2013年8月16日金曜日

CBS Radio Mystery Theater  [Escape to Prison]


メモの日時;1983年7月20日(水)
タイトル: [Escape to Prison ]
Episode; 1344



トムが空港で出発便を待っているとリズ(エリザベス・マーロー)が現れ、彼女の夫ウディ(ウッドロード・エルズワーズ・マーロー)は何処に居るの?手紙を渡さなければいけない、と聞かれる。驚いたトムは出発の遅れもかまわず彼女に、“彼は5年前に死んだのにどうしたの?”と応える。
彼女は納得するはずもなく、会社を訪れ秘書のローズにも夫の所在を尋ねる。ローズも驚き、リズにウディは5年前に死んだこと、会いたいのなら墓地に行けばいいと取り合わない。この国際的な香水会社の社長の座を同僚のテッド・バトラーと争い、その疲れから出たものだと、リズに休むようにと勧めるのである。
しかし、リズはあきらめることなく、今度は友人の女性ルイーズ・カールソンの家を訪れ、“私を騙して飛行機で出発するように見せかけ、ここにいるのは分かっているのだから、主人に会わせてほしい”と言う。そうこうしているとき、精神分析医が酒を飲みたいことにかこつけてリズの家を訪れる。主人がいないと困っていると友人から伝えられ様子を見に来た、と。リズを寝室に連れてゆき、夫の住んでいる様子がないこと、また墓石の銘を見せてリズに納得させようとする。しかしリズは、自分は陰謀に巻き込まれており、その黒幕は同僚のテッドである、と。同僚のテッドは自分の精神状態を混乱させ、社長になることを妨げているのだと主張する。
そして、とうとう、リズは警察に出向き、主人ウディの行方を探して欲しいて依頼する。そこで応対したのが、隊長補佐の男。偶然にも5年前の事件を担当した者であり、リズのあまりの訴えに調査し直す事を約束する。このことを知った分析医はこの件を警察が取り上げないようにと電話するが、何か掘り返されたくない事情でもあるのかと、逆に言動を慎むように忠告される。
ここで隊長補佐の男の調査が開始される。まずトムに会い、空港の事を質問する。調べてみると、トムとリズはウディと知り合う前の恋人同士。ウディが死んだ後、トムはリズに結婚を申し込んだが断られたとのことで殺人の動機がでてきた。秘書のローズもウディを殺害する動機があることもわかる。ルイーズも調査で、出発日にウディから渡されるはずであった手紙を結局入手できなかったことが分かる。陰謀の黒幕と見なされるテッドも、リズの社長就任に反対するのは、ウディはマーケティングには有能だが、会社経営に必要な財務・人事を知らないからである、といった事実が。
そして調査が進行したある日、隊長補佐はリズのもとを訪れ、ひとつの大きな疑問を解明しようとする。それは、トムとルイーズの証言から、5年前の出発日にウディからルイーズに宛てた手紙があった、ということ。しかし、結局その手紙はルイーズに渡されていない。5年前の調書には手紙のことは何も述べておらず、2日前のトムの出発日にリズがとった行動で、唯一5年前と異なっていることは“手紙を渡しに来た”と述べていること。
隊長補佐はリズに手紙の所在を尋ねる。はじめは何も知らないと言い張るが、説得が功を奏し、リズはウディのポケットから落とした手紙を拾ったと述べる。その内容について話すように説得され、リズはとうとう手紙について話はじめる。
手紙には「この10年の結婚生活は地獄であった。君(ルイーズ)と暮らしたい。リズを騙し、トムに頼んで一緒に飛行機で出発するようにみせかけ、君(ルイーズ)と暮らす」と書かれていた。
この事を話し始めるや、いままで我慢したことをすべて吐き出すように、リズは、思わず銃でウディを殺害したこと、その銃を川に投げ込んだ後に空港に行ったことを告白する。
こうして真相は解明された。ここで隊長は、もう何も証拠はないのだから。このまま、なかったことにすることもできるが、それではリズは一生良心の呵責に苦しむであろうから、罪に服すように勧める。一時期獄に収監されることにより、良心の呵責から脱出(escape)できるのだとするのである。
ずっと苦しんできたリズ、社長就任が悩みも重なって、押さえていたものの自制が効かなくなり、このような行動に走ったものと思われる。

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