2013年9月5日木曜日

CBS Radio Mystery Theater  [A Tale of Two Worlds]


メモの日時;1983年8月1日(月)
タイトル: [A Tale of Two Worlds]
Episode; 0738



主人公は連続ドラマに7歳から20歳に至るまで13年間出演を続け、現実の人生とドラマで演じてきたフィクションの人生の境目が渾然一体となった青年に起きた摩訶不思議な物語。
ドラマで義理の父親に殺されかけた青年。当初のプロットでは、ここで奇跡的に助かるはずであったのだが、1年前に就任したプロデューサーの意向で、ここで死んでしまうことになる。そんな話を前もって知らされていなかった青年は、ドラマでの「死」を現実の「死」を同一視する。子供の頃からドラマと共に人生を送ってきた青年には現実世界とフィクションが渾然一体となってしまっていた。
ディレクターは契約期間終了前での「降番」であり、出演料は期間中貰えるのだから、ゆっくり別のドラマ出演の機会を探したら、などとアドバイスするが、そんな話が青年に通じるわけもなく、青年はプロデューサーに詰め寄り、自分を殺さないで、と訴える。しかし、ドラマでは彼の葬儀までプロットが出来上がっていると、その願いを冷たく突き放したプロデューサーに青年は怒り、その態度にプロデューサーは恐怖を覚えるようになる。
撮影現場での事故にも青年の殺意と恐怖を感じるプロデューサーは、警察に青年の逮捕 を望むが、証拠がなければ逮捕できない、と。仕方なくプロデューサーは「注意」してもらうことを依頼する。
一方で青年の母親役の共演者は、青年の気持ちも共有し、またテレビ番組を見た視聴者もこの場面で青年が消え去ることを望んでいない、といったアンケートの後押しもあり、ディレクターにプロットを変更し撮り直しを願う。余分の予算に渋るディレクターを説き伏せ、プロデューサーに相談することなく、脚本家にプロットの書き換えを承諾してもらう。
で、変更し、最新の医療設備で青年を「生かす」プロットのフィルムチェックの場にプロデューサーが現れ、変更に怒る。が、そのフィルムの中で、重体で横たわる青年の場面に、窓に青年が映るとプロデューサーが怯える。ディレクターも共演者もそんなものは見えない、といった話をしている時に警察からプロデューサーに電話が入る。
電話の内容は、青年が自動車事故に遭った、と。そして危篤状態であったが、奇跡的に回復したと告げる。その奇跡が起きた時刻は、プロットの書き直しで、青年が「生き返る」ことになった時刻と同じ午後5時25分であった。

0 件のコメント:

コメントを投稿