2016年1月30日土曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Killer's appointment]

第百十五話

メモの日時;1983年9月6日(火)
タイトル: [ Killer's appointment]
Episode;0537

夢見る娘リディア、19歳。母親の心配もよそに、ハーバート・ラーセンとの幸せを祈る。結婚式を明日に控えたある日、保安官からの電話。ハーバートが会社の金を強盗し警備員を殺し逮捕された、と。彼の無実を信じるリディに彼は罪を認める。
彼の愛、彼との結婚だけが夢のリディアは、身代わりを申し出、事の次第を彼に聞き、金を持って自首する。獄に入った彼女はハーバートとの面会だけを楽しみにしているのだが、彼は次第に面会に来なくなり、手紙も届かなくなったある日、面会に来た母親から、ハーバートが金持ちのむすめと結婚したことを告げられる。
幸せに暮らす彼を恨み、看守を騙し脱獄。あと一歩で彼を殺せるところで保安官に止められ、再び獄に入る。
前の罪に脱獄、殺人未遂が加わり22年間、人生の一番いい時期を獄に閉じ込められ、 40前まで獄に。獄で看守にハーバートに関する記事を読んでもらい、素晴らしく成功した人生を送っている彼を彼女も喜ぶ。そして、彼の最も幸せなとき、彼を殺して全てを失わせるのが彼女の唯一の支えとなる。
やっと刑期を終え、彼の会社に電話し居所を聞き、酒場に出かけそこで見つけた彼の姿は40代とは思えない、やつれ果てた男になっていた。
酒場のバーテンは保安官の息子であり、彼女の事を良く知っていた。彼が言うには、ハーバートはこの29年間酒浸りの日々であった、と。
リディアはハーバートに話しかけるが、はじめは誰かもわからず、昔、愛した女性と良く似ている、と言う。リディアは自分であると告げ、彼を殺しに来たと告げる。ハーバートは怖れることもなく、「妻に愛されず自分はこの20年間、苦しみ続けたといい」、この苦しみから逃れることが出来るのだから、殺してくれ、と言う。
「私を愛しているのなら、殺してくれ」と言うハーバートに、リディアは分別を取り戻し「殺さない。生きて苦しめばいい」と告げる。最も苦しいことは、殺すことではなく、生き続けさせることである、と。彼女は悪夢から醒め、19歳の時の自分に戻り、自分の前に開けた人生を暮らしていこうと決心する。

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