2016年1月31日日曜日

CBS Radio Mystery Theater  [The Mark of Cain]

第百十六話

メモの日時;1983年9月7日(水)
タイトル: [ The Mark of Cain]音声は左の英語タイトルをクリック
Episode;0572


旧約聖書の『創世記』の第4章に登場する兄弟ケーンとアベルのエピソードをベースにつくられたガンマンの話。WIKIPEDIAによれば、聖書ではカインとアベルは、アダムとイヴがエデンの園を追われた(失楽園)後に生まれた兄弟であり、カインは長じて農耕を行い、アベルは羊を放牧するようになった。カインは収穫物を、アベルは肥えた羊の初子を捧げたが、ヤハウェ(全能の神)はアベルの供物に目を留めカインの供物は無視した。嫉妬にかられたカインはアベルを誘い殺害する。神はカインに対し、彼を殺す者には七倍の復讐があることを伝え、殺させないよう刻印をしたという。これが「カインの印:The Mark of Cain」である。

この物語の舞台は大西部時代。孤独なガンマンのケインタック。姓も名もなく、ケンタッキー生まれということでつけた名である。今日も酒場で銃の決闘に応じ、噂に違わず相手を倒す。これを見ていたクレイトン家の父と娘。父親はコロラドの牧場主であるが、東部からの移住者や牧羊主との土地の境界争いのため、ガンマンとして働いてくれるよう依頼する。ケインタックからはっきりした答えを得られないまま分かれる。

蒸気船(?)で帰路につく親子。そこに思いがけなくケインタックが現れ、依頼を受け入れ、共に列車に乗り継ぎコロラドの牧場に。家の前は一面の大平原。しかしその大草原には移住者や牧羊主との土地の境界争いの地でもある。そしてその牧羊主パターソンとは昔は仲がよく、互いの娘と息子を結婚させる約束もあったほどだが、牧場主にとっては牛の飼料である草を食べ尽くす羊は天敵であり、未だ土地争いの決着はついていない。
牧場主の娘セレン。父親の想いとは異なり、東部での教育の甲斐もなく生粋の西部の娘と広言する。そこに現れたのが牧羊主パターソンの息子であるイーナク。金で雇われたガンマンを見下すが、そんなイーナックにセレンはフェアな決闘に相対すガンマンは尊敬すべきであると反論する。
場面は牧羊主の家。パターソン氏とその夫人がクレイトン家との諍いについての話に、クレイトン家が雇ったガンマンがケインタックであるといった瞬間に驚く婦人。その殺人者を自分の目で確かめると家を出る。
丁度その頃、馬の面倒をみていたケインタックのもとにセレンが現れ、乗馬に誘う。忠告も聞かず勢いよく走りだしたセレンは落馬。セレンを介抱するとき、それまでミス・クレイトンと呼んでいたのが思わずセレンと呼ぶ。それをきっかけにセレンは初めて会った時から恋焦がれていたと告白する。躊躇するケインタックにセレンは強引にキス。ケインタックもそれに応える。
しかし、それでも恋に躊躇するケイタックに何から逃れようとするのかと問い詰める。それに対しケインタックは自分のことを打ち明けはじめる:ケンタッキーでアダムとイブという両親のもとに生まれ、羊の世話に真面目に打ち込む兄のアベルとの比較に絶えられず、またセーラという女性をめぐって決闘となり兄を撃ち殺してしまう。その時に「神の声」。聖書の言葉とともに、ケインであることを明示すべくまぶたに傷を受ける。「神の声」によれば、その傷は誰からも報復を受けることのないように付けられたもの、と。そして、それ以来家を離れ、ケインタックという名でガンマンとして生きてきたとセレンに話す。
その時現れたのがイーナック。二人を付けてきた、と。そして決闘を申し込む。その時馬車で駆け付けたのがイーナックの母親。その顔を見てケインタックは驚愕。それは昔兄のアベルと決闘のもとともなったセーラであった。セーラはパターソンの妻となっていたのだ。
しかし、決闘に心をはやる息子イーナック、そしてそれを受けて立つケインタックに告げたのは、イーナックはケインタックの恋の結果生まれた子供であるということ。そのことはパターソン夫婦ふたりの秘密として息子には話をしていなかった。驚くケイタック。しかしイーナックは事ここに至って決闘は避けられないと引き金を引く。倒れたのはケインタック。彼はわが子に引き金を引くことなく倒れる。その姿をみたセーラは、これでやっとケインタックは安住の地を得たのだ、と。

2016年1月30日土曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Killer's appointment]

第百十五話

メモの日時;1983年9月6日(火)
タイトル: [ Killer's appointment]
Episode;0537

夢見る娘リディア、19歳。母親の心配もよそに、ハーバート・ラーセンとの幸せを祈る。結婚式を明日に控えたある日、保安官からの電話。ハーバートが会社の金を強盗し警備員を殺し逮捕された、と。彼の無実を信じるリディに彼は罪を認める。
彼の愛、彼との結婚だけが夢のリディアは、身代わりを申し出、事の次第を彼に聞き、金を持って自首する。獄に入った彼女はハーバートとの面会だけを楽しみにしているのだが、彼は次第に面会に来なくなり、手紙も届かなくなったある日、面会に来た母親から、ハーバートが金持ちのむすめと結婚したことを告げられる。
幸せに暮らす彼を恨み、看守を騙し脱獄。あと一歩で彼を殺せるところで保安官に止められ、再び獄に入る。
前の罪に脱獄、殺人未遂が加わり22年間、人生の一番いい時期を獄に閉じ込められ、 40前まで獄に。獄で看守にハーバートに関する記事を読んでもらい、素晴らしく成功した人生を送っている彼を彼女も喜ぶ。そして、彼の最も幸せなとき、彼を殺して全てを失わせるのが彼女の唯一の支えとなる。
やっと刑期を終え、彼の会社に電話し居所を聞き、酒場に出かけそこで見つけた彼の姿は40代とは思えない、やつれ果てた男になっていた。
酒場のバーテンは保安官の息子であり、彼女の事を良く知っていた。彼が言うには、ハーバートはこの29年間酒浸りの日々であった、と。
リディアはハーバートに話しかけるが、はじめは誰かもわからず、昔、愛した女性と良く似ている、と言う。リディアは自分であると告げ、彼を殺しに来たと告げる。ハーバートは怖れることもなく、「妻に愛されず自分はこの20年間、苦しみ続けたといい」、この苦しみから逃れることが出来るのだから、殺してくれ、と言う。
「私を愛しているのなら、殺してくれ」と言うハーバートに、リディアは分別を取り戻し「殺さない。生きて苦しめばいい」と告げる。最も苦しいことは、殺すことではなく、生き続けさせることである、と。彼女は悪夢から醒め、19歳の時の自分に戻り、自分の前に開けた人生を暮らしていこうと決心する。

2016年1月28日木曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Your Move, Mr. Ellers]

第百十四話

メモの日時;1983年9月5日(月)
タイトル: [ Your Move, Mr. Ellers]
Episode;0574


登場人物は保険会社の調査員ティム・ウィーランド、宝石店の古参従業員エドワード・エリス、従業員のジェフ・パワーズ、そして表の顔は貿易商であるが、その裏の顔は盗難宝石の買受人(fence)であるウェルミントンの4名。エドワード・エリス、ジェフ・パワーズ、そしてウェルミントンはチェス仲間。盗んだ宝石をチェスゲームのやり取りで受け渡す、そのプロセスを保険調査員が解明していく物語。

宝石店で3万ドルのエメラルドが盗まれる。調査に赴いた保険会社の調査員はエドワード・エリスに事情聴取。犯行は内部の人物が関係している、と。エドワード・エリスは授業員はきちんとした身元調査を行っており、そのような疑念には不満な様子。
従業員との事情聴取は済んだというティム・ウィーランドの口から従業員のジェフ・パワーズの名前が挙がる。ジェフを疑うのはお門違い、彼とはチェス仲間でもあるのでチェスゲームへとティム・ウィーランドを誘う。
チェスゲームの場に現れたティムはジェフと会話。事件解決の糸口は既に見つけているとジェフに告げる。ティムはジェフを疑ってはいない。そして、チェス仲間である貿易商と称するウェルミントンは実は盗難宝石の買受人であると告げる。驚くジェフに、そのウェルミントンにどのようにして宝石が渡されたかを調査為る、と。
ジェフとエリスの会話。事件解決の糸口を見つけたとのティムの話を受け、エリスはウエルミントンのことを話し始める。確かに昔一度盗まれた時計の売買に関与したことはあるが、それは一度きりで、どの後は貿易商とし真面目に人生観を送っていると話す。
ジェフとティムールの会話。宝石を盗んだのは古参従業員のエドワード・エリスであると告げる。信じられない面持ちのジェフ。そして盗んだ宝石の受け渡しはチェスゲームを通じて行われている、と。駒をくり抜き、そこに盗んだエメラルドとかルビーを入れて受け渡しを行っていると説明する。
一方で、自分の身辺に調査が及んできたと悟ったエドワード・エリスはジェフを犯人に仕立てるべくジェフのタバコケースにダイヤモンドを隠しおくといった細工をするも保険調査員のティムにはお見通し。結局は自分の仕掛けは証拠がないと喋った内容は警察により録音され、罪を自ら喋りチェックメイト。

2016年1月27日水曜日

CBS Radio Mystery Theater  [The Ripple Effect]

第百十三話

メモの日時;1983年9月2日(金)
タイトル: [ The Ripple Effect]
Episode;0595


政治家メークランドに飛躍の時が訪れた。大統領候補に推薦されそうなのだ。だだ、条件とし、絶対にスキャンダルのないことを約束させられる。
しばらくして、若い女性・ラリー・キーバック?)のところに男が押し入り、メークランドから彼女に宛てた手紙を差し出すように命令する。彼女は護身用の銃が暴発し、亡くなってしまう。
この男、恋人モーガンのところに戻り、誤って人を殺したと告げ、彼女の忠告でメキシコに逃げようとする。しかし、タクシーに乗った男は、空港に向かうことなく、メークランドのサマーハウスを訪れ、逃亡の費用を要求する。しかし、メークランドは信用せず、脅迫を避けるため手紙を要求する。男はメークランドを騙し恋人に電話をかけるが殺されてしまう。そして、そこに現れたタクシーの運転手も口止めのため殺されてしまう。
二人の死体はタクシーの中で発見されたのだが、男の恋人は警察を訪れ、電話口で彼が殺されるのを聞いたと告げる。そして、彼から聞いていた、政治家に手紙を取り戻すよう指示され、手違いでラリーキーバックを殺し、逃亡の途中で殺されたと話し、その政治家を調べるよう要求する。警察は渋々ではあるが、彼女のところに電話した通話記録を調べると、思いがけずメークランドが浮かび上がる。
警察はメークランドのもとを訪れ、モーガンという女性に電話をかけたことを尋ねるが、彼は間違い電話をかけたと言う。モーガンはメークランドが嘘をついていると首長するが証拠はない。
そうこうしている時、メークランドの夫人が現れ、ラリーキーバックを殺したのはメークランドだと言う。彼女はラリーキーバックから手紙をネタに強請られ、金を母親の払い、手紙を焼き捨てたのだが、そのことをメークランドは知らない、と。
終いに、モーガンがメークランドに罠をかけ、自分から殺しを白状させたところで警察が現れ彼を逮捕する。思わぬ殺人が次から次へと悲劇を生んでいった。

2016年1月26日火曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Stamped for Death]


第百十二話

メモの日時;1983年9月1日(木)
タイトル: [ Stamped for Death]音声は左の英語タイトルをクリック
Episode;0600


父親の死亡の報を聞き、西海岸と東海岸からかけつけた兄弟ゴードンとジェレミー。彼らの関心事は遺産相続のことだけ。弁護士のもとで父親の遺言を聞くと、自宅は長年にわたり母親の看護にあたった看護師へと。
この遺言に不満をもつも、古い屋敷であるからそれはそれでいいとする。次に父の兄弟(伯父)には切手コレクターの父が蒐集した貴重な切手を、と。そして、ふたりの兄弟は父の株式などの財産の相続を期待するが、弁護士からの応えは、ふたりの遺産は銀行の金庫に収められており、その鍵を預かっていると告げる。
翌朝、待ちわびる二人のもとに弁護士がブリーフケースを持って現れる。そしてブリーフケースを開けると、そこにあったのは期待した株式などではなく、切手のシートであった。切手コレクターの父親は株式などの債権をすべて切手蒐集に使い切っていたのである。落胆する兄弟。しかし、父が蒐集した切手であるからには貴重なものに違いないとの弁護士のコメントなどもあり、切手を売り払ってお金に変えることに。
疑心暗鬼のふたり。それぞれの地元で換金を、と主張するが結局はニューヨークで換金することに。ブリーフケースを抱えニューヨークに向かう二人。ハリケーン接近のための危険も顧みず飛行機に搭乗するが、結局は飛行機事故に遭遇し、緊急着陸。乗客の命は無事であったが、飛行機は炎上し荷物はすべて焼失した。兄弟ふたりのブリーフケースも、である。
場面は変わって伯父の家。弁護士から兄弟が飛行機事故に遭ったが、命は無事であるとの連絡を受ける。その後は兄弟ふたりが伯父の相続した20万ドルにもなると言う貴重な切手の分け前を手に入れるべく、脅したり透かしたり、詫びを入れたり泣きを入れたりのアプローチ。兄弟ふたりとも、職を失ったり、事業がうまくいかなったりと、お金が必要で、懸命の努力を重ねる。その間、伯父夫婦は切手の鑑定を受けると、相続した貴重な切手は偽物であった。
伯父夫婦は伯父が病弱でもあり、残される婦人のことを考えて一計を案じる。そのプランとは、兄弟には切手が偽物であることを知らせず、貴重な財産をもっている伯父夫婦、とりわけ婦人の世話を一生面倒みさせようとすることである。そして、偽の切手は「配達不能郵便課(dead letter office)」に郵送し二人の目に触れないようにする。
とうとう伯父が重篤な病で入院。それに誘われるように婦人も入院。正常な判断ができなくなった伯父のかわりに、切手の換金の決定権をもつ婦人に取り入る兄弟。そして伯父の死。慌てて夫人のもとに向かうと、医師が待っており、夫の死を知らせると、それを落ち着いて聞いた夫人も夫の死に誘去れるように1時間もしないで亡くなってしまった。
残された二人。貴重な切手を手に入れるべく、伯父の家の中での切手探し競争がはじまることになる。

2016年1月25日月曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Tomorrow's murder]

第百十一話

メモの日時;1983年8月30日(火)
タイトル: [ Tomorrow's murder]
Episode;0575


未来を垣間見た男の物語。その男、墓地で休んでいると、一人の紳士が現れ、立派な墓石を見ると、その名は自分名前、誕生日も同じ、そして、亡くなった日付は、一年先となっている。主人公は自分の亡くなる日を怖れ気を失う。
この出来事を妻に話すが信じてもらえず、訪れた友人の医師に説明し、一緒に墓地に戻るが、そんな墓石は何処にもない。また、誰かがそんなトリックをすることもできない、と言う。
翌日、友人の医師が訪れる。主人公はこの医師と妻が関係を疑い、信用しているわけではないのだが、彼の説明によれば、主人公は何か心労を抱えており、それが原因で幻を見たのだ、と。丁度その日、主人公は上役から営業の成果が上がらないと言われ、その責任をとり辞めてしまっていた。仕事一途の主人公としては、人生が終わったと同一視し、幻を見たのだ、と。
そう言えば、上役と別れた後、墓地で心配してくれた婦人に、自分の墓石を読んでもらい、その日は「未だきていない」と言うと、気味悪く思われ避けられた、と述べる。彼は未来に迷い込んでいるのだが、現在の日付で判断力しているため、夫人は変に思い逃げ出した訳である。
会社を辞めた後、仕事も仲々見つからず、主人公の妻は彼の思った通り、友人の医師と関係を持ち、主人公を亡き者しようと企てる。主人公を眠らせた後、相手の男を呼び睡眠薬を多量に飲ませ、世間的には自殺をしたと思わせようとする。
しかし、未来に迷い込んだ主人公は、妻が自分と結婚した事を後悔し、夫を殺すことを見てしまい、彼等が計画を実行しようとした時、逆に二人を殺してしまう。
その間、郵便配達人などがやってくるのだが、主人公は彼等を初めて見る顔だと言う。が、もう6ヶ月以上も来ている郵便配達人は訝しむ。また、頃は元日であるのだが、未だ真夏だと言う主人公を変に思う。このとき既に主人公は半年先の未来に迷い込んでいたわけである。
場面は墓地。二人の男が主人公の墓石を見ながら、この男は仕事を辞めさせられた恨みから上役を殺し、帰宅し妻とその愛人を殺したと話をしている。そしてその紳士が指差した墓石を見ると、その名は自分と同じ名前、誕生日もおなじq、そして亡くなった日は2年も先の日付となっていた。
墓地で紳士に声をかけられたなら、あらゆる手段を使って彼から逃げなさい!

2016年1月24日日曜日

CBS Radio Mystery Theater  [The Actress]

第百十話

メモの日時;1983年8月30日(火)
タイトル: [ The Actress]音声は左の英語タイトルをクリック
Episode; 0722

舞台の袖で、演出家と女優の夫との会話から物語がはじまる。ギリシャの大悲劇を素晴らしく演じている婦人は、ごく普通の女性であるのに、どうして素晴らしい演技ができるのか不思議に思っている。夫に裏切られ復習に子供を殺す悲劇をどうして演じることができるのだろう?
劇が終わり、彼女に話しかけるのだが、彼女は母親に電話をかける。母親はこの何十年も窓際に座り、ひたすら食べ続けるだけの生活を送っている。彼女が言うのは、アーモンド・マカロンを食べたいと言うだけである。
夫はこの母親のことをあまり良く思っていない。婦人にもそのことを言うのだが、彼女は母親がどうしてあのようになったのか知りたいのだ、と。昔は素晴らしい女優であったのに、夫が彼女を棄てて家を出て行って以来、38歳から68歳の今日まで、ひたすら座り、背中が痛いと食べ続けるのは何か堪え難い苦痛があったのではないかと、そのことを知りたいだけなのだと夫に話す。
この劇が上演されて以来、婦人が昔と少し違っていると感じた夫は、演出家にもう上演を止めて欲しいと要求するが、契約で6月までは中止できないと断る。婦人は、昔は自然に会っていた夫の前の婦人ヘレンとも今回は会おうとしない。そのためヘレンは傷ついているのだが、それはヘレンの心理状態を知りたいから。彼と別れ、他の女性に彼を獲られた女性の心理を知りたいらしい。それは現在演じている劇の主人公と同じ状況である。
彼女は、熱情、苦しみなどは自分の記憶、体験で感じ、演じられるのだが、唯一未だ実感できないのは、子供を殺すときの心理状態であり、これがわかればもっと素晴らしく演じられると言い出す。
彼女は母親のもとを訪れ、再度、夫が彼女を棄てて出て行ったときの、怒り、自尊心が傷つけられ、それ以来ひたすら生き続けるだけの人生、何か恐ろしいことがあったに違いないと母親に問うが、母親はそれに応えようとしない。

マックス(?)が訪れ話をしている時、彼女が戻ってきて2階の息子のところに行くが、何かセリフのようなことを言っているようなので、心配になり駆けつけると、ナイフをもって子供を殺そうとしていた。

一応の解決を見たある日、マックスが再び訪れ、この劇が好評だったので再演したいと申し出る。夫は断るが彼女は承諾する。そんなある日、彼女は母親のもとに訪れ再び疑問を詰問しているとき、母親は心臓発作で亡くなってしまう。
しばらくして、夫が2階の彼女の部屋に行くと、そこで見たものは、椅子に座りマカロンを食べたいという婦人の姿であった。

所感;名優は役の人物に成り切り、想像の世界に入ってしまう。そんな彼女の悲劇を主題にしている物語である。タミー・グライムが女優を演じなかなか面白いドラマであった。

2016年1月23日土曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Whose Little Girl Are You?]

第百九話

メモの日時;1983年8月29日(月)
タイトル: [ Whose Little Girl Are You?]
Episode; 0576


向かうところ敵無し、不敗のチャンピオンが敗れた。彼女をテニス界のトップにすることが夢であった父親は、母親の反対を押切り子供の頃から厳しい練習を課してここまできたのだ。
試合に敗れた日、父親の反対にもかかわらず彼女は外出し、記事を狙うスポーツキャスターの男と話をする。彼女が何故、得意の技(バック??)を使わなかったのかと尋ねると、彼女はその技を悪魔に売り渡した、と言う。そして、何となく彼女が自殺するような気配を感じる。

自宅に戻った彼女は2階に上がり寝るのだが、夜中に自殺が心配になったスポーツキャスターに起こされた父親が彼女を見に上がると、案の定、睡眠薬を大量に飲んで自殺を計っていた。

彼女を大至急病院に運び入れ、手当を施すが、彼女はその間、悪夢にうなされ続ける。まだ若い頃知り合った男、フォットボールの名選手であるが、化学者として生きていこうとしている彼は彼女に結婚を申し込む。しかしテニスの試合が続き、結局彼は彼女から離れてゆく。

次に出会った男。大金持ちの息子であったが、賭け事に手を出し、家族からの援助も得られず、すぐに5万ドル返却しないと殺されると彼女に話す。そして、彼女にわざと試合に負けるように頼む。彼女の一生そのものであるテニスでインチキなゲームをする。人が悪魔に魂を売るように、彼女はテニスの得意技を悪魔に売り渡す。そして、彼は大金を手に入れ。。。

そして彼女の意識が戻る。そこで、スポーツキャスターは彼女に結婚を申し込む。うわ言で事実を知った父親も結婚を許し、彼女は幸せになる。

2016年1月17日日曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Double Zero]

メモの日時;1983年8月26日(金)
タイトル: [ Double Zero]
Episode; 0570


ある男が殺された。報道で知った男が、殺された男の遺留品であった20ドル札は自分のものだと警察に知らせる。彼はゼロをふたつ(double zero)書き入れた20ドル札5枚を家主のフェンストマーカーに今月の家賃として支払ったと証言する。警察は家主に会って確かめると、彼はこの100ドルを私立探偵のルーサー・ベンホールに支払い、妻の素行調査を依頼した、と言う。
婦人にその相手を聞き、その男がフェアチャイルドということが判明する。彼は尾行されていることは知らなかった、と言う。しかし、ある婦人が現れ、私立探偵のルーサーがチェロキー通り9?11で、女性連れの男と口論するのを見かけ、二人は車に乗り込んで走り去ったという情報をもたらす。
そしてその車の番号から所有者はフェアチャイルドであることを確認した警察は彼に私立探偵と口論したことを認めさせ、容疑者として取り調べを開始する。

ここで新たな登場人物。男と女。フェアチャイルドが疑われていることを知り、新たな登場人物であるジュリアスに命じ、殺人に使用した38口径の銃を彼の身辺から見つかる細工をするように命じる。警察はフェアチャイルドの机の引き出しから見つけ、彼の容疑は決定的なものとなる。

警察は殺されたルーサーの女に会い、話を聞くと、殺される前日に彼からすこい金儲けのネタを見つけた、とのこと。フェアチャイルドの件など取るに足りないものであり、政府絡みの案件だと言う。ルーサーはその男と会う約束をしていたことを知り、メモ帳からその男がクオーレス氏であることが分かる。

この情報を得た警察は、情報提供者のマンソン婦人に会い、クオーレス氏のことを聞き、彼がフィクサーの仕事をしている事を知る。当局のクレーマン警部はクオーレス氏のもとを訪れ、ルーサーとの面談のことを聞くが彼はそのことを否定する。クレーマン警部が帰った後、クオーレスと秘書と称する女性は、どうもクレーマン警部の捜査は、彼個人の資格で動いていると推論する。

その時、ジュリアスから電話。おしゃべりのマンソン婦人が昨日クレーマン警部と話をしていたことを知らせる。女はクレーマンとマンソンをすぐに殺せと主張するが、クオーレスは彼らを買収しようと決心する。
しばらくしてくレーマン警部のもとへマンソン婦人が現れ、どうも尾行されていると知らせ、その男の印象から写真で確認すると、その男はジュリアスであることがわかる。この男は悪人なのだが、今まで証拠がとれず逮捕できなかった。
マンソン婦人の部屋。クオーレスと女が現れ、口止め料をだすから協力してほしいと言い出すが、クオーレスは隠しマイクを予想し慎重に事を運ぶが、ジュリアスがあわててすべてを喋りだしたとき、クレーマン警部が現れ完全に包囲されていると告げる。
クオーレスは400万ドル出すから見逃してくれ、と。自分の仕事は国家の安全がかかっているというが、結局は逮捕される。彼らは国際的フィクサーとして、政治家を買収するなどの動きをしていたところをルーサーに感づかれ、殺してしまったのである。

2016年1月15日金曜日

CBS Radio Mystery Theater  [A God Named Smith]

メモの日時;1983年8月25日(木)
タイトル: [ A God Named Smith]音声は左の英語タイトルをクリック
Episode; 0658


どうもこのエピソードのような荒唐無稽な話をキャッチアップすることは、英語力・想像力の不足が相まって誠に難しい。まずは降参の旗をあげた上でメモをはじめる。
話はスミスと呼ばれた「神」の一生の話。神が生まれたのはそんな昔ではなく1997年のことである。
話はスミスの伝記を書こうとする作家が、スミスを最もよく知る男ルーク・ウインゲートに聞き書きする形で進む。
ルーク・ウインゲートが大学2年生とときスミスが転校してくる。スミスの歳は13歳だが、4年生である。モンキーレンチのエピソードなどで天才の一端を示すなどしながら、ルークはスミスの唯一の「友」となる。
しばらくしてスミスの部屋に訪れるようになり、部屋に置いてあった聖書を見かけ開くと、創世記の箇所の「神」の箇所を「スミスが宇宙つくり。。。」といったように「スミス」に書き変えているのを驚く。
そんなルークにスミスは一見棺のような装置を示し、そこに「宇宙」を生成するのだと告げる。装置が起動し、そこに小宇宙が出来上がるが、なにかの手違いで結局この装置は爆発。ルークは呆然とするスミスを助け出すが、大学の建物を破壊し、放射能汚染を起こしたことによりスミスは退学となる。
スミスが大学を去る日、彼は両親の話をする。父は彼が3歳のとき亡くなったが、母親が精神性の強い人であったようである。そして、伝記作家がルークのことをスミスは彼のガーディアンエンジェルであった、と後日語ったことを話すと、それに対しルークは、スミスが去り際に“自分の命を救ったことは、彼(ルーク)にとっても重要なことである”と話したことを告げる。
それから6年。ルークはジャーナリストとしてのキャリアを上る。多くの応募者の中から彼が選ばれたのは、スミスの起こしたエピソードや事件のレポートが大きく役に立ったとも告げる。ルークは3年間努力の結果、その後署名記事をかけるまでになり、女優のエブリン・ウィルソンとも交際するようになる。そしてそのエブリンがきっかけで再びスミスと会う事になる。
エブリンの劇の後援者がハワード・チューニーであったのだが、このハワードがスミスの後見人でもあり、その仲介でスミスと再会。スミスのもとに赴く。スミスは19歳となっていた。スミスは宇宙の生成実験を未だ行っており、大規模な宇宙を生成し得るようになったが、唯一の失敗は「生命」」を創造できなかったことであると告げる。そして地球外に新たに自分の宇宙を造ると話し、そのために必要なお金を株で儲けようとしていること、そしてルークにはスミスの創る世界への参加を誘われるがルークは断る。
それから6ヶ月後、株の大化けでマーケットは混乱。後見人のハワードは自殺するといった事態にはなるがスミスは大金を得、その資金をもとにスミスの世界建設に邁進することになる。
ルークは突然のクビ宣言。スミスの根回しの結果であり、スミスは1万ドルでスミスの設立した企業で働く事に。コンピュータープログラマーを3000人、科学者6000人擁する大企業。百万人の優れた人物を募集しスミスの世界の住人とする計画が進む。しかし、スミスの「友」というだけで、大きな部屋に特に何もすることのなく座るルークは辞任を求める。しかし、スミスは最後のアサインメントとして西海岸に済む高名な科学者マーチン・コークランドのスミスの世界への参加取り付けを求める。
長期に渡るコークランドの説得に成功しエブリンのもとに戻ると、なにか雰囲気がかわっている。そしてエブリンが話したことはスミスの公園でスミスの世界を扱った劇が上演されるようになり、自分は悪魔の役を得たと話す。
劇の上演される1ヶ月前には地球外へ出発する宇宙船の発射準備が極秘に行われる。そして上演当日、劇が終わった後にエブリンの部屋を訪れると底にはスミスの姿。ルークはふたりのもとを去る。
月日が経て2007年。スミスは地球外にスミスが創造した宇宙世界を造り終える。一方ルークは酒浸りの日々で、弱小新聞社で働いていた。そこにスミスが現れる。それは実際のスミスではなく、投影された「幻影」ではあった。そしてスミスはルークにスミスの世界に参加することを求める。
その頃、優秀な人々が地球からいなくなることを怖れる人々を中心にスミスの暗殺計画がもちあがる。スミスもその集会に参加し、スミス暗殺の目的でスミスの世界に入る事にする。スミス暗殺の武器は髪に仕込んだ毒薬。結局その毒薬はスミスには通用しなかった。毒殺しようとしたのはスミスではなくスミスの幻影であった。
ルークはスミスの世界で投獄。ルーク以外にも反乱者が投獄されていた。そこに現れたのはエブリン。幻影ではあるが、そのエブリンにスミスの妻の権限で解放するよう要求。自分も捕虜であるというエブリンと落ち合い逃亡をはかる。そこにスミスが現れるのだが、そのときファームランドで大爆発。ルークはスミスに科学者ではあるが神ではないと伝える。大爆発に神に祈るスミスを残し、エブリンとルークは他の2500人と宇宙船で逃亡に成功するが、その他のスミスワールドの住人は助かることはなかった。
所感;といったことがあらましではあると思うのだが、面白さはさっぱりわからなかった。

2016年1月14日木曜日

CBS Radio Mystery Theater  [The Briefcase Blunder]

メモの日時;1983年8月24日(水)
タイトル: [ The Briefcase Blunder](音声は左英語タイトルをクリック)
Episode; 0652


タクシードライバーのハリー。客を下した直後ブリーフケースの置き忘れに気づき呼び戻そうとするが、客は去ってしまう。ハリーはブリーフケースの中を調べるとお札がびっしり。ハリーは家に戻り、これで夢のパリ旅行と妻のマリーに告げる。
怒るマリー。ブリーフケースをお客に戻すべきだとハリーに迫る。客がスカッシュのラケットをもっていたことを手懸りに、マリーは客が下りた辺りのスカッシュコードを調べ出し、ハリーにブリーフケースを持ち主に戻すべくスカッシュコートに向かわせる。
受付で事情を伝え、該当する人物のもとに。スカッシュのプレーをしていた人物の人相を確かめその人物の元に。しかしその人物スローンは、自分の持ち物ではないと受け取りを拒否し、タクシー会社に戻せばいいだけのこと、と言い出す。
自宅に戻ったハリー。妻のマリーは何かの違和感を感じ、ハリーが陰謀に巻き込まれているなどと想像豊か。結局警察に戻すことになる。警察に向かったハリーは責任者への面会を求めると、現れた人物はスカッシュコートでスローンとプレーしていた男。この署の責任者フランク・ベンダーと名乗る。訝しく思いながらも、事情を説明し自宅に戻る。
自宅に戻ったハリー。妻のマリーと話をしていると突然の訪問者。ボスの命令でブリーフケースを取り戻しに来た、と。ボスはタクシーの番号を覚えており、タクシー会社にブリーフケースを取り戻しに行ったが無いとのことで、ハリーの家に来たとのこと。ハリーは警察に戻したと伝えるとなにもせずに帰っていった。
ハリーはベンダ警部に連絡。直通電話を伝えられ、翌日警察を訪れ、昨夜の不審人物の事を話し、その人物の特徴から、その男は麻薬事件からんだジョーという男であることがわかる。ハリーを警察の保護下に置くとともに、話の経緯からベンダ刑事はスカッシュ仲間のスローンを疑っているような感触を得る。
翌日のスカッシュコート。ベンダとスローンのプレーの合間にブリーフケースの話。ブリーフケースには4万ドル入っていたとのベンダの話に、スローンは一瞬驚きの表情を見せる。
スローンとジョーの電話での会話;ハリーが1万ドル抜き取っているから取り返せ、と命令。ジョーがハリーをガレージで待ち構え1万ドルを戻せと要求するが、ハリーはなんのことか分からず、1万ドルなどもっていないと否定するのみ。ジョーが去ったあと警察に連絡し、乱暴されたとこと、そして,「1万ドルのことなど自分は抜き取っていないと説明するとベンダ刑事はすべてわかっているから心配するなと伝える。自宅に戻り妻のマリーに話すと、1万ドルはベンダ刑事が抜き取ったといった豊かな想像力を話すが、ハリーはベンダ刑事を信頼していると伝える。
妻はベンダを疑う
警察はジョーを逮捕。ハリーはベンダ刑事に呼ばれスローンを罠にかける虎アップに協力してほしいと伝えるハリーは快諾。プランを説明し実行に移す。
場面はスカッシュコート。ベンダはスローンに麻薬の捜査の状況を確認する。その後ハリーからの電話。タクシーでハリーはスローンにジョーの正体を調べだしたこと、そしてそのボスがスローンであり、麻薬に関与しているといったことを告げ、口止め料として1万ドルを要求する。勿論これはベンダ刑事とのプロットの一環である。
8時に1万ドルを受け取る約束をし二人は会うも、ハリーはスローンに銃で脅され隠れ家に。そこにはベンダ刑事が待ち構えておりスローンが逮捕され一件落着。
その後ハリーはベンダ刑事よりタクシー用の車を貰うかわりに、乗客の話に耳をすませ事件の匂いをかぎ出す覆面警察官のひとりとして活躍することになる。

2016年1月13日水曜日

CBS Radio Mystery Theater  [The Colony]


メモの日時;1983年8月23日(火)
タイトル: [ The Colony]](音声は左の英語タイトルをクリック)
Episode; 0549

ニューハンプシャーを車でキャンピングツアーを楽しむ夫妻。住民600名余りのコロニーと言う町を走っていると、突然円盤が現れる。一帯に円盤着陸の痕跡が残り、それも1度だけではないようである。
驚いた夫妻は警察に通報に出向く。シェリフは応対するも、それほど真剣に取り扱ってくれない。暗くなる前にキャンピングサイトへ行きたいのだが、市長との約束があるので、知り合いの食事処で待っていてほしい、と。
シェリフに連れられ、レストランに向かい女主人と話をしながら待つことに。一方、シェリフは市長と二人の扱いを相談。実は、この市長やシェリフも含め町の住人は宇宙人に「乗っ取られて」いたのである。相談を終え、夫妻のもとに戻り、二人を飲酒運転の罪で拘束する。ありもしない円盤を見た、ということは飲酒運転であると決めつけ、この町の規則では飲酒運転は厳しく罰せられる、との理由である。
否応も無く夫妻は留置され、一晩を過ごす。朝になって昨日のレストランの女主人が朝食をもってくる。ふたりに話すには、自分も円盤を目撃したことがあるし、町の人はすべて宇宙人に「乗っ取られて」しまった、と。自分も理髪店のパーマのような装置に坐らされ、宇宙人に「乗っ取られ」かけたのだが、辛うじてそれを阻止できたと話す。それは、自分の先祖が頑固な精神故に魔女と見做され弾劾されたのだが、その「頑固」な精神を受け継いだ自分だけが「人」として留まった、と。何故この町を出ないのか、との問いには、住み慣れた町を離れられないのだと話す。そして、本日町民集会があり、その場で夫妻も宇宙人に「乗っ取られる」ことになる、と伝える。
集会所に連れてこられた夫妻。市長の周辺に宇宙人の姿を認めながら、集会がはじまる。壇上に呼び出された夫妻。「宇宙人」に乗っ取られることにより、新たな世界がはじまる、といったセレモニーの後、夫は突然スピーチを始める。市長にむかって、勇気、頑固さをもって「乗っ取られた自分」を取り戻せと説得する。結果、市長は「人」に戻る。それを契機に住民すべても断固たる決意で「人」に戻る。
住民すべてが「人」に戻り、町を離れる夫妻。その夫妻にレストランの女主人は、宇宙人に乗っ取られた住民はこの町だけではないかも、と言った余韻を残し物語は終わる。

2016年1月10日日曜日

CBS Radio Mystery Theater  [The Child's Cat Paw]

メモの日時;1983年8月22日(月)
タイトル: [ The Child's Cat Paw]
Episode; 0649

主人公は少女ダイナ。父親が文筆に集中できるよう寂しき地に一時的に移り住む。時は冬。話相手の「友」は猫だけである。部屋で猫を相手の話声に母親は気を揉む。母親はこの猫が何か害をもたらしそうで嫌っている。
ダイナと猫のサミーの会話。父親は小説の締切りで忙しく、母親はその世話で忙しく、自分をなかなかかまってもらえない。そして近くに住むウイリー伯父さんはひとり寂しくしている、といったことを話す。猫のサミーはその寂しい伯父さんに愛する相手を見つけようと提案。伯父にパン屋のふたりの娘グロリアとメギーのうち、グロリアをその相手に選ぶ。
伯父の家に出かけたダイナとサミー。グロリアと付き合うことを勧める。娘ほどの歳の差のあるグロリアと付き合うことに最初は難色を示すも、結局猫のサミーの勧めるグロリアに会いに行くことにする。
グロリアとメギーの住む家に向かう。母親からはついでのことであるので、パンを買ってきて、と。猫のサミーの企みは知らない。店を訪れると、店番には働き者のメギー。グロリアに会いたいと伝えると、彼女はテレビに釘付けである、とのこと。
グロリアに面会。最初は怪訝な面持ちではあったが、ウイリー伯父が大金持ちであると聞いた瞬間に態度を豹変。ウイリーと付き合うことを了承する。伯父とグロリアが付き合い始めたことを知ったダイナの母親は、せめて気立てのいいメギーであったらと、前途を予感されるようなコメントを発する。
ウイリー伯父さんとグロリアの付合いは発展し、結婚の申し込みにグロリアは承諾。婚約指輪を買いに町にでかけるが、グロリアの男友達に見つかり、ウイリー伯父は殴り倒される。あまつさえ。男友達と共にその場を離れるグロリアはウイリー伯父のポケットから婚約指輪を買うための大金を行きがけの駄賃と奪って去る始末である。
雪の中に倒れるウイリー伯父を見つけたのがメギー。医師の手配を済ませ、ダイナの母親に連絡。母親はダイナにウイリー伯父とグロリアを会わせた責任を感じるようにダイナをたしなめる。
朝に美味しく焼けたパンやスープをもって訪れたメギーの魅力にウイリー伯父も気づき、ふたりの交際がはじまるようである。新たな発展である。また、新たな発展としてはダイナと猫のサミーの関係。ダイナはサミーを単なる「猫」として接することになる。新学期もはじまり、ダイナの新たな生活がはじまることになる。

2016年1月7日木曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Son of Satan]

メモの日時;1983年8月19日(金)
タイトル: [ Son of Satan]
Episode; 0587

夜道を歩く男二人。少し前を歩く男の姿に昔の友の面影を見出し、トニー・マーシュは「サム!」と男の名を呼ぶが答えがない。家に戻り妻のロリーナにサムと思しき男を見かけたと話す。共に遊んだトニーとロリーナのもとから消え去り、5年も音信不通であったサムのことは既に亡くなったものだとサムとロリーナは思っていたようである
夜道で見かけた男が入って行った部屋にトニーは確認に訪れる。驚く男。呼びかけに応じなかった理由を尋ねると、現在はサムと言う名を改め、ケイト・バンキャンプと称しているのでサムと呼ばても気が付かなかったと謝る。現在の状況を尋ねると、Son of Satanと称する宗教団体を信奉。その目的は「支配する力」を持つことにある、と。
夕食を招待するトニーの対し、1年近く行っている実験があるが、夜なら大丈夫とのこと。その実験の内容を尋ねると、人工的な小人(homunculus)を造っており最終段階になっている、と。この人工的につくられた小人は世界を支配する力をもつことになると説明する。
それから1年、3人は交流を続ける。トニーは教授となり、ロリーナは子供を授かる。いつもの会話の中でトニーは人工的な小人(homunculus)には「赤ん坊」の意味もある、と指摘。ケイト・バンキャンプもそのうちに「赤ん坊」を授かることになるとのだ、とのトニーの言葉にケイト・バンキャンプは少々戸惑いながらも帰宅する。
翌朝、ロリーナの体調がすぐれない。高熱であり看病が必要なのだが、トニーは学部長との会議を欠席することはできないため、ケイトに電話しロリーナの看病を依頼する。その時、ケイトは「片づけが終わったらかけつける」と。
ケイトが現れロリーナにジュースとピルを与え、赤ん坊には摩訶不思議なトーン、魔法のような旋律を口ずさむ。ロリーナはその歌声を聴きながら眠りに入る。
しばらくして目覚めると奇跡のように回復している。トニーが戻り奇跡の回復などを話していると、赤ん坊が消え去っている。半狂乱のロリーナ。トニーはケイトが連れ去ったと予測し、ケイトの部屋に向かう。
到着したケイトの部屋は爆発して壊れていた。地下室に物を片付け掃除する音。呼びかけに応えるケイトに赤ん坊の場所を聞くと2階に無事にいる、と。爆発の事情を聴くと、実験の手違いから完成寸前に爆発してしまい、人工的な小人(homunculus)も破壊されてしまった、と。トニーが看病を依頼するとき「片づけてから」と言ったのはこういった事情であった。
ここからはトニーの推理ではあろうが、人工的な小人(homunculus)も破壊されてしまった実験室に赤ん坊を連れ帰ったことなどから、妻の病気を奇跡的に回復させたのは赤ん坊の力ではないか、と。爆発で人工的な小人(homunculus)を破壊されたケイトは、人工的な小人(homunculus)=赤ん坊、といったトニーの言葉を想いだし、赤ん坊に魔法をかけ、その力によって病気が快復したのだろう、と。
大物になりたい、愛されたい、力を持ちたいと願っていたケイトであるが、通常のやり方では自分の願いが叶いそうでないため、人工的な小人(homunculus)=赤ん坊をつくりで「大物」になり世界を支配しようとした。
そんなときトニーに閃いたのは、赤ん坊こそが世界を支配する存在である、ということ。泣けば黙っていても面倒みてくれるし、赤ん坊の願いは誰でも叶えてくれる。赤ん坊こそが世界を支配する存在であった。

2016年1月6日水曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Boomerang]


メモの日時;1983年8月18日(木)
タイトル: [ Boomerang]
Episode; 0676

主人公はマリー。16歳。数年前父亡くし、街から離れた周囲に家屋とてない田舎に母親と二人で暮らす。現在のマリーの関心はロビン・グレー青年。年齢30歳。小説を書くためにロンドンからこの地を訪れ、近くの海岸に住み1年近くなる。マリーは同世代の男性には興味を示さず、ロビンに恋する。ロビンはそれに対し少々負担に感じているようである。
マリーの母親のキャロルは恋人である医師ジョンにマリーのことを相談。ロビンと会わない時は一人部屋に篭り、低い声で何かを呟いており、それは「祈り」のように感じる、と。その夜、マリーは「魔術の言葉」を呟き、会いに行きたいとロビンに願うが、小説の最後の仕上げに忙殺されているロビンはそれを断る。母親のキャロルが「祈り」と思っていた呟きは「魔術の言葉」だった。 母のキャロルがマリーの部屋に入ると窓が開け放たれ誰もいない。ロビンの断りも無視しマリーは雨の中ロビンのもとへ行く。しかし雨に打たれ病気になる。
1週間後。ロビンがマリー宅に現れロンドンに戻ると伝える。小説が完成し、出版社との打ち合わせのため、その日の午後ロンドンに向かうとのこと。部屋で床に伏せていたマリーは母親からそのことを聞き、「魔術の言葉」と共にロビンを車で追っかけるが交通事故に遭う。
その1週間後。事故より回復したマリー。今度は銃を持って車で家を離れる。その銃は母親キャロルの恋人である医師のジョンが護身用にキャロルのもとに置いていたものである。(ここからは夢か、実際にロンドンにいったのかはっきりわからないが、)追いかけた母親とジョンの制止もあり、マリーは「魔術の言葉」と共に銃を撃つも誰も怪我することなく終える。
そしてマリーと母親の恋人ジョンとの会話。母親との結婚の承諾を願う話の中で、ジョンは突然マリーが呟く「魔術の言葉」を語り始める。驚くマリー。更には魔術を願う者なら必須の書籍を挙げ、マリーにその本を読んだかと尋ねる。読んでいないと応えるマリーに勉強不足だと指摘。勉強不足だから、「魔法のことば」の助けをもってしても、ロビンに会いに行っても病気になるし、車で追っかけても会うこともできず、逆に事故に遭う始末。銃も目的を達することができなかった、と。マリーが魔術に心が向かったのは(はっきりとは聞き取れなかったが)14歳で父親の死に際して、神の加護が得られなかったため、逆に悪魔に助けを求めるようになった、よう)。
で、医師のジョンが告げるには、医師とは昔の魔術師の後裔のようなものであり、自分も魔術の書物はしっかり勉強した、と。魔術にも「黒魔術;自己の欲求・欲望を満たすために行われる魔術」と「白魔術;利己ではなく利他のために行う聖人の魔術」があり、マリーも白魔術を学ぶべきと教える。
そして、家族となった3人揃って「魔術」の古典が所蔵されているストックホルムの王立博物館への旅を提案する。http://www.cbsrmt.com/episode-676-boomerang.html