2013年8月4日日曜日

CBS Radio Mystery Theater [Why Is This Lady Smiling?]


メモの日時;1983年7月5日(火)
タイトル: [Why Is This Lady Smiling?]
Episode; 1333


モナリザの微笑みの秘密は何なのか?
1498年、イタリアのフローレンスで、レオナルド・ダ・ヴィンチを呼び止めた男ジョコンダ。絹商人のこの男、つい最近結婚したばかりの妻リザの肖像画を描いて欲しいとの申しむ。金に困る身ではあるが、すぐに引き受けるのも、と勿体ぶって大金をふっかける。駆け引きの末、交渉は妥結。ジョコンダの希望は只ひとつ。彼女の笑顔を必ず描いて欲しいということ。
数日後連れてきたリザを見るも、ごく普通のイタリアの娘。只一つレオナルドが気に入らないのが、彼女のその笑顔。アテリエにて肖像画を描き始めるも、笑顔が気になり仕事にならない。彼女が言うには、いままでもこの笑顔を皆から注意されてきたのだが、没落した家族を救ってくれ、結婚してくれたジョコンダが気に入ったのはこの笑顔なのだ、と。レオナルドはそれでも気にいらず、笑いを止めろといっても出来ない、と。仕事も進まずジョコンダより責められる始末。
しかしある日、何かの神意で、一気に書き上げた絵を見て、リザは「何か私ではない」と。しかし、レオナルドは内なる彼女の真実を描き上げた事を述べ、彼女をモデルに、彼女を越えた存在をつくりあげ、永遠の命を得たことを告げる。
しかし、主人のジョコンダは、この絵を見たとたん急に不機嫌になり、この微笑みを除かない限り支払いはできないと強く迫る。しかしレオナルドはこれを断り、喧嘩分かれとなる。
しかし年とともに、このジョコンダ婦人の肖像がフローレンスの人々の評判となってきたある日のこと、リザ婦人が現れ、この絵を人の目につかないところに隠してほしいと要求する。主人のジョコンダが、自分には見せない微笑みを他人のレオナルドに見せたことなどを、世間がジョコンダを笑い者にし、妹も財産を取られた腹いせから兄のジョコンダに中傷し、自分の立場も非常に悪くなっている、と。そして、天才のレオナルドであれば、何か方策を考えて自分を救ってくれると思って訪れたと伝える。
リザと主人のジョコンダの仲を元に戻す方法を考えたレオナルドは、近くの小さな協会へ行き、そこの神父に協会の壁に絵を描きたいと申し出る。高名な画家の申し出に喜んだ神父、一も二もなく承諾。レオナルドによれば、ジョコンダ婦人を中心に神々を描き、彼女の微笑みの天使のような、純粋な美しさをポイントにフローレンスの守護を求める絵を描く、という。ジョコンダ氏には神父から許可を申し出て欲しいと。この話を聞いたジョコンダ氏は大いに喜び、彼女の微笑み、肖像画と寸分違いないことを確認し、神父の認めた天使の微笑みをもつ女性を妻にした喜びに感謝する。
しかし、結局はこの絵は描かれることがなかった。リザが当時流行したペストに罹り死んでしまったからである。その後、この絵はフランス国王に売られ、今に到るのである。

0 件のコメント:

コメントを投稿