2013年5月28日火曜日

CBS Radio Mystery Theater [The Hound of the Baskervilles]

メモの日時:198355日(木)
Episode;0609

コナンドイルの古典的名作、「バスカビル家の犬」をもとにした作品。冒頭は、ベーカリーストリートでのホームズと助手のワトソンの会話から。オフィスを訪れるも、会えずに帰った顧客の忘れ物である杖をもとに、二人でその人物像を推論する。杖に残された手掛かりから、田舎に住み住人に信頼されている医師といった人物像を浮かび上がらせた頃、その人物が登場。推測通りのその人、モーティマ氏は、ホームズとワトソンに、あいさつもそこそこに、バスカビル家の呪われた歴史の話を始める;二代前の領主ヒューゴバスカビル氏は粗暴な人物で、可愛い女性を監禁し、悪友と大騒ぎ。その女性が逃亡したとわかると、仲間と追いかけ、その結果、仲間が見たものは、疲れ果て息絶えた女性と血に塗れたヒューゴの姿。そに傍には巨大な犬が口に血糊の跡を残し佇んでいた。その恐怖故か、ヒューゴの仲間も日を経ないで悪夢と衰弱で亡くなった。その後、バクカビル家は呪われた一族となった、と。
で、ホームズ。それが自分とどう関係するか、との問いに、モーティマは3週間前の新聞を見せる。そこには現バクカビル家の当主である、チャールズバクカビル氏の死亡記事があり、外傷は全くないものの、恐怖のあまり心臓が止り亡くなった。そして現場には犬の足跡が残されていた、といった新聞には書かれていない事実を打ち明ける。そして本題。当主の友人として信頼され、家の呪い故にまさかのときの後事を託されていたモーティマ医師は後継者を探すことになった、と。この現当主には後継がなく、兄弟のうちの一人は出来が悪く南米で亡くなり、もうひとりの兄弟の子供をカナダで見つけ後継者として英國に招くことになったのだが、ホームズにこの呪われた家系の後継者を護ってほしいと依頼する。
翌日後継者の登場。早速、英國を離れるように、との警告文を受け取ったこと、そして不思議なことに、二日に渡り、自分の靴が盗まれたことを伝える。で、別件で忙しいとするホームズは、ワトソンに毎日レポートを送るよう依頼し、ホームズの代わりワトソンが後継者のヘンリーとともにバクカビル家に赴く。
バスカビル家の召使バリモアの奥さんに迎えられたバスカビル家でのその夜のこと、真夜中に物音。ヘンリーとともに後をつけると、窓際でロウソクを揺らし啜り泣くバリモア夫人。そしてそれに呼応する光が荒野に灯る。事実をただすと、脱獄した男が召使のバリモア夫人の兄弟であり、光を合図に食料を夫が届けているだけで、それ以外の悪意はない、と。また脱獄囚は国外に逃亡の手筈がついているので見逃して欲しいと懇願され、その願いを受け入れる。
その翌日、荒地に住む植物学者ステイプルトンの登場。家に案内されると、彼の美しい妹は、ワトソンを後継者のヘンリーと誤解し、すぐにこの地を離れるようにと兄に内緒で伝える。また後日この妹に会った後継者のヘンリーは彼女に心を奪われ求婚するも、兄は不愉快な態度を示す。そして、ステイプルトンから、荒野の洞窟に人影を見たとの話を聞く。
後日その事実を確かめるべく洞窟に向かったワトソンが見た人物、それはホームズであった。ホームズは秘密裏に行動することにより、真相を掴もうとこういった行動をとったと説明。ワトソンが毎日送ったレポートも一日遅れではあるが目を通していたと、不満顔のワトソンを宥める。そうしてホームズが調べた情報によれば、兄弟とするステイプルトンは実は夫婦であり、それも、亡くなった当主の南米で亡くなった兄妹の子供であることを告げる。それはワトソンが送ったレポートにステイプルトンが学校経営に失敗した、という話をきっかけとして分かった事実であるとワトソンを褒める。
そのとき、犬のなきごえと突然の悲鳴。ふたりが駆けつけると、そこに血塗れのヘンリーが横たわっていた。が、よくみると、それはヘンリーの服を着た脱獄囚セルダンであった。服は召使のバリモア夫人が差し入れたものであった。そこにステイプルトンの登場。ホームズと始めての対面。ステイプルトンに益々容疑を深めたホームズは、犯人に罠を掛ける。
プロットはワトソンと共にロンドンに帰ると告げ、ヘンリーを一人で夜の荒野を歩かせる。そして深い霧の中犯人の登場を待ち構えていた二人がみたものは、ヘンリーに襲いかかかる巨大な犬。それも伝説の犬と同じく口から火を吐いていた。咄嗟に銃で犬を射殺し、犬を調べると、光っていたのは燐を細工していたことがわかった。この事件にはステイプルトンが関与していると、ステイプルトン家を尋ねると、夫人が縄で縛られていた。
夫人の話によると、殺人計画に反対し縛られ、犬は主人が飼い、呪いを利用し、現当主を恐怖に陥れて死に追いやった、と。ステイプルトンの行方を尋ねると、闇の荒野の底なし沼に足をとられたのであろう、と。
夫人は底なし沼を避けて安全に犬小屋へ向かう道につけた目印を変えてしまった、とも告白する。
最後に、ヘンリーの連続した靴の盗難事件の真相。犯人は植物学者。犬にヘンリーの匂いを覚えさせるために盗んだのだが、最初は買ったばかりの靴で匂いがついていなかったので、翌日に使い慣れたヘンリーの靴を盗む必要があったためである、とのホームズの推論に一同脱帽。
所感;夜中に窓からロウソクを灯していたのは、バリモア夫人はではなく主人であったり、荒地に住む偏屈な老人と、その娘でステイプルトンの結婚話に騙され当主殺しに利用されたその娘など原作に登場した人物がこのドラマには登場していなかったようである。

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