの供物は無視した。嫉妬にかられたカインはアベルを誘い殺害する。神はカインに対し、彼を殺す者には七倍の復讐があることを伝え、殺させないよう刻印をしたという。これが「カインの印:The Mark of Cain」である。

この物語の舞台は大西部時代。孤独なガンマンのケインタック。姓も名もなく、ケンタッキー生まれということでつけた名である。今日も酒場で銃の決闘に応じ、噂に違わず相手を倒す。これを見ていたクレイトン家の父と娘。父親はコロラドの牧場主であるが、東部からの移住者や牧羊主との土地の境界争いのため、ガンマンとして働いてくれるよう依頼する。ケインタックからはっきりした答えを得られないまま分かれる。

蒸気船(?)で帰路につく親子。そこに思いがけなくケインタックが現れ、依頼を受け入れ、共に列車に乗り継ぎコロラドの牧場に。家の前は一面の大平原。しかしその大草原には移住者や牧羊主との土地の境界争いの地でもある。そしてその牧羊主パターソンとは昔は仲がよく、互いの娘と息子を結婚させる約束もあったほどだが、牧場主にとっては牛の飼料である草を食べ尽くす羊は天敵であり、未だ土地争いの決着はついていない。
牧場主の娘セレン。父親の想いとは異なり、東部での教育の甲斐もなく生粋の西部の娘と広言する。そこに現れたのが牧羊主パターソンの息子であるイーナク。金で雇われたガンマンを見下すが、そんなイーナックにセレンはフェアな決闘に相対すガンマンは尊敬すべきであると反論する。
場面は牧羊主の家。パターソン氏とその夫人がクレイトン家との諍いについての話に、クレイトン家が雇ったガンマンがケインタックであるといった瞬間に驚く婦人。その殺人者を自分の目で確かめると家を出る。
丁度その頃、馬の面倒をみていたケインタックのもとにセレンが現れ、乗馬に誘う。忠告も聞かず勢いよく走りだしたセレンは落馬。セレンを介抱するとき、それまでミス・クレイトンと呼んでいたのが思わずセレンと呼ぶ。それをきっかけにセレンは初めて会った時から恋焦がれていたと告白する。躊躇するケインタックにセレンは強引にキス。ケインタックもそれに応える。
しかし、それでも恋に躊躇するケイタックに何から逃れようとするのかと問い詰める。それに対しケインタックは自分のことを打ち明けはじめる:ケンタッキーでアダムとイブという両親のもとに生まれ、羊の世話に真面目に打ち込む兄のアベルとの比較に絶えられず、またセーラという女性をめぐって決闘となり兄を撃ち殺してしまう。その時に「神の声」。聖書の言葉とともに、ケインであることを明示すべくまぶたに傷を受ける。「神の声」によれば、その傷は誰からも報復を受けることのないように付けられたもの、と。そして、それ以来家を離れ、ケインタックという名でガンマンとして生きてきたとセレンに話す。
その時現れたのがイーナック。二人を付けてきた、と。そして決闘を申し込む。その時馬車で駆け付けたのがイーナックの母親。その顔を見てケインタックは驚愕。それは昔兄のアベルと決闘のもとともなったセーラであった。セーラはパターソンの妻となっていたのだ。
しかし、決闘に心をはやる息子イーナック、そしてそれを受けて立つケインタックに告げたのは、イーナックはケインタックの恋の結果生まれた子供であるということ。そのことはパターソン夫婦ふたりの秘密として息子には話をしていなかった。驚くケイタック。しかしイーナックは事ここに至って決闘は避けられないと引き金を引く。倒れたのはケインタック。彼はわが子に引き金を引くことなく倒れる。その姿をみたセーラは、これでやっとケインタックは安住の地を得たのだ、と。

2016年1月30日土曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Killer's appointment]

第百十五話

メモの日時;1983年9月6日(火)
タイトル: [ Killer's appointment]
Episode;0537

夢見る娘リディア、19歳。母親の心配もよそに、ハーバート・ラーセンとの幸せを祈る。結婚式を明日に控えたある日、保安官からの電話。ハーバートが会社の金を強盗し警備員を殺し逮捕された、と。彼の無実を信じるリディに彼は罪を認める。
彼の愛、彼との結婚だけが夢のリディアは、身代わりを申し出、事の次第を彼に聞き、金を持って自首する。獄に入った彼女はハーバートとの面会だけを楽しみにしているのだが、彼は次第に面会に来なくなり、手紙も届かなくなったある日、面会に来た母親から、ハーバートが金持ちのむすめと結婚したことを告げられる。
幸せに暮らす彼を恨み、看守を騙し脱獄。あと一歩で彼を殺せるところで保安官に止められ、再び獄に入る。
前の罪に脱獄、殺人未遂が加わり22年間、人生の一番いい時期を獄に閉じ込められ、 40前まで獄に。獄で看守にハーバートに関する記事を読んでもらい、素晴らしく成功した人生を送っている彼を彼女も喜ぶ。そして、彼の最も幸せなとき、彼を殺して全てを失わせるのが彼女の唯一の支えとなる。
やっと刑期を終え、彼の会社に電話し居所を聞き、酒場に出かけそこで見つけた彼の姿は40代とは思えない、やつれ果てた男になっていた。
酒場のバーテンは保安官の息子であり、彼女の事を良く知っていた。彼が言うには、ハーバートはこの29年間酒浸りの日々であった、と。
リディアはハーバートに話しかけるが、はじめは誰かもわからず、昔、愛した女性と良く似ている、と言う。リディアは自分であると告げ、彼を殺しに来たと告げる。ハーバートは怖れることもなく、「妻に愛されず自分はこの20年間、苦しみ続けたといい」、この苦しみから逃れることが出来るのだから、殺してくれ、と言う。
「私を愛しているのなら、殺してくれ」と言うハーバートに、リディアは分別を取り戻し「殺さない。生きて苦しめばいい」と告げる。最も苦しいことは、殺すことではなく、生き続けさせることである、と。彼女は悪夢から醒め、19歳の時の自分に戻り、自分の前に開けた人生を暮らしていこうと決心する。

2016年1月28日木曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Your Move, Mr. Ellers]

第百十四話

メモの日時;1983年9月5日(月)
タイトル: [ Your Move, Mr. Ellers]
Episode;0574


登場人物は保険会社の調査員ティム・ウィーランド、宝石店の古参従業員エドワード・エリス、従業員のジェフ・パワーズ、そして表の顔は貿易商であるが、その裏の顔は盗難宝石の買受人(fence)であるウェルミントンの4名。エドワード・エリス、ジェフ・パワーズ、そしてウェルミントンはチェス仲間。盗んだ宝石をチェスゲームのやり取りで受け渡す、そのプロセスを保険調査員が解明していく物語。

宝石店で3万ドルのエメラルドが盗まれる。調査に赴いた保険会社の調査員はエドワード・エリスに事情聴取。犯行は内部の人物が関係している、と。エドワード・エリスは授業員はきちんとした身元調査を行っており、そのような疑念には不満な様子。
従業員との事情聴取は済んだというティム・ウィーランドの口から従業員のジェフ・パワーズの名前が挙がる。ジェフを疑うのはお門違い、彼とはチェス仲間でもあるのでチェスゲームへとティム・ウィーランドを誘う。
チェスゲームの場に現れたティムはジェフと会話。事件解決の糸口は既に見つけているとジェフに告げる。ティムはジェフを疑ってはいない。そして、チェス仲間である貿易商と称するウェルミントンは実は盗難宝石の買受人であると告げる。驚くジェフに、そのウェルミントンにどのようにして宝石が渡されたかを調査為る、と。
ジェフとエリスの会話。事件解決の糸口を見つけたとのティムの話を受け、エリスはウエルミントンのことを話し始める。確かに昔一度盗まれた時計の売買に関与したことはあるが、それは一度きりで、どの後は貿易商とし真面目に人生観を送っていると話す。
ジェフとティムールの会話。宝石を盗んだのは古参従業員のエドワード・エリスであると告げる。信じられない面持ちのジェフ。そして盗んだ宝石の受け渡しはチェスゲームを通じて行われている、と。駒をくり抜き、そこに盗んだエメラルドとかルビーを入れて受け渡しを行っていると説明する。
一方で、自分の身辺に調査が及んできたと悟ったエドワード・エリスはジェフを犯人に仕立てるべくジェフのタバコケースにダイヤモンドを隠しおくといった細工をするも保険調査員のティムにはお見通し。結局は自分の仕掛けは証拠がないと喋った内容は警察により録音され、罪を自ら喋りチェックメイト。

2016年1月27日水曜日

CBS Radio Mystery Theater  [The Ripple Effect]

第百十三話

メモの日時;1983年9月2日(金)
タイトル: [ The Ripple Effect]
Episode;0595


政治家メークランドに飛躍の時が訪れた。大統領候補に推薦されそうなのだ。だだ、条件とし、絶対にスキャンダルのないことを約束させられる。
しばらくして、若い女性・ラリー・キーバック?)のところに男が押し入り、メークランドから彼女に宛てた手紙を差し出すように命令する。彼女は護身用の銃が暴発し、亡くなってしまう。
この男、恋人モーガンのところに戻り、誤って人を殺したと告げ、彼女の忠告でメキシコに逃げようとする。しかし、タクシーに乗った男は、空港に向かうことなく、メークランドのサマーハウスを訪れ、逃亡の費用を要求する。しかし、メークランドは信用せず、脅迫を避けるため手紙を要求する。男はメークランドを騙し恋人に電話をかけるが殺されてしまう。そして、そこに現れたタクシーの運転手も口止めのため殺されてしまう。
二人の死体はタクシーの中で発見されたのだが、男の恋人は警察を訪れ、電話口で彼が殺されるのを聞いたと告げる。そして、彼から聞いていた、政治家に手紙を取り戻すよう指示され、手違いでラリーキーバックを殺し、逃亡の途中で殺されたと話し、その政治家を調べるよう要求する。警察は渋々ではあるが、彼女のところに電話した通話記録を調べると、思いがけずメークランドが浮かび上がる。
警察はメークランドのもとを訪れ、モーガンという女性に電話をかけたことを尋ねるが、彼は間違い電話をかけたと言う。モーガンはメークランドが嘘をついていると首長するが証拠はない。
そうこうしている時、メークランドの夫人が現れ、ラリーキーバックを殺したのはメークランドだと言う。彼女はラリーキーバックから手紙をネタに強請られ、金を母親の払い、手紙を焼き捨てたのだが、そのことをメークランドは知らない、と。
終いに、モーガンがメークランドに罠をかけ、自分から殺しを白状させたところで警察が現れ彼を逮捕する。思わぬ殺人が次から次へと悲劇を生んでいった。

2016年1月26日火曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Stamped for Death]


第百十二話

メモの日時;1983年9月1日(木)
タイトル: [ Stamped for Death]音声は左の英語タイトルをクリック
Episode;0600


父親の死亡の報を聞き、西海岸と東海岸からかけつけた兄弟ゴードンとジェレミー。彼らの関心事は遺産相続のことだけ。弁護士のもとで父親の遺言を聞くと、自宅は長年にわたり母親の看護にあたった看護師へと。
この遺言に不満をもつも、古い屋敷であるからそれはそれでいいとする。次に父の兄弟(伯父)には切手コレクターの父が蒐集した貴重な切手を、と。そして、ふたりの兄弟は父の株式などの財産の相続を期待するが、弁護士からの応えは、ふたりの遺産は銀行の金庫に収められており、その鍵を預かっていると告げる。
翌朝、待ちわびる二人のもとに弁護士がブリーフケースを持って現れる。そしてブリーフケースを開けると、そこにあったのは期待した株式などではなく、切手のシートであった。切手コレクターの父親は株式などの債権をすべて切手蒐集に使い切っていたのである。落胆する兄弟。しかし、父が蒐集した切手であるからには貴重なものに違いないとの弁護士のコメントなどもあり、切手を売り払ってお金に変えることに。
疑心暗鬼のふたり。それぞれの地元で換金を、と主張するが結局はニューヨークで換金することに。ブリーフケースを抱えニューヨークに向かう二人。ハリケーン接近のための危険も顧みず飛行機に搭乗するが、結局は飛行機事故に遭遇し、緊急着陸。乗客の命は無事であったが、飛行機は炎上し荷物はすべて焼失した。兄弟ふたりのブリーフケースも、である。
場面は変わって伯父の家。弁護士から兄弟が飛行機事故に遭ったが、命は無事であるとの連絡を受ける。その後は兄弟ふたりが伯父の相続した20万ドルにもなると言う貴重な切手の分け前を手に入れるべく、脅したり透かしたり、詫びを入れたり泣きを入れたりのアプローチ。兄弟ふたりとも、職を失ったり、事業がうまくいかなったりと、お金が必要で、懸命の努力を重ねる。その間、伯父夫婦は切手の鑑定を受けると、相続した貴重な切手は偽物であった。
伯父夫婦は伯父が病弱でもあり、残される婦人のことを考えて一計を案じる。そのプランとは、兄弟には切手が偽物であることを知らせず、貴重な財産をもっている伯父夫婦、とりわけ婦人の世話を一生面倒みさせようとすることである。そして、偽の切手は「配達不能郵便課(dead letter office)」に郵送し二人の目に触れないようにする。
とうとう伯父が重篤な病で入院。それに誘われるように婦人も入院。正常な判断ができなくなった伯父のかわりに、切手の換金の決定権をもつ婦人に取り入る兄弟。そして伯父の死。慌てて夫人のもとに向かうと、医師が待っており、夫の死を知らせると、それを落ち着いて聞いた夫人も夫の死に誘去れるように1時間もしないで亡くなってしまった。
残された二人。貴重な切手を手に入れるべく、伯父の家の中での切手探し競争がはじまることになる。

2016年1月25日月曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Tomorrow's murder]

第百十一話

メモの日時;1983年8月30日(火)
タイトル: [ Tomorrow's murder]
Episode;0575


未来を垣間見た男の物語。その男、墓地で休んでいると、一人の紳士が現れ、立派な墓石を見ると、その名は自分名前、誕生日も同じ、そして、亡くなった日付は、一年先となっている。主人公は自分の亡くなる日を怖れ気を失う。
この出来事を妻に話すが信じてもらえず、訪れた友人の医師に説明し、一緒に墓地に戻るが、そんな墓石は何処にもない。また、誰かがそんなトリックをすることもできない、と言う。
翌日、友人の医師が訪れる。主人公はこの医師と妻が関係を疑い、信用しているわけではないのだが、彼の説明によれば、主人公は何か心労を抱えており、それが原因で幻を見たのだ、と。丁度その日、主人公は上役から営業の成果が上がらないと言われ、その責任をとり辞めてしまっていた。仕事一途の主人公としては、人生が終わったと同一視し、幻を見たのだ、と。
そう言えば、上役と別れた後、墓地で心配してくれた婦人に、自分の墓石を読んでもらい、その日は「未だきていない」と言うと、気味悪く思われ避けられた、と述べる。彼は未来に迷い込んでいるのだが、現在の日付で判断力しているため、夫人は変に思い逃げ出した訳である。
会社を辞めた後、仕事も仲々見つからず、主人公の妻は彼の思った通り、友人の医師と関係を持ち、主人公を亡き者しようと企てる。主人公を眠らせた後、相手の男を呼び睡眠薬を多量に飲ませ、世間的には自殺をしたと思わせようとする。
しかし、未来に迷い込んだ主人公は、妻が自分と結婚した事を後悔し、夫を殺すことを見てしまい、彼等が計画を実行しようとした時、逆に二人を殺してしまう。
その間、郵便配達人などがやってくるのだが、主人公は彼等を初めて見る顔だと言う。が、もう6ヶ月以上も来ている郵便配達人は訝しむ。また、頃は元日であるのだが、未だ真夏だと言う主人公を変に思う。このとき既に主人公は半年先の未来に迷い込んでいたわけである。
場面は墓地。二人の男が主人公の墓石を見ながら、この男は仕事を辞めさせられた恨みから上役を殺し、帰宅し妻とその愛人を殺したと話をしている。そしてその紳士が指差した墓石を見ると、その名は自分と同じ名前、誕生日もおなじq、そして亡くなった日は2年も先の日付となっていた。
墓地で紳士に声をかけられたなら、あらゆる手段を使って彼から逃げなさい!

2016年1月24日日曜日

CBS Radio Mystery Theater  [The Actress]

第百十話

メモの日時;1983年8月30日(火)
タイトル: [ The Actress]音声は左の英語タイトルをクリック
Episode; 0722

舞台の袖で、演出家と女優の夫との会話から物語がはじまる。ギリシャの大悲劇を素晴らしく演じている婦人は、ごく普通の女性であるのに、どうして素晴らしい演技ができるのか不思議に思っている。夫に裏切られ復習に子供を殺す悲劇をどうして演じることができるのだろう?
劇が終わり、彼女に話しかけるのだが、彼女は母親に電話をかける。母親はこの何十年も窓際に座り、ひたすら食べ続けるだけの生活を送っている。彼女が言うのは、アーモンド・マカロンを食べたいと言うだけである。
夫はこの母親のことをあまり良く思っていない。婦人にもそのことを言うのだが、彼女は母親がどうしてあのようになったのか知りたいのだ、と。昔は素晴らしい女優であったのに、夫が彼女を棄てて家を出て行って以来、38歳から68歳の今日まで、ひたすら座り、背中が痛いと食べ続けるのは何か堪え難い苦痛があったのではないかと、そのことを知りたいだけなのだと夫に話す。
この劇が上演されて以来、婦人が昔と少し違っていると感じた夫は、演出家にもう上演を止めて欲しいと要求するが、契約で6月までは中止できないと断る。婦人は、昔は自然に会っていた夫の前の婦人ヘレンとも今回は会おうとしない。そのためヘレンは傷ついているのだが、それはヘレンの心理状態を知りたいから。彼と別れ、他の女性に彼を獲られた女性の心理を知りたいらしい。それは現在演じている劇の主人公と同じ状況である。
彼女は、熱情、苦しみなどは自分の記憶、体験で感じ、演じられるのだが、唯一未だ実感できないのは、子供を殺すときの心理状態であり、これがわかればもっと素晴らしく演じられると言い出す。
彼女は母親のもとを訪れ、再度、夫が彼女を棄てて出て行ったときの、怒り、自尊心が傷つけられ、それ以来ひたすら生き続けるだけの人生、何か恐ろしいことがあったに違いないと母親に問うが、母親はそれに応えようとしない。

マックス(?)が訪れ話をしている時、彼女が戻ってきて2階の息子のところに行くが、何かセリフのようなことを言っているようなので、心配になり駆けつけると、ナイフをもって子供を殺そうとしていた。

一応の解決を見たある日、マックスが再び訪れ、この劇が好評だったので再演したいと申し出る。夫は断るが彼女は承諾する。そんなある日、彼女は母親のもとに訪れ再び疑問を詰問しているとき、母親は心臓発作で亡くなってしまう。
しばらくして、夫が2階の彼女の部屋に行くと、そこで見たものは、椅子に座りマカロンを食べたいという婦人の姿であった。

所感;名優は役の人物に成り切り、想像の世界に入ってしまう。そんな彼女の悲劇を主題にしている物語である。タミー・グライムが女優を演じなかなか面白いドラマであった。

2016年1月23日土曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Whose Little Girl Are You?]

第百九話

メモの日時;1983年8月29日(月)
タイトル: [ Whose Little Girl Are You?]
Episode; 0576


向かうところ敵無し、不敗のチャンピオンが敗れた。彼女をテニス界のトップにすることが夢であった父親は、母親の反対を押切り子供の頃から厳しい練習を課してここまできたのだ。
試合に敗れた日、父親の反対にもかかわらず彼女は外出し、記事を狙うスポーツキャスターの男と話をする。彼女が何故、得意の技(バック??)を使わなかったのかと尋ねると、彼女はその技を悪魔に売り渡した、と言う。そして、何となく彼女が自殺するような気配を感じる。

自宅に戻った彼女は2階に上がり寝るのだが、夜中に自殺が心配になったスポーツキャスターに起こされた父親が彼女を見に上がると、案の定、睡眠薬を大量に飲んで自殺を計っていた。

彼女を大至急病院に運び入れ、手当を施すが、彼女はその間、悪夢にうなされ続ける。まだ若い頃知り合った男、フォットボールの名選手であるが、化学者として生きていこうとしている彼は彼女に結婚を申し込む。しかしテニスの試合が続き、結局彼は彼女から離れてゆく。

次に出会った男。大金持ちの息子であったが、賭け事に手を出し、家族からの援助も得られず、すぐに5万ドル返却しないと殺されると彼女に話す。そして、彼女にわざと試合に負けるように頼む。彼女の一生そのものであるテニスでインチキなゲームをする。人が悪魔に魂を売るように、彼女はテニスの得意技を悪魔に売り渡す。そして、彼は大金を手に入れ。。。

そして彼女の意識が戻る。そこで、スポーツキャスターは彼女に結婚を申し込む。うわ言で事実を知った父親も結婚を許し、彼女は幸せになる。

2016年1月17日日曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Double Zero]

メモの日時;1983年8月26日(金)
タイトル: [ Double Zero]
Episode; 0570


ある男が殺された。報道で知った男が、殺された男の遺留品であった20ドル札は自分のものだと警察に知らせる。彼はゼロをふたつ(double zero)書き入れた20ドル札5枚を家主のフェンストマーカーに今月の家賃として支払ったと証言する。警察は家主に会って確かめると、彼はこの100ドルを私立探偵のルーサー・ベンホールに支払い、妻の素行調査を依頼した、と言う。
婦人にその相手を聞き、その男がフェアチャイルドということが判明する。彼は尾行されていることは知らなかった、と言う。しかし、ある婦人が現れ、私立探偵のルーサーがチェロキー通り9?11で、女性連れの男と口論するのを見かけ、二人は車に乗り込んで走り去ったという情報をもたらす。
そしてその車の番号から所有者はフェアチャイルドであることを確認した警察は彼に私立探偵と口論したことを認めさせ、容疑者として取り調べを開始する。

ここで新たな登場人物。男と女。フェアチャイルドが疑われていることを知り、新たな登場人物であるジュリアスに命じ、殺人に使用した38口径の銃を彼の身辺から見つかる細工をするように命じる。警察はフェアチャイルドの机の引き出しから見つけ、彼の容疑は決定的なものとなる。

警察は殺されたルーサーの女に会い、話を聞くと、殺される前日に彼からすこい金儲けのネタを見つけた、とのこと。フェアチャイルドの件など取るに足りないものであり、政府絡みの案件だと言う。ルーサーはその男と会う約束をしていたことを知り、メモ帳からその男がクオーレス氏であることが分かる。

この情報を得た警察は、情報提供者のマンソン婦人に会い、クオーレス氏のことを聞き、彼がフィクサーの仕事をしている事を知る。当局のクレーマン警部はクオーレス氏のもとを訪れ、ルーサーとの面談のことを聞くが彼はそのことを否定する。クレーマン警部が帰った後、クオーレスと秘書と称する女性は、どうもクレーマン警部の捜査は、彼個人の資格で動いていると推論する。

その時、ジュリアスから電話。おしゃべりのマンソン婦人が昨日クレーマン警部と話をしていたことを知らせる。女はクレーマンとマンソンをすぐに殺せと主張するが、クオーレスは彼らを買収しようと決心する。
しばらくしてくレーマン警部のもとへマンソン婦人が現れ、どうも尾行されていると知らせ、その男の印象から写真で確認すると、その男はジュリアスであることがわかる。この男は悪人なのだが、今まで証拠がとれず逮捕できなかった。
マンソン婦人の部屋。クオーレスと女が現れ、口止め料をだすから協力してほしいと言い出すが、クオーレスは隠しマイクを予想し慎重に事を運ぶが、ジュリアスがあわててすべてを喋りだしたとき、クレーマン警部が現れ完全に包囲されていると告げる。
クオーレスは400万ドル出すから見逃してくれ、と。自分の仕事は国家の安全がかかっているというが、結局は逮捕される。彼らは国際的フィクサーとして、政治家を買収するなどの動きをしていたところをルーサーに感づかれ、殺してしまったのである。

2016年1月15日金曜日

CBS Radio Mystery Theater  [A God Named Smith]

メモの日時;1983年8月25日(木)
タイトル: [ A God Named Smith]音声は左の英語タイトルをクリック
Episode; 0658


どうもこのエピソードのような荒唐無稽な話をキャッチアップすることは、英語力・想像力の不足が相まって誠に難しい。まずは降参の旗をあげた上でメモをはじめる。
話はスミスと呼ばれた「神」の一生の話。神が生まれたのはそんな昔ではなく1997年のことである。
話はスミスの伝記を書こうとする作家が、スミスを最もよく知る男ルーク・ウインゲートに聞き書きする形で進む。
ルーク・ウインゲートが大学2年生とときスミスが転校してくる。スミスの歳は13歳だが、4年生である。モンキーレンチのエピソードなどで天才の一端を示すなどしながら、ルークはスミスの唯一の「友」となる。
しばらくしてスミスの部屋に訪れるようになり、部屋に置いてあった聖書を見かけ開くと、創世記の箇所の「神」の箇所を「スミスが宇宙つくり。。。」といったように「スミス」に書き変えているのを驚く。
そんなルークにスミスは一見棺のような装置を示し、そこに「宇宙」を生成するのだと告げる。装置が起動し、そこに小宇宙が出来上がるが、なにかの手違いで結局この装置は爆発。ルークは呆然とするスミスを助け出すが、大学の建物を破壊し、放射能汚染を起こしたことによりスミスは退学となる。
スミスが大学を去る日、彼は両親の話をする。父は彼が3歳のとき亡くなったが、母親が精神性の強い人であったようである。そして、伝記作家がルークのことをスミスは彼のガーディアンエンジェルであった、と後日語ったことを話すと、それに対しルークは、スミスが去り際に“自分の命を救ったことは、彼(ルーク)にとっても重要なことである”と話したことを告げる。
それから6年。ルークはジャーナリストとしてのキャリアを上る。多くの応募者の中から彼が選ばれたのは、スミスの起こしたエピソードや事件のレポートが大きく役に立ったとも告げる。ルークは3年間努力の結果、その後署名記事をかけるまでになり、女優のエブリン・ウィルソンとも交際するようになる。そしてそのエブリンがきっかけで再びスミスと会う事になる。
エブリンの劇の後援者がハワード・チューニーであったのだが、このハワードがスミスの後見人でもあり、その仲介でスミスと再会。スミスのもとに赴く。スミスは19歳となっていた。スミスは宇宙の生成実験を未だ行っており、大規模な宇宙を生成し得るようになったが、唯一の失敗は「生命」」を創造できなかったことであると告げる。そして地球外に新たに自分の宇宙を造ると話し、そのために必要なお金を株で儲けようとしていること、そしてルークにはスミスの創る世界への参加を誘われるがルークは断る。
それから6ヶ月後、株の大化けでマーケットは混乱。後見人のハワードは自殺するといった事態にはなるがスミスは大金を得、その資金をもとにスミスの世界建設に邁進することになる。
ルークは突然のクビ宣言。スミスの根回しの結果であり、スミスは1万ドルでスミスの設立した企業で働く事に。コンピュータープログラマーを3000人、科学者6000人擁する大企業。百万人の優れた人物を募集しスミスの世界の住人とする計画が進む。しかし、スミスの「友」というだけで、大きな部屋に特に何もすることのなく座るルークは辞任を求める。しかし、スミスは最後のアサインメントとして西海岸に済む高名な科学者マーチン・コークランドのスミスの世界への参加取り付けを求める。
長期に渡るコークランドの説得に成功しエブリンのもとに戻ると、なにか雰囲気がかわっている。そしてエブリンが話したことはスミスの公園でスミスの世界を扱った劇が上演されるようになり、自分は悪魔の役を得たと話す。
劇の上演される1ヶ月前には地球外へ出発する宇宙船の発射準備が極秘に行われる。そして上演当日、劇が終わった後にエブリンの部屋を訪れると底にはスミスの姿。ルークはふたりのもとを去る。
月日が経て2007年。スミスは地球外にスミスが創造した宇宙世界を造り終える。一方ルークは酒浸りの日々で、弱小新聞社で働いていた。そこにスミスが現れる。それは実際のスミスではなく、投影された「幻影」ではあった。そしてスミスはルークにスミスの世界に参加することを求める。
その頃、優秀な人々が地球からいなくなることを怖れる人々を中心にスミスの暗殺計画がもちあがる。スミスもその集会に参加し、スミス暗殺の目的でスミスの世界に入る事にする。スミス暗殺の武器は髪に仕込んだ毒薬。結局その毒薬はスミスには通用しなかった。毒殺しようとしたのはスミスではなくスミスの幻影であった。
ルークはスミスの世界で投獄。ルーク以外にも反乱者が投獄されていた。そこに現れたのはエブリン。幻影ではあるが、そのエブリンにスミスの妻の権限で解放するよう要求。自分も捕虜であるというエブリンと落ち合い逃亡をはかる。そこにスミスが現れるのだが、そのときファームランドで大爆発。ルークはスミスに科学者ではあるが神ではないと伝える。大爆発に神に祈るスミスを残し、エブリンとルークは他の2500人と宇宙船で逃亡に成功するが、その他のスミスワールドの住人は助かることはなかった。
所感;といったことがあらましではあると思うのだが、面白さはさっぱりわからなかった。

2016年1月14日木曜日

CBS Radio Mystery Theater  [The Briefcase Blunder]

メモの日時;1983年8月24日(水)
タイトル: [ The Briefcase Blunder](音声は左英語タイトルをクリック)
Episode; 0652


タクシードライバーのハリー。客を下した直後ブリーフケースの置き忘れに気づき呼び戻そうとするが、客は去ってしまう。ハリーはブリーフケースの中を調べるとお札がびっしり。ハリーは家に戻り、これで夢のパリ旅行と妻のマリーに告げる。
怒るマリー。ブリーフケースをお客に戻すべきだとハリーに迫る。客がスカッシュのラケットをもっていたことを手懸りに、マリーは客が下りた辺りのスカッシュコードを調べ出し、ハリーにブリーフケースを持ち主に戻すべくスカッシュコートに向かわせる。
受付で事情を伝え、該当する人物のもとに。スカッシュのプレーをしていた人物の人相を確かめその人物の元に。しかしその人物スローンは、自分の持ち物ではないと受け取りを拒否し、タクシー会社に戻せばいいだけのこと、と言い出す。
自宅に戻ったハリー。妻のマリーは何かの違和感を感じ、ハリーが陰謀に巻き込まれているなどと想像豊か。結局警察に戻すことになる。警察に向かったハリーは責任者への面会を求めると、現れた人物はスカッシュコートでスローンとプレーしていた男。この署の責任者フランク・ベンダーと名乗る。訝しく思いながらも、事情を説明し自宅に戻る。
自宅に戻ったハリー。妻のマリーと話をしていると突然の訪問者。ボスの命令でブリーフケースを取り戻しに来た、と。ボスはタクシーの番号を覚えており、タクシー会社にブリーフケースを取り戻しに行ったが無いとのことで、ハリーの家に来たとのこと。ハリーは警察に戻したと伝えるとなにもせずに帰っていった。
ハリーはベンダ警部に連絡。直通電話を伝えられ、翌日警察を訪れ、昨夜の不審人物の事を話し、その人物の特徴から、その男は麻薬事件からんだジョーという男であることがわかる。ハリーを警察の保護下に置くとともに、話の経緯からベンダ刑事はスカッシュ仲間のスローンを疑っているような感触を得る。
翌日のスカッシュコート。ベンダとスローンのプレーの合間にブリーフケースの話。ブリーフケースには4万ドル入っていたとのベンダの話に、スローンは一瞬驚きの表情を見せる。
スローンとジョーの電話での会話;ハリーが1万ドル抜き取っているから取り返せ、と命令。ジョーがハリーをガレージで待ち構え1万ドルを戻せと要求するが、ハリーはなんのことか分からず、1万ドルなどもっていないと否定するのみ。ジョーが去ったあと警察に連絡し、乱暴されたとこと、そして,「1万ドルのことなど自分は抜き取っていないと説明するとベンダ刑事はすべてわかっているから心配するなと伝える。自宅に戻り妻のマリーに話すと、1万ドルはベンダ刑事が抜き取ったといった豊かな想像力を話すが、ハリーはベンダ刑事を信頼していると伝える。
妻はベンダを疑う
警察はジョーを逮捕。ハリーはベンダ刑事に呼ばれスローンを罠にかける虎アップに協力してほしいと伝えるハリーは快諾。プランを説明し実行に移す。
場面はスカッシュコート。ベンダはスローンに麻薬の捜査の状況を確認する。その後ハリーからの電話。タクシーでハリーはスローンにジョーの正体を調べだしたこと、そしてそのボスがスローンであり、麻薬に関与しているといったことを告げ、口止め料として1万ドルを要求する。勿論これはベンダ刑事とのプロットの一環である。
8時に1万ドルを受け取る約束をし二人は会うも、ハリーはスローンに銃で脅され隠れ家に。そこにはベンダ刑事が待ち構えておりスローンが逮捕され一件落着。
その後ハリーはベンダ刑事よりタクシー用の車を貰うかわりに、乗客の話に耳をすませ事件の匂いをかぎ出す覆面警察官のひとりとして活躍することになる。

2016年1月13日水曜日

CBS Radio Mystery Theater  [The Colony]


メモの日時;1983年8月23日(火)
タイトル: [ The Colony]](音声は左の英語タイトルをクリック)
Episode; 0549

ニューハンプシャーを車でキャンピングツアーを楽しむ夫妻。住民600名余りのコロニーと言う町を走っていると、突然円盤が現れる。一帯に円盤着陸の痕跡が残り、それも1度だけではないようである。
驚いた夫妻は警察に通報に出向く。シェリフは応対するも、それほど真剣に取り扱ってくれない。暗くなる前にキャンピングサイトへ行きたいのだが、市長との約束があるので、知り合いの食事処で待っていてほしい、と。
シェリフに連れられ、レストランに向かい女主人と話をしながら待つことに。一方、シェリフは市長と二人の扱いを相談。実は、この市長やシェリフも含め町の住人は宇宙人に「乗っ取られて」いたのである。相談を終え、夫妻のもとに戻り、二人を飲酒運転の罪で拘束する。ありもしない円盤を見た、ということは飲酒運転であると決めつけ、この町の規則では飲酒運転は厳しく罰せられる、との理由である。
否応も無く夫妻は留置され、一晩を過ごす。朝になって昨日のレストランの女主人が朝食をもってくる。ふたりに話すには、自分も円盤を目撃したことがあるし、町の人はすべて宇宙人に「乗っ取られて」しまった、と。自分も理髪店のパーマのような装置に坐らされ、宇宙人に「乗っ取られ」かけたのだが、辛うじてそれを阻止できたと話す。それは、自分の先祖が頑固な精神故に魔女と見做され弾劾されたのだが、その「頑固」な精神を受け継いだ自分だけが「人」として留まった、と。何故この町を出ないのか、との問いには、住み慣れた町を離れられないのだと話す。そして、本日町民集会があり、その場で夫妻も宇宙人に「乗っ取られる」ことになる、と伝える。
集会所に連れてこられた夫妻。市長の周辺に宇宙人の姿を認めながら、集会がはじまる。壇上に呼び出された夫妻。「宇宙人」に乗っ取られることにより、新たな世界がはじまる、といったセレモニーの後、夫は突然スピーチを始める。市長にむかって、勇気、頑固さをもって「乗っ取られた自分」を取り戻せと説得する。結果、市長は「人」に戻る。それを契機に住民すべても断固たる決意で「人」に戻る。
住民すべてが「人」に戻り、町を離れる夫妻。その夫妻にレストランの女主人は、宇宙人に乗っ取られた住民はこの町だけではないかも、と言った余韻を残し物語は終わる。

2016年1月10日日曜日

CBS Radio Mystery Theater  [The Child's Cat Paw]

メモの日時;1983年8月22日(月)
タイトル: [ The Child's Cat Paw]
Episode; 0649

主人公は少女ダイナ。父親が文筆に集中できるよう寂しき地に一時的に移り住む。時は冬。話相手の「友」は猫だけである。部屋で猫を相手の話声に母親は気を揉む。母親はこの猫が何か害をもたらしそうで嫌っている。
ダイナと猫のサミーの会話。父親は小説の締切りで忙しく、母親はその世話で忙しく、自分をなかなかかまってもらえない。そして近くに住むウイリー伯父さんはひとり寂しくしている、といったことを話す。猫のサミーはその寂しい伯父さんに愛する相手を見つけようと提案。伯父にパン屋のふたりの娘グロリアとメギーのうち、グロリアをその相手に選ぶ。
伯父の家に出かけたダイナとサミー。グロリアと付き合うことを勧める。娘ほどの歳の差のあるグロリアと付き合うことに最初は難色を示すも、結局猫のサミーの勧めるグロリアに会いに行くことにする。
グロリアとメギーの住む家に向かう。母親からはついでのことであるので、パンを買ってきて、と。猫のサミーの企みは知らない。店を訪れると、店番には働き者のメギー。グロリアに会いたいと伝えると、彼女はテレビに釘付けである、とのこと。
グロリアに面会。最初は怪訝な面持ちではあったが、ウイリー伯父が大金持ちであると聞いた瞬間に態度を豹変。ウイリーと付き合うことを了承する。伯父とグロリアが付き合い始めたことを知ったダイナの母親は、せめて気立てのいいメギーであったらと、前途を予感されるようなコメントを発する。
ウイリー伯父さんとグロリアの付合いは発展し、結婚の申し込みにグロリアは承諾。婚約指輪を買いに町にでかけるが、グロリアの男友達に見つかり、ウイリー伯父は殴り倒される。あまつさえ。男友達と共にその場を離れるグロリアはウイリー伯父のポケットから婚約指輪を買うための大金を行きがけの駄賃と奪って去る始末である。
雪の中に倒れるウイリー伯父を見つけたのがメギー。医師の手配を済ませ、ダイナの母親に連絡。母親はダイナにウイリー伯父とグロリアを会わせた責任を感じるようにダイナをたしなめる。
朝に美味しく焼けたパンやスープをもって訪れたメギーの魅力にウイリー伯父も気づき、ふたりの交際がはじまるようである。新たな発展である。また、新たな発展としてはダイナと猫のサミーの関係。ダイナはサミーを単なる「猫」として接することになる。新学期もはじまり、ダイナの新たな生活がはじまることになる。

2016年1月7日木曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Son of Satan]

メモの日時;1983年8月19日(金)
タイトル: [ Son of Satan]
Episode; 0587

夜道を歩く男二人。少し前を歩く男の姿に昔の友の面影を見出し、トニー・マーシュは「サム!」と男の名を呼ぶが答えがない。家に戻り妻のロリーナにサムと思しき男を見かけたと話す。共に遊んだトニーとロリーナのもとから消え去り、5年も音信不通であったサムのことは既に亡くなったものだとサムとロリーナは思っていたようである
夜道で見かけた男が入って行った部屋にトニーは確認に訪れる。驚く男。呼びかけに応じなかった理由を尋ねると、現在はサムと言う名を改め、ケイト・バンキャンプと称しているのでサムと呼ばても気が付かなかったと謝る。現在の状況を尋ねると、Son of Satanと称する宗教団体を信奉。その目的は「支配する力」を持つことにある、と。
夕食を招待するトニーの対し、1年近く行っている実験があるが、夜なら大丈夫とのこと。その実験の内容を尋ねると、人工的な小人(homunculus)を造っており最終段階になっている、と。この人工的につくられた小人は世界を支配する力をもつことになると説明する。
それから1年、3人は交流を続ける。トニーは教授となり、ロリーナは子供を授かる。いつもの会話の中でトニーは人工的な小人(homunculus)には「赤ん坊」の意味もある、と指摘。ケイト・バンキャンプもそのうちに「赤ん坊」を授かることになるとのだ、とのトニーの言葉にケイト・バンキャンプは少々戸惑いながらも帰宅する。
翌朝、ロリーナの体調がすぐれない。高熱であり看病が必要なのだが、トニーは学部長との会議を欠席することはできないため、ケイトに電話しロリーナの看病を依頼する。その時、ケイトは「片づけが終わったらかけつける」と。
ケイトが現れロリーナにジュースとピルを与え、赤ん坊には摩訶不思議なトーン、魔法のような旋律を口ずさむ。ロリーナはその歌声を聴きながら眠りに入る。
しばらくして目覚めると奇跡のように回復している。トニーが戻り奇跡の回復などを話していると、赤ん坊が消え去っている。半狂乱のロリーナ。トニーはケイトが連れ去ったと予測し、ケイトの部屋に向かう。
到着したケイトの部屋は爆発して壊れていた。地下室に物を片付け掃除する音。呼びかけに応えるケイトに赤ん坊の場所を聞くと2階に無事にいる、と。爆発の事情を聴くと、実験の手違いから完成寸前に爆発してしまい、人工的な小人(homunculus)も破壊されてしまった、と。トニーが看病を依頼するとき「片づけてから」と言ったのはこういった事情であった。
ここからはトニーの推理ではあろうが、人工的な小人(homunculus)も破壊されてしまった実験室に赤ん坊を連れ帰ったことなどから、妻の病気を奇跡的に回復させたのは赤ん坊の力ではないか、と。爆発で人工的な小人(homunculus)を破壊されたケイトは、人工的な小人(homunculus)=赤ん坊、といったトニーの言葉を想いだし、赤ん坊に魔法をかけ、その力によって病気が快復したのだろう、と。
大物になりたい、愛されたい、力を持ちたいと願っていたケイトであるが、通常のやり方では自分の願いが叶いそうでないため、人工的な小人(homunculus)=赤ん坊をつくりで「大物」になり世界を支配しようとした。
そんなときトニーに閃いたのは、赤ん坊こそが世界を支配する存在である、ということ。泣けば黙っていても面倒みてくれるし、赤ん坊の願いは誰でも叶えてくれる。赤ん坊こそが世界を支配する存在であった。

2016年1月6日水曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Boomerang]


メモの日時;1983年8月18日(木)
タイトル: [ Boomerang]
Episode; 0676

主人公はマリー。16歳。数年前父亡くし、街から離れた周囲に家屋とてない田舎に母親と二人で暮らす。現在のマリーの関心はロビン・グレー青年。年齢30歳。小説を書くためにロンドンからこの地を訪れ、近くの海岸に住み1年近くなる。マリーは同世代の男性には興味を示さず、ロビンに恋する。ロビンはそれに対し少々負担に感じているようである。
マリーの母親のキャロルは恋人である医師ジョンにマリーのことを相談。ロビンと会わない時は一人部屋に篭り、低い声で何かを呟いており、それは「祈り」のように感じる、と。その夜、マリーは「魔術の言葉」を呟き、会いに行きたいとロビンに願うが、小説の最後の仕上げに忙殺されているロビンはそれを断る。母親のキャロルが「祈り」と思っていた呟きは「魔術の言葉」だった。 母のキャロルがマリーの部屋に入ると窓が開け放たれ誰もいない。ロビンの断りも無視しマリーは雨の中ロビンのもとへ行く。しかし雨に打たれ病気になる。
1週間後。ロビンがマリー宅に現れロンドンに戻ると伝える。小説が完成し、出版社との打ち合わせのため、その日の午後ロンドンに向かうとのこと。部屋で床に伏せていたマリーは母親からそのことを聞き、「魔術の言葉」と共にロビンを車で追っかけるが交通事故に遭う。
その1週間後。事故より回復したマリー。今度は銃を持って車で家を離れる。その銃は母親キャロルの恋人である医師のジョンが護身用にキャロルのもとに置いていたものである。(ここからは夢か、実際にロンドンにいったのかはっきりわからないが、)追いかけた母親とジョンの制止もあり、マリーは「魔術の言葉」と共に銃を撃つも誰も怪我することなく終える。
そしてマリーと母親の恋人ジョンとの会話。母親との結婚の承諾を願う話の中で、ジョンは突然マリーが呟く「魔術の言葉」を語り始める。驚くマリー。更には魔術を願う者なら必須の書籍を挙げ、マリーにその本を読んだかと尋ねる。読んでいないと応えるマリーに勉強不足だと指摘。勉強不足だから、「魔法のことば」の助けをもってしても、ロビンに会いに行っても病気になるし、車で追っかけても会うこともできず、逆に事故に遭う始末。銃も目的を達することができなかった、と。マリーが魔術に心が向かったのは(はっきりとは聞き取れなかったが)14歳で父親の死に際して、神の加護が得られなかったため、逆に悪魔に助けを求めるようになった、よう)。
で、医師のジョンが告げるには、医師とは昔の魔術師の後裔のようなものであり、自分も魔術の書物はしっかり勉強した、と。魔術にも「黒魔術;自己の欲求・欲望を満たすために行われる魔術」と「白魔術;利己ではなく利他のために行う聖人の魔術」があり、マリーも白魔術を学ぶべきと教える。
そして、家族となった3人揃って「魔術」の古典が所蔵されているストックホルムの王立博物館への旅を提案する。http://www.cbsrmt.com/episode-676-boomerang.html