2013年5月19日日曜日

CBS Radio Mystery Theater [Trial for Murder]


1983426(火)
タイトル:[タイトル:[Trial for Murder]
Episode:0728


有名な作家チャールズ・デイケンズの古典的ミステリー。
話はディケンズのファンからもらったロープ、悪名高い盗賊の絞首刑に使われたものであり、それを手に新しいミステリー小説を構想しながら眠った翌日から話が始まる。
このロープ、朝起きると手首に固く巻きつく、といった不思議な現象を起こす。朝、一緒にミステリーを書くウイリアムがやって来る。そして新聞を見せ、殺人事件の記事を知らせ、この事件が今考えているミステリーに大変参考になる、と述べる。
ディケンズも構想中の主人公と似通っている被害者の事もあり、翌日より執筆を始めると約束しその日は別れる。翌日ウイリアムと話をしているとき、窓から見た二人の男、後を追いかける男は「死人の顔」。だが、周囲の人たちは二人に全く気づかないようである。
何日かたって、ディケンズは殺人現場が詳細に現れた夢を見る。ウイリアムに話すと、最初は新聞の記事とか、今書いている筋が無意識に夢となったとするも、最後には只の夢ではないと納得することになる。そして、偶然にも、ウイリアムと一緒に同じ裁判所に陪審員として出席する連絡を受ける。最初は躊躇していたディケンズではあるが、小説の参考になると出席すると、その事件こそが話題にしていた殺人事件であった。
そして、その時、先日窓から見かけた「死人の顔」の男が法廷に現れ、ディケンズは恐怖を感じる。「人には現実世界と超自然界の間を感じる能力を持つ者」がおり、ディケンズとウイリアムもそのひとりである。審議に入り、陪審員の承認を被告に求めるも、ウイリアムやその他の人の時は全然気にしなかった被告が、ディケンズには突然喚きだし否認。弁護士の取り直しで一応おさまる。
審議が開始されても、本来12名の陪審員が全体で12名多いような奇妙な感覚を受けるが、一人一人数えると12名しかいない。霊が陪審員全体を覆っているのである。
検察側から、被告の部屋の2(被害者の2回の住人)から、ポートレート入りのロケットが発見されたと裁判が展開してゆく。弁護側は見つかった剃刀(被告の部屋から2個見つかる)とこのロケットだけでは証拠不十分とし、自殺であると弁護するが、そこに霊が現れて弁護士を苦しめ、弁護を支離滅裂にしてしまう。また陪審員の評決時の、陪審員長に任命されたディケンズは憑かれたように評決を有罪にまとめようとする。そして判事の背後にも霊が現れ、有罪の判決が下る。
これに対し、被告は、この判決はディケンズが陪審員として登場した時から判っていたことであり、昨夜もディケンズが枕元に忍び寄り、ロープで首を締め付けた、と。殺された男はこうして復習を遂げ、霊は消え去った。
因みに原作も読んだのだが、このラジオドラマはその基本を共有するも、全くの別物として面白く仕上げられていた。

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