2016年1月31日日曜日

CBS Radio Mystery Theater  [The Mark of Cain]

第百十六話

メモの日時;1983年9月7日(水)
タイトル: [ The Mark of Cain]音声は左の英語タイトルをクリック
Episode;0572


旧約聖書の『創世記』の第4章に登場する兄弟ケーンとアベルのエピソードをベースにつくられたガンマンの話。WIKIPEDIAによれば、聖書ではカインとアベルは、アダムとイヴがエデンの園を追われた(失楽園)後に生まれた兄弟であり、カインは長じて農耕を行い、アベルは羊を放牧するようになった。カインは収穫物を、アベルは肥えた羊の初子を捧げたが、ヤハウェ(全能の神)はアベルの供物に目を留めカインの供物は無視した。嫉妬にかられたカインはアベルを誘い殺害する。神はカインに対し、彼を殺す者には七倍の復讐があることを伝え、殺させないよう刻印をしたという。これが「カインの印:The Mark of Cain」である。

この物語の舞台は大西部時代。孤独なガンマンのケインタック。姓も名もなく、ケンタッキー生まれということでつけた名である。今日も酒場で銃の決闘に応じ、噂に違わず相手を倒す。これを見ていたクレイトン家の父と娘。父親はコロラドの牧場主であるが、東部からの移住者や牧羊主との土地の境界争いのため、ガンマンとして働いてくれるよう依頼する。ケインタックからはっきりした答えを得られないまま分かれる。

蒸気船(?)で帰路につく親子。そこに思いがけなくケインタックが現れ、依頼を受け入れ、共に列車に乗り継ぎコロラドの牧場に。家の前は一面の大平原。しかしその大草原には移住者や牧羊主との土地の境界争いの地でもある。そしてその牧羊主パターソンとは昔は仲がよく、互いの娘と息子を結婚させる約束もあったほどだが、牧場主にとっては牛の飼料である草を食べ尽くす羊は天敵であり、未だ土地争いの決着はついていない。
牧場主の娘セレン。父親の想いとは異なり、東部での教育の甲斐もなく生粋の西部の娘と広言する。そこに現れたのが牧羊主パターソンの息子であるイーナク。金で雇われたガンマンを見下すが、そんなイーナックにセレンはフェアな決闘に相対すガンマンは尊敬すべきであると反論する。
場面は牧羊主の家。パターソン氏とその夫人がクレイトン家との諍いについての話に、クレイトン家が雇ったガンマンがケインタックであるといった瞬間に驚く婦人。その殺人者を自分の目で確かめると家を出る。
丁度その頃、馬の面倒をみていたケインタックのもとにセレンが現れ、乗馬に誘う。忠告も聞かず勢いよく走りだしたセレンは落馬。セレンを介抱するとき、それまでミス・クレイトンと呼んでいたのが思わずセレンと呼ぶ。それをきっかけにセレンは初めて会った時から恋焦がれていたと告白する。躊躇するケインタックにセレンは強引にキス。ケインタックもそれに応える。
しかし、それでも恋に躊躇するケイタックに何から逃れようとするのかと問い詰める。それに対しケインタックは自分のことを打ち明けはじめる:ケンタッキーでアダムとイブという両親のもとに生まれ、羊の世話に真面目に打ち込む兄のアベルとの比較に絶えられず、またセーラという女性をめぐって決闘となり兄を撃ち殺してしまう。その時に「神の声」。聖書の言葉とともに、ケインであることを明示すべくまぶたに傷を受ける。「神の声」によれば、その傷は誰からも報復を受けることのないように付けられたもの、と。そして、それ以来家を離れ、ケインタックという名でガンマンとして生きてきたとセレンに話す。
その時現れたのがイーナック。二人を付けてきた、と。そして決闘を申し込む。その時馬車で駆け付けたのがイーナックの母親。その顔を見てケインタックは驚愕。それは昔兄のアベルと決闘のもとともなったセーラであった。セーラはパターソンの妻となっていたのだ。
しかし、決闘に心をはやる息子イーナック、そしてそれを受けて立つケインタックに告げたのは、イーナックはケインタックの恋の結果生まれた子供であるということ。そのことはパターソン夫婦ふたりの秘密として息子には話をしていなかった。驚くケイタック。しかしイーナックは事ここに至って決闘は避けられないと引き金を引く。倒れたのはケインタック。彼はわが子に引き金を引くことなく倒れる。その姿をみたセーラは、これでやっとケインタックは安住の地を得たのだ、と。

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