2013年9月15日日曜日

CBS Radio Mystery Theater  [The Man from Ultra]


メモの日時;1983年8月5日(金)
タイトル: [The Man from Ultra]
Episode; 0578


ジム・グラムの画廊にいつものようにソノ・ナキーラと呼ばれる男が現れ、贔屓の画家ジェフリー・へイルの作品を求める。しかし画商の返事は、新作は届いておらず、代わりに奇妙な1ドル札が送られてきた、と。画商に奥に連れて行かれ1ドル札を見ると、そこにはワシントンの肖像の替りにソノ・ナキーラが描かれていた。
会った記憶もない自分の肖像を描かれたことを怪訝に思い画商に訪ねると、贔屓の画家は精神病院に入っており、そこで日がな一日1ドル札にソノ・ナキーラの肖像を描いている、と。1ドル札はジェフリー・へイルの幼児時代の象徴であり、1ドル札を通じて幼児時代の空想の世界に入り込んでいるのだとの医師の見立て。
お気に入りの絵画がもう手に入らないことを嘆くソノ・ナキーラはジェフリー・へイルの病を治し、再び絵を描けるようにすると宣言する。そして画商のジム・グラムは精神病院に画家を訪ね、二人で話をすべく看守に遠慮してもらう。しばらくして、画家は「指示の通り」という言葉とともに画商を殴り倒し病院から逃亡。聞こえてくる「指示の通り」逃亡し、ある部屋に入るとそこにはソノ・ナキーラが待っていた。
ソノ・ナキーラは魔法使いの医師と名乗り、幼児の空想の世界に逃げ込んだ画家を現実の世界に直面できるようにすると告げる。話の中で画家はいつだったかこの「魔法使い」に会ったことがあると思い出すが、ソノ・ナキーラは、それは1年半前である、と。画家がジュディと呼ばれる彼女と楽しいひと時を過ごしていたとき、何気なく傍を通ったソノ・ナキーラの一瞬の瞳の中に、恐怖、空虚感を覚え、楽しいひと時が一瞬にして消え去り、画家の精神に異常をきたしたと判断する。
ソノ・ナキーラは画家を研究室に連れて行く。そこで画家は幼児時代から思い描いていた空想のすべてを追体験することになる。放射能の汚染で引き起こされた病気を治す新薬の開発、サーカスの一座、私立探偵、アフリカの地でのあれこれ、などなど、すべてを常にジュディという女性とともに体験する。
そして空想の世界から戻った画家に魔術師が話すには、このまま空想の世界に留まり精神病院に閉じ込められるか、厳しい現実の世界に戻るかとの選択を迫る。それも10秒以内に、と。幼児時代から成長するには決断が避けられない。決断こそが成長の証であると説明する。
ソノ・ナキーラは自分の正体はウルトラという惑星から来た者だと名乗る。ウルトラでの生活に耐えられず。この地球に骨休みに送られて来たのだ、と。そして、ジュディと画家のデートの時に、通りかかった自分の何気ない眼差しで画家の純粋な精神を崩したことを告白する。そのこともあり、画家の天才である絵画を再び描いて欲しいとの希望もあり、画家の成長を手助けにきた、と。それにともなう代償は画家が年相応に老けることであり、それが嫌なら精神病院に戻り「幼児」のままで一生過ごすしかないと伝える。
画家は困難な現実世界に戻る決断をする。ソノ・ナキーラに導かれドアを開けると、そこには恋人のジュディが待っていた。二人の話が始まるが、画家はふたりの愛が信じられないと躊躇する。決断を避ける画家にソノ・ナキーラはその躊躇の底には空虚さがあるのだろうが、それはジュディの愛で埋められる、と。こういった現実から逃避をしないで直面しなさい、と。ソノ・ナキーラが自分の惑星社会ウルトラで我慢できなかった原因は、ウルトラには愛が無かったことだと告白する。
そして躊躇しながらも画家が下した決断は夢の世界に逃避しないで現実に直面することであった。

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