2013年7月16日火曜日

CBS Radio Mystery Theater [Wuthering Heights]

CBS Radio Mystery Theater 一日一話 [Wuthering Heights] メモの日時;1983年6月8日(水)
タイトル: [Wuthering Heights]
Episode; 0643

エミリーブロンテの古典、「嵐が丘」を脚色した作品。
物語は家政婦であるネリー・ディーンの語りからはじまる。「嵐が丘」に住むアーンショー氏はロンドンやリバプールで見かけた、困っている人を邸宅に連れてくる。この物語の語り手で、家政婦のネリー・ディーン夫人もその一人だが、今回はジプシーの孤児に出会い、邸宅に連れ戻る。野生児のようなその子供にネリーは粗略な対応をしようとするが、主人のアーンショー氏は実の子の兄弟として対するように命じ、そして名前を幼くして亡くした子と同じヒースクリフと名付ける。
アーンショー家には兄と妹がいた。アーンショー夫人は子供達が幼い時に既に亡くなっていた。兄のヒンドリーはヒースクリフに辛くあたるも、妹のキャサリンとは仲良く過ごす。ヒンドリーは大学にいくことになり邸を離れ、キャサリンとヒースクリフは仲睦まじく過ごす。
ある日アーンショー氏が眠るようになくなる。アーンショー氏の葬儀にも戻らなかったヒンドリーであるが、結婚したフランセスとともに「嵐が丘」に帰ってくる。家の主人となったヒンドリーはヒースクリフを兄弟ではなく単なる召使として扱う。ヒースクリフとキャサリンの楽しみはヒースの茂る丘での二人だけの時間。丘で遊ぶ二人は好奇心から上流階級の家族の住む「スラッシュクロス」を訪れ、そこに住む兄のエドガーと妹イザベラ相手に悪ふざけをするが、キャサリンは番犬に噛まれて傷つき、5週間「スラッシュクロス」に留まることになる。そしてクリスマスが近づく頃、嵐が丘に戻ったキャサリンは上流階級の令嬢に大変身していた
。 ヒースクリフを心の底から愛するキャサリンも、裕福なリントン家の嫡男であるエドガーから求婚され、エドガーと結婚するか、困難であってもヒースクリフと一緒になるかとネリー相手に悩みを打ち明ける。そのときヒースクリフが二人の話を偶然耳にし、エドガーを選んだと思い込み、「嵐が丘」から姿を消す。発言の真意を伝えようと雨の中後を追うキャサリンも彼の姿をみつけることはできなかった。
数年後、ヒースクリフは見違える姿で「スラッシュクロス」のキャサリンのもとに現れ挨拶。復讐の始まりである。まずは自分を粗略に扱ったヘアトンへの復讐。「嵐が丘」に滞在しフランシスを亡くし、その子のヘアトンも顧みず荒れた生活を送るヒンドリーと賭博カード。結局ヒンドリーの財産を奪い「嵐が丘」を我がものにし、ヒンドリーの子のヘアトンには教育の機会も与えず捨て置く。
そして次は自分を捨てたキャサリンと、自分からキャサリンを奪ったエドガーへの復讐。ヒースクリフはエドガーの妹のイザベラに近づく。ヒースクリフの真意を知るキャサリンはイザベラに忠告するが聞き入れられない。また、それ以上にヒースクリフのイザベラへの接近は虚飾の恋愛ゲームと知りながらも、ヒースクリフへの想いを捨てきれず悩み、心の病に冒される。
ヒースクリフの魅力に惹かれたイザベラは、結局、キャサリンの忠告やエドガーの制止も虚しく「嵐が丘」に出奔しヒースクリフのもとに。ネリーは「嵐が丘」を訪れ、復讐故の結婚を辞めるようにヒースクリフに懇願するも一顧だにされず。逆に病で倒れたキャサリンに会えるよう、手紙を託される。キャサリンのもとに訪れたヒースクリフ。二人は愛憎こもごもの感情での抱擁。これが二人の最後の出会いとなる。
病のもと娘を出産したキャサリンは出産後ほどなくこの世を去る。キャサリンの死を知らされたヒースクリフは慟哭に沈む。キャサリンの墓を暴き、リングとともに自分の黒髪を供える。

ここから話は、次の世代に展開。「嵐が丘」では、荒れた暮らしで無一文となり、ヒースクリフの情けに縋って暮らしていたヒンドリーも今は亡く、イザベラは病弱の子リントン・ヒースクリフをもうけていた。一方の「スラッシュクロス」では、病に冒されたエドガーはキャサリンの忘れ形見、その名も母の名を継いだキャサリン・リントンを護り、家政婦のネリーとともに暮らしていた。
ある日のこと、家政婦のネリー・ディーンの制止も聞かず「嵐が丘」に足を伸ばしたキャサリンはヒースクリフに出会い、「嵐が丘」に招待される。制止するネリー・ディーンの諫言も虚しく「嵐が丘」を訪れたキャサリンは従兄弟であるリントン・ヒースクリフに会う。「スラッシュクロス」に戻ったキャサリンは父の制止も聞かず、病弱なリントンの世話をするとの約束を守るため再び「嵐が丘」に。リントンの書いたラブレターにも心をうたれた、よう(実際はヒースクリフが書き、キャサリンを呼び寄せるための奸計と言った印象を暗示している)。その頃、父のエドガーの病気も重篤な状態に陥っていた。 「スラッシュクロスクロス」に姿を現したヒースクリフは家政婦のネリーも「嵐が丘」に呼び寄せる。「嵐が丘」でリントンの世話を済ませたキャサリンとネリーが「スラッシュクロス」に父親の看病に戻ろうとするが、ヒースクリフは二人を閉じ込める。「スラッシュクロス」で病に苦しむエドガーが亡くなるまで帰さない、と。エドガーを惨めな状態に陥れるためである。そして、リントンとキャサリンの結婚証書を作る上げ、二人を夫婦としてしまう。キャサリンは自分を必要とするリントンへの同情からの恋愛故か、結婚を受け入れる。
キャサリンはヒースクリフに、彼が亡くなっても悲しむ人など誰も居ないと告げたその夜遅く、墓場にローソクの光。訝しく思ったネリーが向かうと、墓場にヒースクリフ。穴を掘っており、自分が亡くなった後は亡きキャサリンの眠る方角に向けて葬ってほしいと告げる。
病弱なリントンも亡くなり、父親も既にいなくなったキャサリンは、孤独で行き場もない。ヒースクリフは「スラッシュクロス」と「嵐が丘」の二つとも我が物にした。ネリーは、キャサリンにヘアトンと友だちになることを勧める。読み書きも出来ないヘアトンに読み書きを教えては、と。二人を近づけさせようとしないヒースクリフではあるが、次第に静かに、そして弱っていく。そうして何故かヒースクリフは食を断ち、そしてある雨の夜、雨に打たれ地面に横たわるヒースクリフの姿。既にこと切れていた。

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